ゲームを悪だと思わないこと

子供がゲーム依存症で寝ても覚めてもその事ばかり考えているようだと、親は不安になるものです。
その事ばかりに夢中になって、受験勉強や宿題をやらなくなったらどうしようと心配になったり、ずっと画面と向き合っていることで目が悪くなるのではないかと思ったり、その世界でしか楽しめずに現実には向き合える友達が出来なかったらどうしようと考えたりするからでしょう。

しかしゲームか悪なのではありません。それをしていたって立派な大人もいますし勉強の出来る人もいます。
ただスポーツなどと違って一般的に没頭することが良くないという考え方をされる物だから、何か悪い事が起きた時にあの時遊んでいたからとそのせいにしたくなるのではないかと思い、予防線を張ってしまうのでしょう。

でも、スポーツはもしかしたら怪我をするかも知れないし怪我をさせる可能性もあって、勉強する時間を取れなくなる可能性もあるのに、辞めなさいと怒られたりする事もなくスポーツ依存などという言葉もありません。
それなら実際に悪い事が起きたわけではないのに、遊んでばかりいては悪い事が起こる可能性があるから辞めなさいとか他の子に勉強で置いていかれるとかと騒がれると、説得力が無く子供はなぜスポーツなら良いのかと違和感を覚えるのは当然でしょう。

ゲームをするのは悪い事ではありません。
何でもやり過ぎることは良くないですが、それは何だったそうで特定の物には限られないはずですので、それ自体を悪者だとして攻め立てるようなやり方は、子供への接し方として最も悪い例で危険だと思うべきでしょう。
固定概念にとらわれ過ぎず気持ちを楽に構えてください。

共感していっしょに楽しむ姿勢を

なぜゲームにハマって依存するほどなのかと言えば、楽しく飽きない面白さがあるからでしょう。
ならばその楽しさをまずは共感してはどうでしょうか。

ゲームなどしてはいけないという厳格な態度ではなく、ゲームってどんなことが楽しいのかを素直な気持ちで問いかけてみたり観察してみたりするのです。
決まった目標をクリア出来るのが達成感があって楽しいのか、ゲームの世界でキャラクターなどが動いたり現実らしくない光景に入り込めるのが楽しいのかなどを探ってみるのも良いです。
またポイントなどが目に見える形で溜まっていくのが快感なのか、それとも対戦相手と競ったり仲間になってゲーム上でコミュニケーションを取ったりするのが嬉しいのかなど、様々な楽しみ方があれはずです。
そうやって楽しさを理解すれば、頭ごなしに叱るようなものではないと認識出来るかもしれませんし、時間を決めて一緒に楽しむ時間を作ろうという話も出来るかもしれません。

相手が否定的な態度をした時に、子供はそれを辞めるのではなく隠れてやるようになってしまいます。
自分の部屋に閉じこもってゲームをやり続けるようになっては不健康ですし、友達の家にゲームをしに出掛けて遅くなっても帰ってこないと余計に心配が募りガミガミと言いたくなってしまいます。

そうならないためにも、子供が楽しいと思っている事を分かろうとする努力が必要です。
何かにのめり込む集中力はきっとほかの事にも応用が効きますので、その集中力を褒めたりこんな事にも活かせそうなどとアドバイスをしてあげると、反発心が生まれずに円滑なコミュニケーションをとれます。

興味の幅を広げてあげよう

ゲームを取り上げたからと言って他に興味が向くわけではありません。
取り上げられたことへのストレスが溜まりより一層ゲームへの執着心が強まったり、そこへの興味に固執する事にも繋がって逆効果です。
要はゲームがなくなればその分の情熱が他にいくのではなく、今はゲームが最も楽しく優先度が高い状況だということです。
その優先度を下げるためには、他の事の優先度が上がらなければ意味がないわけです。
つまり世の中にはゲームの他にももっと楽しいことが沢山あるということを身をもって分からせると、ゲーム依存からの脱却は一番早いです。

そのゲーム以外の事というのが、勉強やスポーツのように立派な事でなくても構いません。
その子が興味を持てそうな分野で他に楽しみを見つける事で、視野を広げることが出来て自分の幅も広がっていくのです。
そうやって視野や興味の幅が広がると人間関係も自然と交流が広くなりますので、自分の知らなかった世界を会話の中から見つけ出し、また新たな事への興味に繋がっていき好循環となります。

子供は自分の目の前にある事や経験したことが少ないので何かに固執したり執着しがちなのですが、そこをこじ開けられるような環境や機会を準備してあげると、一気に世界が広がり今みで固執していたことが直ぐにどうでもよくなったりするものです。
まずは習い事や地元のイベントなど気軽に出来そうな事から挑戦する機会を作ると良いでしょう。
特に友達も一緒になどという動機があると子供は取っ付きやすい場合もあります。
仲の良い友達と一緒に新たな何かを始めるきっかけづくりをしてあげてみてください。

ゲームで培った能力を活かそう

ゲームが大好きなのにゲームをしている自分を否定されるということは、自分そのものが否定されているのと同じくらいショックを受けてしまいます。
ゲームをしている自分の良さを認めてもらえると、嬉しくなり心も開くはずです。
よく語学堪能な人が、外国のドラマが好きでそれにハマって見続けているうちに語学も覚えてしまったなどと言うのを耳にします。
そのように好きなことをやっているとそれに付随して他の事も一緒に吸収している場合が多いのです。

ゲームだと例えば機械操作が早かったり上手かったりという能力が身についていたり、どのような目標設定にすれば攻略方法を考えるのが楽しくなるかとか、クリアした時の達成感が得られるかなどといったモチベーション管理を実は上手く身につけていたりします。

それらのゲームで培ってきた能力をしっかりと認めてあげ、それは素晴らしい能力で他の事にも色々応用して使えるという事を教えてあげると、他の事にもその能力を活かしてみようと思うのではないでしょうか。
ゲームの攻略方法なども、どこから情報を入手すると良いとか自分でこういう手順で考えるとか、こうやると失敗しやすいとかゲームを通して段取を考えたり効率を考えたりしてパフォーマンスを上げる方法を試しているはずです。
それを勉強やスポーツやその他の習い事などに当てはめて使ってみたら、同じように楽しめるという事を親は子供に教えてあげるべきです。
また親が上から色々と言うのではなく、自分が挑戦したり楽しんだりしている姿を子供に見せることこそが子供のモチベーションアップにつながるはずですので、口だけでなく体や頭を使って手本となりましょう。

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ゲーム依存の子供を持つ親は心配になる余り、ゲームを否定して辞めさせようとしたり取り上げようとしがちですが、それは逆効果です。
子供が何故そんなにゲームに夢中になっているのか、何がどのように楽しいのかなどを理解して共感する姿勢を示し、時には一緒に遊ぶくらい柔軟な対応を見せると子供と信頼関係を築けます。

さらにゲーム以外の事について優先度を上げるべく、様々な経験をできるきっかけや環境を親が作ってあげてゲーム以外にも楽しいことが沢山あるということを身をもって感じさせることが重要です。
それにゲームは悪いことではなく、それにのめり込むことで培った集中力や攻略法を考える頭脳などを活かせばスポーツや勉強などにも応用して使えます。