目次
1, Sさんが不登校になった経緯(カウンセリングを行う前)
2, Sさんの不登校の引き金
3, 不登校の解決のカギ
4, 現在のSさんはどうなったか?
5, カウンセリング経過のまとめ
6, まとめ
家族構成:父・母・兄・Sさん(離婚しており、父・兄は別居)
1,不登校になった経緯(カウンセリングを行う前)
“中学2年生ぐらいの頃から、いろんなこと〈人の目等)が急に気になるようになり、発表の授業があると学校に行くのを嫌がるようになる。
3年生の合唱コンクールをきっかけに本格的に学校に行くのが億劫になり、朝起きれない、意欲がわかない、無気力、携帯ばかりを見るように。
学校は何とか途中から登校したり、お休みしたりを繰り返している。
両親は小学校6年のときに離婚。兄弟もおり、また兄弟も色々問題も抱えている。お母さんから娘さんにカウンセリングを勧めたが、とても人見知りのため受けたくないと言っている。
2,Sさんの不登校の引き金
Sさんのお母さんが、子供を信頼していない人であったこと。
Sさんにはお兄さんがいますが、お兄さんが宿題をやったというと「本当にやったのー?」と冗談な声色で疑ってかかる。
ご自身の目で見ないと子供の言葉を全く信用されない方でした。
「ほんとうに大丈夫なの?」「本当に全部できたの?」
明日遊びに行くと話した時も、「誰と行くの?どこに行くの?何しに行くの?いつまでに返ってくるの?」など、Sさんからすれば、信用も安心もされていない状況でした。
親からの信頼不足の中で育ったSさんは、学校においても信頼されるか不安をかかえます。
その不安が募りの募って、合唱コンクールという最も人目が集まる瞬間に爆発しました。
緊張せずに周りと一緒に歌えない、それでは周りに迷惑をかけてしまう。
周りの役に立てない自分は、参加しない方がいいという“役立たず不安”を感じ、学校(合唱コンクール)を避けようとしたのです。
3,不登校の解決のカギ
・自分で見ていないことだとしても、子供の言うことは絶対的に信用すること
・自分の目で見て確認できないことも、いちいち不安にならないこと
・子供の自由意思による選択に対して、100%完全に信頼を与えること
・子供の男女関係に親が口を挟まないこと
・「私の娘なら必ず大丈夫」だと信じきること
・娘さんがやろうとしていることに、積極的・協力的な姿勢を取ること
4,現在のSさんはどうなったか?
もう、カウンセリングは行っておりません。
私立の高校に合格後、不安と緊張で1日だけ休んだものの、その後は1日も休まず当校。
親御さんは気分転換やリフレッシュができるようサポートしてくださっており、実は完璧主義だったSさんについても理解するようになったそうです。
5,カウンセリング経過のまとめ
以下に、親御さんがカウンセリングを受けたあとに、お子さんの不登校についてまとめてくださったレポートがございます。
どのようにカウンセリングが行われ、どのような経過を過ごされていったのかを、このまとめを行うことで、親御さん自身も何が原因だったか気づけたりするのと、カウンセリング以外でお子さんがどのような行動を取っているのか私が把握できるため、スムーズなカウセリングを行うことができます。
1回目カウンセリング後のまとめ
事の始まりはちょっと前にさかのぼります、娘が不安を訴えたのは中学一年生の時の合唱コンクールの練習が始まった時でした。
最初に「緊張するから合唱コンクールの練習も嫌だし本番も出たくない」この台詞を聞いた時は「普通に緊張」しているものと思っていました。
どちらかと言えばハキハキして小学校の時は本当に元気なイメージだったのでそれほど大きくは受け止めていなかったのです。
一年生の発表の時は何とか自力で頑張りました。
2年生に上がり、また同じ時期に差し掛かるとまた「合唱コンクール出たくない、練習もいや」というようになりました。
でもこの頃になると合唱コンクールだけではなく「弁論大会」「クラスの中の授業の発表」「音楽の歌のテスト」等本当に辛いと訴えてくる回数が増えていたので、私の中でも「これは?」と少し不安が生まれてきていました。先生とご相談しながらも、半場無理やり合唱コンクールに出る形となりました。
そして3年生になったとき、すでに娘の中では「発表(皆の前に立つこと)は完全にNGになっており、合唱コンクールの練習が始まると学校に行きたがらなくなりました(3年生の9月終わり頃です)その時は最初は練習に出なくてもいいから授業には出ようと言っていたのですがいざ本格的に練習が始まると練習に参加しない自分に向けられるクラスメートの目が苦しく本格的に休みたと言い出しました。
この時はクラスの中にいる時は元気だからと先生にも本気で取り合ってもらえず保健室登校も「保健室出入り禁止」といわれ、行き場が無く、自習室で1,2時間過ごして帰ってくるというパターンを繰り返していました。
この頃になると学習意欲も失い、生活自体に張りがなくなっていました。
受験シーズンなので本当に親として焦りました。
ご紹介が遅れましたが私は娘が小学生のときに離婚しており自分の力で立派に育てなきゃ!と変な気概が大きくこの辺りも娘にプレッシャーを与えてしまっていたのだと思います。
合唱コンクールは「歌わず譜面めくり」の係りをもらって、それでも緊張と震えで倒れそうになりながらも頑張って参加しました。
合唱コンクールが終わったら、もう大丈夫かな、、と思っていたのですが、長い練習期間の間に娘はすっかり自信をなくし自分の居場所を学校で見出せなくなっていたようでした。
勉強も全く手につかず塾も休むようになりました。
身体的な不調もこの時期から急速に進み朝は起きられず、起きても学校に行きたくない、
そういって12月ぐらいには一日1~2時間出るのがやっとのような感じでした。
お正月ちょっと前ぐらいです、インターネットで不登校の記事を目にしました。そして興味を持った私は不登校に関する書物を読んでみたいと思いそこで新井先生の著書と出会いました。
すぐにホームページを拝見し無料相談を受けてみようと思いました。
藁にもすがる思いでした。無料相談を受ける前に沢山の此方の情報を送らせていただいたのですが、それだけ此方の背景を過去からさかのぼり見てくださるのだ、と信頼感が増したのを覚えています。
事前に読んだ「10の言葉掛けと接し方」、そして改めてご報告する膨大な過去からさかのぼる自分たちのデータの中に「これは、、これが原因では」と思える節が沢山ありました。
無料相談の時は先ずは親である私の状態から変えていかなければ、、と強く感じたのを覚えています。そしてカウンセリングを嫌がるかもと思っていた娘を時間を掛けて説得し漸く一回目のカウンセリングを予約させていただくことが出来ました。
カウンセリング前までは受験が間近だったので出席稼ぎのために学校に来てくださいという先生に何とか説明して、1時間のみ、もしくは保健室に顔を出す等の対処法で出席日数を稼ぎほとんど勉強しないまま受験に望みました。
受験はカウンセリングの2日まえでした。
普段起きられない娘にとってこの日朝起きることも本当に辛かったと思うのですが何とか頑張って面接まで乗り切ってくれました。
そしていよいよカウンセリングの日です。
この日は記録的な大雪にもかかわらず足場の悪い中先生はお約束の場所まで新幹線を使っていらしてくださいました。
4時間強のカウンセリング、今日は娘への質問、今までの詳細の出来事にほとんどの時間を割きました。
娘も緊張していたのですが思ったよりお答えできてホッとしました。
そしてカウンセリング日は受験発表の日でもありました。
先生と共に合格発表を確認させて頂いたのは多分一生忘れられないでしょう。
娘の視点からの意見、言葉たち、今までこのように集中して聞いたことがあったでしょうか、話しをしていく中でどれだけ娘への目や心を掛けて上げられていなかったか、寂しい思いをさせていたか、共感し愛情を掛けることの欠如がはっきりと浮かんできました。
自分の中でもカウンセリングの中で本当にその事実を受け止めると共に娘に申し訳ない気持ちに一杯になりました。
私も別れた主人も共感の少ない家庭環境で育ってきたこと、そのため子供たちにも共感するということがすっかりと抜けていたのです。娘はきっと行き場が無かったことでしょう。
カウンセリングは今からが本番ですし、これからまだ浮上していない娘の心の叫びも新たに見つかるのではないかと思います。
私はそれらをシッカリ聞き受け止め、今までの分も満たせるよう接して上げられたらと感じております、
そのためにはこれからのカウンセリングで自分自身のケアも同時にしていかなければと思っております。
娘も最近集中力が無く、長いカウンセリングは疲れたと思うのですが最後に感想を聞いた時は「話せてすっきりした」と。この言葉を聞き、次に繋がる、とホッとしました。
これからがスタートですがどうぞ宜しくお願いいたします。今日は本当に大変な中お越しいただき有難うございました。
そして、カウンセリング前にも関わらず度々の不安や質問を送らせていただいたのですが、いつもご丁寧に答えいただきましたことにも心より感謝しております。
娘の苦手な人前での発表、対人への恐怖が和らぎ娘の心からの笑顔が戻ってきますよう願いながらサポートさせて頂きたいと思っております。
2回目カウンセリング後のまとめ
前回から2週間あけて2回目のカウンセリング、この度は隣の県でカウンセリングを予定しておりましたが、その少しの距離の移動が実は不安でありました。
知らない人、場所、いつもと違う事をする、それは今の娘にとって抵抗があり、「嫌だ」と言う拒否に結びついてきた様子を何度も見てきていたからです。
拒絶されたらどうしよう困る、、私の中の不安も大きくなりました。
ただ、不安もありますが「もし、ここで出かけることでよい思い出や経験が少しでも生まれればそれは次へ繋がるきっかけになるかも」と思い直し少しでも娘の負担が軽く感じられるようにスケジュールを立てることからはじめてみました。
離婚してから一緒に遠出の無かった娘は「旅行に行きたい」と前々から行っていたので。
「ちょっと旅行みたいに出かけてみようか」と声がけして前日の夕方から現地に入るようにしました。
興味のあるような場所をリサーチし(ペット屋さん、洋服屋さん等)久しぶりに長い距離を一緒に歩くことになりました。実は音、匂いにも敏感な娘、歩いている間にも色々ありました。
カウンセリング前に「ああ。。娘はこんなことに不安を感じたり、嫌なことと受け止めることがあるんだ。。」と改めて知ることも出来ました。
(不登校になってから家から出て出かけるのも億劫になって、体力も落ちていたので心配でしたが思ったよりも頑張って身体を動かせたと思います)
そしてカウンセリング当日、2回目と言うこともあり、先生とお会いすることは前回に比べると緊張は和らいでいるようでした。
気になっているのは近々予定している卒業式で大勢の前で人前に立つこと
私が気になっているのは娘がカウンセリングで魔法のような解決を望んでしまわないかと言うことでした。
「カウンセリングとは時間がかかるものなのだよ」という私に対して娘は「でも(目の前に近づいている)卒業式が困るの、このままでは困る」という感じで、その辺りをどのように乗せていけるかも一つの課題であると感じています。
2回目も今までの出来事を掘り下げていく作業が続きました。
例えばどんなことが苦手であるか、その時何が気になってどう思われていると自分が感じているかなど。
この度は家族の中で自分が兄弟と比べ孤立しているような感覚を持っていることに着目しました。
家族の中で自分が兄と比べて出来ないことが多く、そのことを兄に言われ続けていること等。
まだ不安を打ち消す段階までには至りませんでしたが「実はとても完璧主義」であることの事実を見つけた時は意外な感じがしました。
勉強でも苦手科目だけ自信が無くなるのではなく、一つ出来ないとわかるとすべてが嫌になってしまう所、失敗を恐れて最初からやるのが億劫になってしまう所も完ぺき主義から来ているようでした。
私もただ面倒くさがりでやらないのだと思っていましたが確かに小学校の時から「バツ」をつけられることを極端に嫌がりその時点でいろんなことが嫌になってしまっていたこと。小さな頃からその「芽」があったことなどを思い出しました。
それが「源流」かどうかはまだ分かりませんが本人が腑に落ちて納得できるような理由や原因の発見に繋がって打ち消し出来ることを願っています。
失敗してもいいのだよ。
そこからまたチャレンジしていけばいいんだよ、気にしなくていいんだよ。
その言葉が娘には今は届かない状態です。
自分の中で「そう解釈できない」「許せない」そのような思考回路に何故なってしまうのか。
失敗したくないがために少しでも嫌なことがあると逃げてしまいたくなる、諦めてしまう、私もそうなってしまうとどのように接していいのか分からず、本当に苦しくなります。
私の心の持ち方も不安で一杯な状態なのでそのような所も娘に伝わってしまっていると思います。
どうしたら親である自分が心を安定させて娘にシッカリとした気持ちで向き合うことが出来るのだろうか。
そこの辺りもカウンセリングをとおしてご指導いただければと思っております。
学校へはもう、全く行く気が無く顔出し程度の状況が続いています。
あと少しで卒業、自分の中では高校でリセットしたいと思っているようです。
私も行くことは強要せず、娘の意見を聞きながら顔出しの時間も決めています。
学校生活では人間関係でも自信を無くしていて、会いたくない人、ストレスを感じることだらけになってしまっている娘。
気持ちを理解してあげながら様子を見たいと思っています。
今はまだカウンセリングでは学校の内容には触れておらず、不安に至る「源流」を探している段階ですが(家族の中の)
少しでも娘が「あっ」と腑に落ちていくようなそんな方向に進んでいけたらと思っております。
一応気をつけていることは昼夜逆転しないようにしていること。
朝は少しづつ以前に比べると目覚めまで時間がかからないようになってきています。
夜は寝つきに時間はかかりますが、朝のスタートがスムーズであれば高校に進んだ時に娘の負担が少しでも軽くなるのではとおもっているので。
入学までのあと2ヶ月ほど体調だけでも少し安心できるように整えていければと思っています。
2回目は娘にとっても私にとってもちょっと冒険のような2日間でした。
娘の中で目に見えない変化が動き出していることを信じて見守ってまいりたいと思います。
まだ手探り状態ではありますがまたどうぞ宜しくお願いいたします。“
いかがだったでしょうか。
Sさんの不登校の原因を見つけ、親御さんがそれに理解・共感できたところから、Sさんは少しずつ変わっていったのです。
最後に、親御さんからこんなメッセージをいただきました。
“最後に、私の中では色々考えることが多い数ヶ月でした。
娘と向き合い、目と言葉を向け、これからも一緒に成長してまいりたいと思います。
新井先生にも沢山の大切なことを教えて頂き学ばせていただき、本当に有難うございました。
今までよりも朝は早く、慣れないバスの通学、私立なので土曜日も学校があることも多く中々まだ慣れていないことも沢山ありますが、笑顔で向かい合う時間を増やしてゆきたいと思っております。
部活動も軽音部に興味を持っているようです。
本当に興味を持ったことに色々挑戦してもらいたいです。そして応援してあげたいです。
短い間だけではありましたが、ご縁を頂き本当に感謝です。
有難うございました。“
6,まとめ
不登校は放っておいて良くなることはありません。
むしろ放っておくことで、お子さんの「役立たず不安」は高まる一方です。
不登校セラピーでは、カウンセリングを通してこの「役立たず不安」を解消していきます。
結果、不登校の改善だけでなく、家族関係や友人関係も良くなったというお声を数多くいただいております。
ぜひ、お子さんの不登校解決のために、一歩を踏み出してみて下さい。
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