再登校事例

集団リンチによる不登校 女子中学生ESさん Vol.13

衝撃的な変貌(12回目カウンセリング)

この日の衝撃を私は忘れられない。
ESさんの顔は、強烈な変貌を遂げていました。
 
可愛いとか、キレイとか、そういう言葉で表現ができない。
素晴らしい陽の気を放っています。高温の輝き。眼が釘付けです。
女の子の顔は、ここまで鮮烈に変わるのか!
 
ESさんはまだ14才、もちろんスッピン、黒髪、ポニーテール。
内面からの輝きです。化粧による綺麗とは質が違う。
 
実は記憶がクリーンになると、女の子の眼は澄みわたり強い光を放ちます。
これは私だけのちょっとした楽しみです。
(男の子は眼も顔も全然変化しない。ツマラン)
しかし今までとはケタが違う。
 
ジュースで乾杯。パーティーのようです。
 
新井「お母さん、ESさんの顔変わりましたね~」
お母さん「ええ。(ニッコリ)」
私の思い込みではないようです。
 
新井「ESさんは自分でわかる?」
ESさん「いえ」
これだもの。
お母さんの顔も、赤みが増しました。顔だけではなく、私に説明してくれる声が一段とハツラツとしています。
 
新井「MDさんとMKが話していると気まずい、っていうのは?」
ESさん「うーん、わかんない」
前回あげられた不安はすべて感じられなくなっていました。
もちろん実際その場になるとある程度は出るでしょうが、おそらくすぐに消えるはずです。
根っこがもうないからです。
 
ESさん「実はMDさんが“いつ朝から来んの”ってしつこく聞くんで、“木曜日の朝から行く”って言ったんです」
木曜日は明日です。笑うしかありません。横でお母さんも苦笑い。
 
朝から登校することについても、ルートを選べば不安は全くない、といいます。
少し遠回りして翌朝MDさんと待ち合わせするかも知れず、今晩メールして決めるとのこと。
 
一応確認です。「前回から何かした?」
しかし私が課した宿題以外は何もしなかったそうです。
自分でも変わった理由はわからないとのこと。
それで、急に“行こうかな~”と気持ちが変わったそうです。
“行こう”という感じではなく。
 
不登校児が、何もしないのに自然に変化することはありえません。ということは前回見つけた不安が最後だったのでしょう。
 
実はMDさんとHTさんは授業が終わるやいなや教室から飛び出してきて、ESさんに抱きついたそうです。お母さん号泣。
・・・そうか。それでこんなイイ顔なんだ。これは私では絶対できません。どうりで今まで見たことなかった顔だ。
 
記憶がクリーンになる。不安や恐怖がなくなる。心も満たされ前向きになる。
三位一体の変化でしょう。
過去どんな心理療法のセミナーでも、自己啓発セミナーでも、こんなに顔が変化した人は見たことがありません。
 
先生方も協力的で、ESさんの過去を把握して良く接してくれているようです。
 
私は“今日はさぞ不安が溢れているだろう”と手ぐすね引いていたのですが、もう何も出てこないのです。この日のカウンセリングは全くすることがありませんでした。
 
実はMKに一度会って話したそうですが、「どうだった?」と聞くと、「別に。もう友達じゃないから」。
これが正しい対応です。
 
そして
新井「ESさんさ、キャバ嬢になりたいって言ってたよね?」
ESさん「え、そんなこと言ったっけ」
夜の世界のことは頭から消えていました。
横で聞いているお母さんもニコニコ微笑んでいます。
 
私は修学旅行までMKらの影響をチェックすべきと考え、3月に1回、5月(修学旅行後)に1回ずつカウンセリングを行い、終了とすることを決めました。
 
「5月で終わりにしましょう」と私が言った時の、ESさんとお母さんの嬉しそうな顔も印象的でした。私を信じて良くついてきてくれました。もちろんお父さんもです。
 
なお今後も注意は怠りません。MKは学校にいるのですから。