先日、長野県の中野市において、立て籠った若い男が4人を殺害し、現行犯で逮捕されるという事件が起きました。事件の全容はまだ明らかになっていません。
報道によると、男は女性2人を殺害したときの殺害理由として、女性がしゃべっているのが自分を馬鹿にしているように聞こえたと述べているらしいです。この人が自分を馬鹿にしているという部分が私が注目する点です。
なぜならば、この不安は不登校の子にも多くあり、いわゆる「見下され不安」というものだからです。
不登校の多くの子が人の目を気にします。人から笑われたり、馬鹿にされたり、悪口を言われたり、陰口を叩かれたり、そういったことに対して、ものすごく敏感になっています。
相手が自分を見下しているのではないか、自分は見下されているのではないか、相手から軽く扱われているのではないか、ということが人間不信のように積み重なってしまっているのです。
この「見下され不安」は今回の事件のように最悪の場合、殺人事件にまで発展します。
この事件だけではなく、他にもアメリカでの銃乱射殺人事件など、「見下され不安」が発端になっているものは多いです。
私は「この犯人はどう育てられたんだろう?親から共感されていなかったんだろうな。」と思いました。
なぜならば、共感されなかったり、共感をすっとばして解決策を言われたり、話をすり替えられたりすることで、「自分を軽く見られている。適当に扱われている。」と感じて、「見下され不安」を感じてしまうからです。
親に上から目線で物を言われることでも、「見下され不安」は感じてしまいます。
この「見下され不安」を他人や社会に反映してしまい、見下されること、笑われること、馬鹿にされることなど、冷めた目で見られること全般に対して、過敏に反応するようになってしまうのです。
不登校のお子さんはこういったことに実に敏感に反応します。
この「見下され不安」があるために、「自分のマイナスな点や不完全な点、ネガティブな点を人前でさらすと人は冷めた目でみて、自分を馬鹿にしてくる。見下してくる。」と怖くなって、自分のマイナスを晒さないために学校に行かなくなるのです。
この「見下され不安」の問題を解決することができれば、不登校の解決に一気に近づくと思いませんか?
もし、不登校の解決が停滞している方は、ぜひこの「見下され不安」の問題に注目して、ホンモノ共感を徹底的にありとあらゆるときに実践してください。
不登校の解決が停滞している方のほとんどは、ホンモノ共感が徹底できていません。
思わず共感をすっとばして、話をすり替えたり、いきなり解決策を提示したり、マイナスをプラスに転換しようとしたり、子供の不安を封殺しようとしたり、ということをどこかでやっています。
おそらくみなさん何かの形でホンモノ共感に取り組んでいると思います。
ホンモノ共感に取り組んで半年経っても改善しない、改善が停滞しているならば、お子さんに「見下され不安」があり、親御様がどこかで共感を忘れている場面があるはずです。
親御様がホンモノ共感を徹底的にできない限り、「見下され不安」はいつまで経っても子供の中に残り、不登校の改善を阻み続けます。
まず不登校の改善に取り組む手順として、お子さんが不安を訴えたり、ネガティブをさらけ出したりしている場面はどういった場面かをきちんとリストアップしてください。
そしてそれらに対して、あなたがどのように反応しているか、どんな共感の言葉をかけているかを録音して文字起こしをしてみてください。
文字起こしをした言葉をよーく眺めて、お子さんの言葉と情緒を正しく受け取れているか、共感をすっとばしていないかを何度も何度も見直してみて、改善を続けてください。
これを真剣に何度も取り組んでみれば、自分の足りないところがみえてくるはずです。
この「見下され不安」は「役立たず不安」や「嫌われ不安」、人間不信と同様に私が今、大変重視している項目でもあります。
「人が冷めた目で自分をみる。見下す。馬鹿にしてくる。自分に対する冷たい目線が気になる。」この「見下され不安」を取り除いてあげましょう。そうすれば不登校の改善は必ず実現できます。
ホンモノ共感クイズ「悪夢」
前回のホンモノ共感クイズには3名の方からご回答いただきました。
ひろみさん、さくらもちさん、yukinohanaさん、それぞれの言葉がけは、よい答えだと思います。ありがとうございます。
このお子さんの場合、勉強が嫌なのか、学校が嫌なのか、どちらがより強く嫌な要素なのかは言葉だけではわかりません。なので両方に網をはっておく必要がありますよね。
ちなみにこのお子さんのケースは、勉強よりは学校の方が嫌だそうなのですが、勉強そのものに対してはものすごい強い拒否感はなかったそうです。
ただ「学校×勉強」という掛け合わせの要素がよりお子さんにとって、強く反応する部分だったのかもしれません。
こういった要素を瞬時に考えて、適切な共感の言葉を紡ぎ出していくことがとても大切です。
3人のお答えはそれぞれ考えられた要素に対して、共感ができていてよかったと思います。
もしよろしければ、みなさんも今日お話しした「見下され不安」がお子さんにあるかもしれないと考えてみると、より共感が深まるでしょう。
みなさんも行きたくない場所でやりたくないことをする自分を想像してみてください。
そうすると、お子さんが悪夢だといった、吐きそうだとまで感じた感覚が共感できるのではないかと思います。
ホンモノ共感クイズ「ママ仕事休んで家にいて!」
あなたの娘さんは小学生で不登校だとします。
あなたは平日、フルタイムの仕事をしているものの、娘さんはしょっちゅう、「ママ仕事休んで家にいて!」とねだってきます。
できるだけ子供の希望にそってあげようと、休める時は休むようにしていますが、あまり休み過ぎると仕事が首になりそうで怖い面もあります。
ある日どうしてもこの日は仕事を休めないという朝に娘がまた「ママ、今日は仕事休んで家にいて!」と言ってきました。
あなたなら、娘にどのようにホンモノ共感しますか?
あなたが考えるホンモノ共感の言葉がけを6/5(月)17:00までにブログにコメントしてください。
来週6/7(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉がけをお伝えしますので、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。