まずは子どもの気持ちに寄り添う

子どもが登校拒否になったら、不安や苛立ち、焦りなど色々な気持ちがあっても、まずは気持ちに寄り添って無理強いをしないことが大切です。
本人も苦しんでいるはずですので、強いストレスになるような言葉を発してはいけません。
一度信頼関係が崩れてしまえば、その後は悩みを打ち明けることも無くなって、内にこもってしまう恐れもあります。
自分の家の子どもが登校拒否になると、最初に思うのが早く元の状態に戻すためにはどうしたらいいのかということですが、焦っても良い結果は生まれませんので、無理強いをしないように気をつけましょう。

聞く姿勢もなく、ただ単に親側の要望をぶつけても、子どもの心には響きません。
話し合いのつもりが説得になってしまうこともあり、そうするとただ単に自分の体裁のために話しているのだと取られかねません。
登校拒否になったら、何かしらの悩みや不安を抱えていて、それを聞いて欲しいと思っているはずです。
その気持ちを無視したまま解決することなどありえませんので、焦る気持ちを上手く隠してゆったりとした対応で臨むようにしましょう。

頭では分かっていても、いざ自分がその立場になると不安な気持ちに押しつぶされそうになってしまいます。
親でさえそうなのですから、本人はどれほど辛いだろうというところまでもっていくことができないと、気持ちを通わせることは不可能だということを理解し、落ち着いた対応を心がけることが何より大事です。
ゆっくりと話を聞いてるうちに本人の中でも情報や気持ちが整理されてきて、自然に前向きに考えられるようになることもあります。

家族間のコミュニケーションを大事に

父親と子ども、母親と子どもがそれぞれ話せば良いと考えている人が多いようですが、家族間のコミュニケーションが上手く取れていないと登校拒否の問題が発生しやすいので、父親と母親も十分なコミュニケーションを取ることが大切です。
父親と母親がどんな関係なのかを子どもは敏感に感じ取っており、家庭内にトラブルを抱えている時にはそれが強いストレスとなって活力を奪うこともあります。
日頃の会話でさえ事細かに覚えているケースがありますので、関係性が思わしくない場合には見直すことも必要です。

よくあるのが喧嘩ばかりしていたり、会話が全く無かったり、夫や妻の悪口を子どもに言ったり、どちらかが全く子どもに関心を寄せていないということであり、これらに該当する家庭では子どもが親を信頼できなくなって相談することもありません。
信頼していない相手から何を言われても心には響きませんので、何とかしたいと思ってもそのままではできることがありません。

父親と母親がしっかりとコミュニケーションを取り、同じ問題に取り組むという共通認識を持って臨むことが大事です。
ここの間の話し合いがしっかりとできていないと、それぞれの言っていることが違っていて、どちらを信頼したら良いのかが分からないという事態も起こりかねません。
家族で話し合う機会が少ないと、登校拒否のような問題が起こった時にどのように話し合ったら良いのかも分からずに、それぞれが言いたいことを言って終わりにしてしまうケースも多いようです。
ここで家庭内の問題に気付き、きちんと話し合うことができれば、信頼関係も回復できます。

家庭内での役割を与える

通常は登校拒否になったら、家の中でやることが無くて時間を持て余すことが多いのですが、少しでも前に進むためには家庭内での役割を与えることも重要です。
外出することができなくなると社会に触れることがなくなり、それがずっと続くことでより社会に馴染めなくなります。
これが大きな問題であり、長きにわたって引きこもる要因にもなります。
家庭はもっとも小さな単位の社会であり、その中で役割を与えてしっかりとこなしてもらえれば、そこから徐々にステップアップしていくことが可能です。

任せることは、とても簡単なことで構いません。
簡単なことの方が続けやすいので、簡単なものを選んだ方が良いかもしれません。
興味のあることがあれば、それをお願いしてみるのも良い方法です。
任せるだけでなく、きちんとこなしたら褒めたりお礼を言ったりして、こまめに声をかけていきます。

万が一任せたことができない日があっても、責めるのではなくて、次回もお願いすることを伝えるだけにしましょう。
そうした対応を続けることで、頼りにされていることを実感し、少しずつ自信を持てるようになります。登校拒否になっている間は、自信を喪失している状態ですので、それを回復するためのケアを取り入れることはとても重要なことです。

日々の役割を通して、家庭内という小さな単位ではありますが役に立っているということを感じることができます。
自信を喪失している時には失敗した時の対応もとても大事なのですが、失敗しても次に頑張れば良いということを伝えていけば、失敗を恐れずにチャレンジできるようになって、良い循環が生まれるはずです。

将来のことを一緒に考える

登校拒否の間は、子どももとても不安です。
このままいったら将来どうなってしまうのだろう、進学や就職ができないのではないか、と色々なことを考えるようです。
しかし、心が疲弊した状態で動けば、すぐにまた立ち止まることになり、同じ状態になってしまいます。
ですから、今はゆっくりと休憩をする時であることを伝え、その間に将来のことをじっくりと話し合うのが良いようです。

漠然とした不安を抱えているとその不安が大きくなって押しつぶされそうになるものですが、家族間で将来の話をすることでどのような選択肢があるのかを理解することができますし、現状の問題点や可能性なども整理できます。
皆が持っている情報を出し合うことでより良い案が生まれることもあり、話し合うだけでも気持ちがスッキリとすることもあります。

家庭内で登校拒否の子どもがいると皆が塞ぎこんだ気持ちになって暗くなりがちですが、話し合うと不思議と前向きな気持ちになりますので、やはり話しをすることは大切です。
顔を向き合わせて話せば、子どもも理解者がいることを強く感じることができ、できることから始めようという気持ちに変化するかもしれません。

長く問題を抱えていると将来のことなど考えられないと思ってしまいますが、そんな時こそ会話をする時間を増やすことを考えましょう。
何が不安なのかが分からないというのが一番のストレスになり、どのように進んだら良いのかも考えることができなくなります。
万が一将来のことを話そう伝えても聞いてくれないという場合には、押し付けるような言い方をしていないかを考えてみる必要があります。
押し付けは反感を招くだけです。

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子どもが登校拒否になったら、まずは気持ちに寄り添ってゆったりとした対応で臨むことが大切です。
家族間で上手くコミュニケーションを取れていないと問題を解決することができませんので、家族のあり方についても一度見直してみる必要があります。

もっとも小さな社会の単位である家庭内で役割を与えることで自信を持たせることができますので、何か役割を与えて、きちんとこなせたらその都度声がけをしましょう。
自信を失っていますので、自信を回復することも重要です。
漠然とした不安を抱えながら過ごすのは辛いものですので、現状を正しく理解して将来の選択肢について考えるために、よく話し合うことも必要なステップです。
将来のことが少しでも見えてくれば、それが力になります。

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