再登校事例

いじめによる不登校 女子高校生アスカさんと弟D君 Vol.2

いじめによる不登校 男子中学生D君

D 君とお母さんがいわきまでお越しくださいました。
 
D君はサッカー部で鍛えられ、細いながらも引き締まった身体つきをしています。
 
彼は少し落ち着かない様子ながらも冷静に話してくれ、トラウマを与えたのは次の4人であることがわかりました。
 
T 先生
小4の時の担任の先生。
給食の後にギャーギャー大声で説教して泣きわめき、休み時間までつぶします。
 
N君
小5のとき野球で遊んでいてそのわがままな判定を巡って、媚びない性格の D 君と対立。
以来ことあるごとに D 君を目の敵にしました。
クラスのボス的存在で、なぜかみな逆らえず(大人も皆 N 君のことを持ち上げる)媚びを売る存在。
N 君の嫌がらせをお母さんが他のお母さんに話をすると「それは相手が悪かったねえ」。
 
S先生
中学のサッカー部の顧問。 D 君が中1の時の担任の先生です。D君を将来のキャプテンとして期待するあまり、中2からかなり厳しく接して集中砲火を浴びせます。
 
TMさん
中2のクラスメイト。
なぜか D 君を嫌い、給食の配膳を D君にやらせようとしたり、体育の時間に砂をかけてきたりします。配膳の片付けを D 君が拒否するとキレて暴れます。
D君の訴えを聞いたお母さんから担任の先生に話がいき、先生の仲介で和解。しかしこれによって D 君は全く朝起きられなくなっていました。
 
まずは小4の時の担任の先生の給食後ギャーギャー泣きわめいているシーンの記憶から。
 
そして、 N 君の古い方から二つの記憶を除去。
・判定でもめた野球のシーン
・すでに仲が険悪なのに D 君の家に他の子を使って一緒に遊びに来て、D 君の好きなおじいちゃんの部屋に勝手に上がりこみ、おじいちゃんの椅子に座り、(他の子はちゃんと挨拶したのに)挨拶もせず立ち去った記憶。
 
この二つの記憶を除去しタイムアップ。D君も「カウンセリングを継続します」ということで、次回は D 君のお宅で D 君、アスカさんの順に行うことにしました。

2回目のカウンセリング

約2週間後ご自宅で伺い、まずはD君からカウンセリングを始めます。

同席されているお母さんから、驚きのご報告が。

「前回の次の朝いきなりパッと起きて来て、嫌がる素振りもなく学校へ行ったんですよ。
今までいくら起こしても絶対起きなかったのに。私もほんとにビックリで。」

D 君は横ではにかんでいます。お母さんは続けます。

「前回のカウンセリングを終わって帰るときに D が『すごく!ホントに消えた』って言ってたんです。家に帰ってもお姉ちゃん(アスカさん)に『ホントに消えるんだよ、姉ちゃんも受けた方がいいよ』って熱心に勧めてたんです」。

それ以降彼は時々遅刻しましたが休むこともなく、朝も起こされるとすぐ起き、全く変わってしまいました。

それよりも私が驚いたのは、N君の記憶は他にも多数あり、それ以外の人物の記憶もまだ手付かずなのに、ほぼ「全快」となっていたことです。

TMさんの記憶ももう問題にはならず、学校でも別に怖いとも感じないそうです。

それ以降9回までカウンセリングを続けましたが、大きな変化はなし。
サッカー部にも在籍していた彼は夏休み中の練習にも積極的に参加し、黒人かと思う程真っ黒に日焼けしていました。

結局9回目のカウンセリングで終了。お母さんからその後も時折ご報告をいただきますが、彼は元気そうです。