再登校事例

精神不安定による不登校 女子高校生SKさん Vol.5

胎児期のストレス

まず、第3因子に対してメソッドを進めていきました。

そうすると幼児期からの第3因子に該当すると思われるたくさんの記憶が出てきました。
 
家内は結婚する前の20代前半から、生理が気を失うほどきつくなったり、抗生物質にアレルギー反応が出たり、メニエール病になったりと自律神経失調症ぎみで、自分の体に自信がもてないこともあり、ひどく落ち込んだりすることもありました。
 
娘の妊娠中はつわりがひどく、出産への不安もあり、体調を崩し、何度も産婦人科に通いました。
 
また出産後は理想の子育てをし、理想の母親になろうと、母乳育児を徹底しようとがんばっていましたが、母乳の出が悪いとき等、連続して2時間ぐらいしか睡眠がとれないことも相まって落ち込むことも多くありました。
 
二女の出産前に、”二人を同時に面倒見れない”と、二女の出産の何か月前から娘(長女)を保育園にいれました。
 
このときのことを後で娘は「何故、保育園に行かないといけないかわからなかった。」、また私はそのころ自宅で仕事をしていましたが、「お父さんは忙しそうであまりかまってくれなかった」と言っています。
 
こういうことが第3因子となってしまったのかもしれません。

解説

お母さんの妊娠と出産、育児は本当につらかったのだろうと思います。

ここに一つの原因が見て取れます。

私は「胎児期のストレス」が不登校の遠因の一つである、と常々公言しています。

胎児期に母体がどういうストレスを受けたかによって、生まれてくる子の精神安定性がかなり異なるからです。

母体が受けるストレスはいくつかの種類があります。

・結婚相手、つまり夫の豹変
婚約した途端、結婚した途端、つまり他人から家族に変わった時点で、態度や接し方が豹変する。
暴力や暴言、お金のことや家事などへの非協力、etc。

・嫁ぎ先の家風
嫁姑関係や、生活習慣、しきたり、家風などがあまりにも違う、など。

・仕事

・流産や早産の危険

・妊娠出産に対する不安

・その他妊娠期間中に受ける様々な精神的ストレス

お母さんが妊娠期間中これらのストレスを強く受けると、聴覚と胎盤を通じて胎児に伝わり、生まれてくる子供に次の2つのいずれかの傾向が見られます。
・神経過敏、感覚鋭敏
・発達障害的な傾向

これらが子供の養育を困難にするか、愛着障害を生む素となり、後の社交不安障害の遠因(種)となります。

このSKさんは神経過敏タイプ。
これでSKさん自身、ずいぶん苦労します。

そういえば、お母さんも桶谷式母乳育児を完璧に遂行しようとしてできず、そのことで落ち込んでいるのですが、「やってできないと落ち込む」という姿はのちのSKさんと重なります。

またお母さんは3年ぐらい前まで、気分がおちこんで、あまり喋らないときや、自室に閉じこもることが最低でも月に1回はあったそうです。

そのことをSKさん本人はこう述べたそうです。
「お母さんの体調が悪いと自分もこうなるのかと不安に思っていた。自分が心配をかけるとお母さんが精神面でおかしくなってしまうのかと思っていた」。

子供が安心できない家庭、それが愛着障害です。

さらに親が構ってくれないことについてSKさんはこういっています。
「いつも一人遊びをしていた。お母さんは妹につきっきり、お父さんは事務所で忙しくしていた。あきたらイライラしておもちゃをバーっとした」。

お母さんの精神安定度では乳幼児2人同時は面倒見れないのですね。そこに加えてお父さんも忙しく構ってくれない。

せっかく生んだのにキチンとケアできていませんね。