再登校事例

精神不安定による不登校 女子高校生SKさん Vol.6

「やらないとグチグチ言われた」

不登校になったころ娘と話したときに「小さいときから何をやっても空しかった、それを紛らわすために勉強を一生懸命やってきた」、
 
また部活動の練習や合宿に参加できない、試合に出れないなど、部活動もストレスになっているようだったので、休部するかやめるようにアドバイスしましたが、「部活の仲間を失いたくない、部活をやめたら私には何も残らない」など第3因子の影響かと思える言動もありました。
 
時間がとれるときに娘とのカウンセリングは1回2時間程度行いました。
 
ある日は学校を休んだ午後にカウンセリングした後、夕方から部活のために登校することもありましたし、プラスに影響しているのは明らかでした。
少しずつ進めて、少しずつ改善されていっているように思えました。
 
しかし過去いやな記憶を思い出すことや、本人も集中して疲れるので、次第にいやがるようになってきました。

解説

SKさんはこういっています。

「お母さんから勉強を教えられているときは、その言葉の裏にこんなのもできないのかと思っているのではと思った。

宿題をやっているか見張られている気がした(実際は見張ってはいなかったが、チェックはしていた。宿題だけはちゃんとやりなさい、という考え)。
やらないとグチグチ言われた。

内容をみられたり、勉強しなさいと言われるのがいやで、自分から勉強をするようになった。」

お母さんは「なんでこんなこともわからないんだろうか」とお父さんによく言っていたそうです。言ってはいけない言葉ですが、それがわからないようです。

これが後の「勉強を頑張りすぎた」につながります。

どこかがひどく悪いわけではないが、全てが少しずつかみ合わないまま、SKさんの養育が進んでいきます。このズレの積み重ねがちゃんと結果に表れます。

勉強する動機が、「学ぶため」ではなく、「空しさを紛らわすため」。
「部活をやめたら何も残らない」。

虚しいですね。
我が子にこんな空しい人生を与えたくはありませんよね。

親は我が子にどんな喜びを与えられるのか。
よく考え、実行しなければ。