目次
1, Wさんが不登校になった経緯(問診票より)
2, Wさんの不登校の引き金
3, 不登校の解決のカギ
4, 現在のWさんはどうなったか?
5, カウンセリング経過のまとめ
6, まとめ
家族構成:父・母・Wさん・妹
1,不登校になった経緯(カウンセリングを行う前)
突然、学校を休みたいとWさんからお母さんへ相談。
前日、最後の部活の大会があり、疲れているからかなとお母さんは判断。
夜、息子さんから話があり、1月頃からお腹の調子が悪くなって、授業中にお腹から大きな音がなるようになるも、「えっ、そんなこと?」と返事をしてしまった。
その事をクラスメイトが話しているのを聞いてしまいに益々気になるようになった。
その3日後、両親の説得で何とか学校に行くも、帰宅後、やっぱり無理とのこと。
辞めて通信で必要な単位をとり、大学受験を目指すと言いはじめ、それからは学校に行っていない。
2,Sさんの不登校の引き金
Wさんの夫婦関係と、お父さんの家庭への無関心が挙げられます。
Wさんのお父さんは、SE関係のお仕事をされており、夜遅いのは当たり前で、朝帰る生活を送られ、約束は守らず、上げ膳据え膳の方で、なんでもお母さんにやってもらうのが当たり前で家事や育児を放ったらかしにしていました。
Wさんが不登校になったときも、お父さんは無関心。
お母さんがから何かをお願いしない限り、動けないお父さんでした。
お母さんのストレスは溜まる一方で、夫婦喧嘩は絶えず、父母ともに非常に高いストレスを抱えて衝突を繰り返していました。
お母さんがイライラしたり、不満を溜め込んでいたり、怒った顔や声を幼少期から見続けることは、「お母さんをこういう表情にしてはいけない。
してしまったら、自分はお母さんにとって役立たずになってしまう」という役立たず不安を生むきっかけになってしまいます。
また、お父さんがお母さんの忙しい状況を察しなかったことから、同じように、お母さんの状況を察しない行動をしたらお母さんに嫌われてしまう、とお母さんの一挙手一投足に敏感になってしまいます。
その結果、日常生活でも相手をイライラさせてはいけないという意識が働き、常に周りに合わせ、「輪を乱さない」「空気を読む」ことを意識しすぎ、対人不安・対人緊張が生まれてしまいました。
日々抱えるストレスの中で、最もストレスの影響のある頭や消化器官に負担がかかり、ガス腸内異常発酵という現象が起き、授業中にお腹から大きな音が出てしまうという結果を引き起こしてしまったのでしょう。
また、夫婦関係が悪かったとしても、お母さんからの声掛け(授業中に大きな音をさせてしまったことに対して「えっ、そんなこと?」と言ってしまったこと)や共感ができなかったことも引き金になっていると考えられます。
3,不登校の解決のカギ
・両親の衝突を避けること
・夫婦間の会話で互いを肯定することを意識して行うこと
・親の言葉がけを治すこと
4,現在のWさんはどうなったか?(親御様からのメール引用)
通信制の高校での新しい学校生活が始まりました。
こちらは、卒業資格を得るのが目的だったので、息子もそこは割り切って通っているようです。
今は学校のない日は、午前中を図書館、午後から塾の自習室で勉強というサイクルで受験勉強を頑張っているようです。
やはり、同じ受験生がいる環境は、少なからず彼には良い意味で刺激があるようで、不登校で下がってしまった学力を取り戻し、以前のように希望する大学を目指して毎日努力しています。
5,カウンセリング経過のまとめ
以下に、親御さんがカウンセリングを受けたあとに、お子さんの不登校についてまとめてくださったレポートがございます。
どのようにカウンセリングが行われ、どのような経過を過ごされていったのかを、このまとめを行うことで、親御さん自身も何が原因だったか気づけたりするのと、カウンセリング以外でお子さんがどのような行動を取っているのか私が把握できるため、スムーズなカウセリングを行うことができます。
1回目(2017/06/30)のカウンセリング前〜後
高校3年生の5月。その日は息子の18才の誕生日でした。
また、所属している陸上部での、高校生活最後の大会で部活引退の日でもありました。
疲れた様子で帰宅し、簡単な誕生日会と労いをして、これから大学受験に向けて本腰を入れていかないとねと話しをして、普段と変わらず過ごしました。
翌朝、なかなか起きてこない息子を起こしに行くと「学校を休みたい」との申し出がありました。
理由を尋ねても無言のまま。私も出勤時間が迫っていたこともあり、大会の疲れや部活の引退で気が抜けてしまったのだろうと勝手に判断し、深く追及もせずその日は休ませてしまいました。
そしてその夜、息子から学校に行きたくないと初めて告げられました。
理由は、お腹のガスとのことでした。2年生の3学期、授業中にお腹の不調を感じたらしいのですが、トイレに行くタイミングを逃してしまい我慢をしていたら突然、大きな音がお腹の中から漏れてしまったそうです。
休み時間になり数人のクラスメイトがその事を話しているのをたまたま耳にし、その場に居ることができず、急いで廊下に出てしまったそうです。
そんな状況が何度か重なり、授業中もお腹のガスで苦しく、勉強にも集中できず、連日クタクタに疲れてしまうとのことでした。
「えっ、そんな事?」と予期せぬ理由に、思わず口を突いて出てしまった一言でした。
学校に行きたくないと言う事はこれまで一度も無かったし、その時はすぐに解決するだろう、まさか自分の子供が不登校になってしまうなんて正直考えもしませんでした。
息子は普段から口数も少なく自己主張をするタイプではなく、目立つことも好きではないし、どちらかというと素直で、あまり手のかからない子供でした。
だから今回も説得すれば、またすぐに学校に行くようになるだろうと安易に考えていました。それに翌週から中間テストが始まることもあり、休ませるという選択肢は考えられませんでした。
とりあえず、消火器内科を受診し検査もしましたが、身体の異常はなく、精神的なものだろうと、整腸剤を処方され様子をみることにしました。
休日に主人と私の説得から、頑張って学校に行ってみるということになり月曜の朝から学校へ行き、とりあえず一安心したのも束の間、帰宅後の息子からやっぱり無理。
学校を辞めてもいいかとのメールがきました。
そんな最悪の状況になって、ようやく事の重大さを実感したのでした。
急いで帰宅してみると、そこには全く別人の息子が居ました。
ベッドに横たわり丸くなって、無気力で全てに於いて自信を無くし、攻撃的な眼差しをしている、それは初めて見る息子の姿でした。
俺の辛さは、自分にしか分からない。
現にママだって、そんな事って言ったじゃんと、こちらの話には一切耳を傾けてもらえず、もう今の学校に行く気はない。
辞めて通信制の高校で残りの単位を取得し、卒業資格を得て大学受験するつもりだと言うばかり。
これはまずい。身体より心が参ってしまっている。
そう直感し、手当たり次第に翌日診察してくれそうな心療内科を探しだしました。
幸い、学校に行くことだけが駄目で、病院や塾には行くことが出来たので安定剤を処方してもらい、カウンセリングを行う方向で治療を進めていくことになりました。
私達は他にも学校に行きたくない理由があるような気がして、担任の先生にも事情を説明し、暫く休むことになりそうなこと、学校での様子、友達関係、卒業するにあたっての最低限必要な事などを教えてもらうべく、面会の時間をとって頂きました。
でも学校でのいじめは無く、先生も親しい友人も息子の変化には気付かなかったということでした。
学校も仮に1学期休んだとしても2学期は休まずに来なくてはならないこと、1・2学期の期末テストは必須であること、授業も保健室登校等の配慮は認めてもらえないことなど、卒業するとなると想像していた以上に厳しい内容でした。
結局、中間テストは受けられる状態ではなかったのですが、診断書を提出することで考慮して頂けたので、唯一それだけが救いでした。
息子の希望する通信制の高校という選択を、最初に私達はどうしても受け入れることが出来ませんでした。
あと数ヶ月頑張れば卒業できるのにという思い。
通信制の高校を卒業したことによる将来への不安や影響。
そういうマイナス要因しか思い浮かびませんでした。
このまま高校を卒業して、どこかの大学に入るのだろうなと漠然と思い描いていたことが、崩れ去っていくのを食い止めようと、とにかく必死でした。
息子の気持ちを変えるにはどうすればいいのか、その時はそのことしか考えられませんでした。
もっと早くに異変に気付いていたら、もっときちんと話を聞いてあげていれば。
そんな後悔ばかりで自分自身を責め、もがいていました。
最初に体調が少しでも改善できればと思い、針治療や漢方薬・整体と考え付くことを、とにかく片っ端から試してみました。
しかし、どれも劇的な効果が現れるものはありませんでした。
2週間程たち息子にも少しづつですが、穏やかさが戻りつつありました。
私達のアドバイスで教室に近い環境である図書館の自習室に行ってみたりもしていましたが、勉強に身が入っている様子は感じられませんでした。
その間、主人は通信制の高校を調べたりしていたようで、転入するにしてもそんなに簡単ではない事などを息子には伝えていました。
それもあってか、お腹が治れば学校に行っても良いと少し前向きな発言も聞かれるようになり、私達も少し期待してしまったのです。
学校に行くように頑張ってみないかと息子に提案し、彼も渋々、了解してくれたので行っても困らないようにと、毎朝お弁当を用意しておき、彼が動いてくれるのを待ちました。
でも一向に変化のない息子に、私は次第に苛立ち始めてしまいました。
正直、息子が何を考えているのかが全く分からなかったからです。
通信制の高校と言い出した時だって、自分から資料請求をしたりして動いている様子もなく、大学受験すると言っても全く勉強しようとせず、やることといったらスマホをいじることと野球中継を見ることぐらいで、とにかく歯痒くてたまりませんでした。
そんな私の言葉や態度で息子もまた、気持ちが後ろ向きになってしまったのか「学校には行かないし、今後行く気も無い。」「ママに言っても反対するから何も言わない。」と言われる始末。
あー、また私は失敗してしまったと思いました。
主人は通信制の高校を調べたりしていた事もあり、唯一、心を許していたようで、お腹が治っても学校には行きたくないと本心を語っていたようです。
そんな息子の言動から、お腹の事がトラウマとなっていて、学校には行けないのかなと私達は考えるようになりました。
インターネット等で不登校のことを調べると、まずは子供の気持ちを聞いて、共感してあげることが大切と書かれていたのを実践し、自分の気持ちを子供に押し付けるのではなく、私自身が変わらなくてはと思いました。そして通信制という選択を前向きに考えていくことを息子にも伝えました。
それから何となくですが、息子にも変化が見られて少し明るさを取り戻してきたように見受けられました。
通信制の高校に今から編入するためには1学期の成績が必要だということが判明し、そのためには、7月の期末テストを受けなくてはならないこと、そして、転入時期は7月末まで待ってもらえる事を息子には伝えました。
息子も試験を受ける事だけは了解してくれました。
でも試験を受けて、この先仮に高校に復帰できたとしても、大学生や社会人になった時に、また同じような症状で悩む可能性も否定できません。
そのためにも何とかトラウマを克服するための治療法はないか、私達は調べ続けました。そんな時、主人がこちらのHPに辿り着きました。
様々な再登校事例を見て、何か感じるものがあったようです。
多分これが時間的にも、最後になると思うから試してみたいと言われ、他に手立ての無い私は渋々、了解しました。
この時期息子は、色々な治療法を試してみても一向に改善されない現状に、カウンセリングを受けても効果はないだろうと思ったようで、受けたくないと断られてしまいました。
仕方ない、諦めようと思いました。
私は二度目の失敗から、学校に関することは極力言わないよう心掛けました。
それまでは学校に行かないだろうなと内心思っていても、もしかしたらという勝手な期待から毎朝、今日は学校どうするの?と息子に聞いていました。
それを一切止めて、規則正しい生活を送ること、家事を手伝うことだけを守らせました。
次第に朝だけは私が出勤する前に起きてくるようになり、またそれまで会話の無かった妹達とも以前のように話しをしたりして、何となく、学校に行けない以外は以前の息子に戻ってきたように感じられました。
私もその間、不登校セラピーのHP内の事例を見て、最初は渋々だった気持ちが、もしかしたらという微かな希望に変化していきました。
今ならカウンセリングを受ける気になってくれるのではと思い、再度、話を持ちかけ承諾を得て、早速お電話させて頂きました。
このまま今の高校に残り再登校するのを待つか、通信制の高校に切り替えて卒業するかの最終決断をするまでにあまり日数が無いことをお伝えし、早速でのカウンセリングを無理を承知でお願いしました。
初めてのカウンセリングの日。
息子は自分の考えをきちんと伝えられるのか、正直不安でした。
以前、受診した心療内科での問診は自分の本当の気持ちを伝えられず、側で聞いていた私があとで、実は…と本人の気持ちを代弁することが多かったからでした。
おそらく、心の病として扱われてしまうことに抵抗があったようです。
こちらのカウンセリングでは、嫌の度合いを点数化することにより、息子が何に対して不安や嫌悪を感じているのか、具体的に知ることが出来ました。
最初は腹鳴が原因だった不登校も、それはあくまできっかけだったのかなと感じるようになりました。
息子と二人で幼少の時からの記憶を辿っていく作業は、正直大変ではありました。
四時間という長丁場だったこともあり、息子は最後の方は疲れてしまい適当に答えたと言っていたので(すみません)、まだ核心にはたどり着いていないように思いますが、嫌がる素振りもないので次回にも繋げていけそうです。
私もあの時には思い出せなかった出来事の幾つかを思い出すことができたので、その辺も併せて次のカウンセリングでお伝えしようと思っています。
週明け、以前からの約束で期末テストは別室ですが受ける事になっていました。
久々に制服に着替えた息子の姿に、こんなにも嬉しさを感じたことはありませんでした。
しかし、学校に登校するまでは、不安だらけでした。
途中で引き返してきたらどうしようとか、あれこれ心配で仕方ありませんでした。
担任の先生からメールで無事来ているとの報告を受け、とても安堵しました。
帰宅後、久々の学校は疲れた〜と言っておりましたが、本日4日目のテストも頑張って受けに行きました。
テスト期間である金曜日まであと1日。
テストを最後まで受けてくれることを願いつつ、ご報告させて頂きます。
2回目(2017/07/14)のカウンセリング後
カウンセリングレポート1を提出後、何とか1週間の期末テストは別室で受けることが出来たのですが、やはり翌週からの学校に行く事は出来ませんでした。
学校も、あと2日と終業式だけ行けば夏休みに突入なので、何とか頑張ってくれればと願っていたのですが無理だったようです。
お腹の具合も学校に行ったせいか「最近、また調子悪い」と言い出す始末。勉強の方もやる気が出ないのか、スマホと野球中継の生活に戻りつつあったので、今後の事をどう考えているのか、何かやりたいことがあるのか聞いてみました、勉強の方はやらなくてはという思いはあるものの、気力が出ないとのことでした。
でも大学に行きたいという気持ちには変わりはないとの事だったので、だったら受験まで半年しかないのだから、やる気が出ないからやらないというのは、まずいのではないかとの話をしました。
本人もその辺は分かっているようですが、一人で勉強しているからか、つい甘えが出てしまっているように感じたので、モチベーションを上げるためにも、学校に戻るとか、予備校の夏期講習に行くなりして、周りからの刺激を受けるべきではないかと提案してみましたが、結局、快い返事はありませんでした。
でも、少しそういう話をしたせいか、渋々ですが、勉強をする時間が増えたように感じられたので、話し合いは無駄ではなかったのかなと思いました。
2回目のカウンセリングでは、1回目以降の息子の様子(上記の内容)をお伝えし、前回から引き続き、根本的な原因を探って行くことから始まりました。
息子の幼少期の話になり、小学校の登校がとても早い子供だったというのを思い出しました。
それは授業が始まる前の友達との雑談の輪の中に、後から入ることが苦手だったということまで前回のカウンセリングで分かっていました。
どうして、そうなってしまうのかというと、空気が読めない奴だと思われることが嫌だったようです。
実は私も、息子と同じ年頃の時は性格が似ていて、内向的で人と群れることがあまり得意ではありませんでした。
でも一人で平気という訳ではなく、自分をさらけ出す事や、万一、拒絶されてしまう事が不安で仕方なかったのです。
だから息子の気持ちは何となく分かる気がするし、そういう風に育ってしまったのは、私自身にも責任があるのだと思います。
先生とお話していく中で、私がそうなってしまったのはなぜなのだろうと考えてみると、父の影響が大きかったように思います。
父はとても厳しい人でした。父の威圧的な態度と言葉に、私はいつも自分の思っている事が言えず、また、そういう態度が父を苛立たせてしまっていたのだろうと思います。
今となっては、それも愛情だったのだろうと理解できるのですが、当時の私には怖い存在でしかなかったし、父が怒るのは私を好きではないからだろうと漠然と思っていました。
今は年齢とこれまで経験してきた様々な事から、対人関係もかなり克服され苦痛を感じることはありませんが、やはり後味の悪い思い出というのは完全に消え去るものではなく、記憶として今も私の中にあるのは事実です。そういうことも今まで息子には一切話したことはありませんでした。
でも私の体験談として今後の息子の人生に少しでも役立てばと思い、カウンセリングの場でお話させて頂きました。
自分では同じ思いを息子にはさせたくないと思っていても、言葉や態度の端々に父と同じ威圧感を息子が感じとっているのでは、また彼は優しいから本心を言えないのかもと思ったりもしています。
次に父親との関係性ですが、息子との係わり合いは傍目には問題がないように思います。
しかし、私が主人に対して接している態度がもしかしたら、息子に影響している可能性も否定できないので、その辺を掘り下げてお話させて頂きました。
私の両親は共働きで、出来ることは自分でやるようにと教育されてきました。
主人の方はというと、母親が専業主婦で息子可愛さも手伝って、殆どの事に手を掛けていたようでした。
だから主人も、やってもらって当たり前と思っている節が多く見受けられました。
そういう家庭環境の違いも、結婚当初から疑問を感じる事が多かったように思います。
特に息子が生まれて、私も仕事に復帰してからは、主人の仕事が多忙になったことも重なり、言い争いが絶えなかったように記憶しています。
幼い息子の前で初めての育児で勝手が分からず、思うように事が運ばない苛立ちと、主人の仕事優先の姿勢に心の余裕が持てず、苛々していた自分が居たと思います。
だから私もいつからか、息子を主人のように育ててはいけないと思うようになっていました。
その事が息子に悪影響を与えていたのかは、今のところ分かりません。
息子自身も、はっきり何が嫌だったのかが分からないようです。
ただ私がもしかしたら関係があるのではないかと感じていることであって、あるいは全く別の事が原因なのかも知れません。
自分の思いや考えを上手く伝えることが出来ず、黙り込んでしまうことの多い息子から、本心を探り出すのはかなり難しいのかなと感じているのが正直なところです。
今日は終業式でしたが、式には参加せず、皆が帰宅後の午後から学校へ行き、成績表を貰ってくるようです。
夏休み中の解決で、2学期から登校して欲しいという思いはありますが、現段階ではそれも難しいように感じています。
3回目(2017/07/31)のカウンセリング後
8月に入り、私達は転学の手続きをするため、慌ただしい日々を過ごしました。
まず在学中の高校に主人と赴きました。担任の先生も息子の気持ちが変わることを願って、ギリギリまで待って下さいましたが、結局変わることもなかったため、手続きを進めて頂くことになりました。
そして9月からは通信制の高校に転入することになり、そちらの手続きも併せて進めていく形となり、息子と面談に行きました。
2年生までで必要な単位の大部分が取得できていたため、あと必要な単位も数単位だろうという事で、週1日の通学コースを選択することにしました。
単位も簡単な授業を受けてレポートを提出すれば良いらしく、受験を控えている息子にとっては負担の少ないものだったので安心しました。
彼も最大の悩みであった今後の学校についての見通しがようやくついたので、心なしか笑顔が増えてきたように感じました。
ただ不安なこととして、人と関わることが極端に少なくなってしまうことがありました。
9月からの週1回の通学では、そこに行った時にもおそらく数人の生徒しか居ないだろうし、現在通っている塾も先生とのマンツーマンで、同年代の人と殆ど関わらずに受験し、来年どこかの大学に入学したとして、果たして学校生活を送れるのだろうかという思いがありました。
そんな中で、たまたま9月からお世話になる通信制の高校が塾と提携して、勉強や大学受験をサポートしてくれるオプションがあることを知りました。正直、不安はあるものの、この時期に色々変えてしまう事は望んでいなかったのですが、話の流れから息子と説明を聞きに行くことになりました。
そちらの塾には息子のように事情を抱えた子達だけでなく、高校生活を普通に送れている子達も通う塾でした。
勿論、今までのようなマンツーマンではなく、集団で1クラス15〜18名程の体制で授業を行うということでした。
授業以外にも自習室があり、そこには15名程の生徒達がその時は勉強をしていました。
説明をしてくださった講師の方も、おそらく今まで息子が接したことがないような篤い方で、息子の事情も知った上で頑張ろうと言ってくれました。
私は息子がこの講師の方を、おそらく苦手とするタイプだろうなとお話を聞きながら思いつつ、その日は帰宅しました。
経済的な理由から2つの塾に通うのは無理なので、どちらかを選択するように息子には伝えました。
彼なりにどう考えたのか分かりませんが、何か感じるものがあったのでしょう。
今の塾ではこれ以上成績が上がらない気がすると言って、結局新しい塾に移ることに決めました。授業のない日も自習室に行き、5〜6時間ほど勉強して帰ってきます。
久々の学校に近い環境でも以前の学に、お腹が気になり勉強が手につかなくなることもなく集中できているようです。
同じ高校だった子も何名かいるようですが、本人が気にする様子もなく通えているので、本当に良かったなと思っています。
9月に入り、通信制の高校での新しい学校生活が始まりました。
こちらは、卒業資格を得るのが目的だったので、息子もそこは割り切って通っているようです。
今は学校のない日は、午前中を図書館、午後から塾の自習室で勉強というサイクルで受験勉強を頑張っているようです。
やはり、同じ受験生がいる環境は、少なからず彼には良い意味で刺激があるようで、不登校で下がってしまった学力を取り戻し、以前のように希望する大学を目指して毎日努力しています。
今回こちらで受けたカウンセリングが、息子の不登校解決に至ったのかは正直なところ分かりません。
ただ私達夫婦の関係が、少なからず息子に影響を与えてきたことは感じました。
私の感じた事やこれからの事も含め、カウンセリングレポートは主人に全て見てもらいました。
主人も、自分が悪い部分もかなりあったと思うと言っていました。
長年染み付いてしまった言動は直ぐには改善されないとは思いますが、こういった影響があるのだということを知っていれば、今までのような事はないのではないかなと、私自身思っています。
息子の不登校は悲しい出来事ではあったけれど、当たり前の日々がどんなに大切で、かけがえのないものなのかを、私達は身を持って知ることが出来ましたし、緩んでいた家族の絆を再び結び直せたような気がします。
これから息子が進んでいく道は、もしかしたら他の人より険しい道程かも知れません。
それでも私達はいつかこんな事もあったよねと、笑って話せる日がきっと来ると信じて、彼を応援していこうと思います。
最後になりましたが、新井先生には短い間ですが、カウンセリングをして頂きありがとうございました。
口数の少ない息子から、色々な事を聞き出すのは、ご苦労が多かったのではとお察し致します。
これからも先生からのアドバイスである共感する言葉を忘れずに、毎日の生活を大切に送っていきたいと思います。
本当にありがとうございました。
6,まとめ
不登校は放っておいて良くなることはありません。
むしろ放っておくことで、お子さんの「役立たず不安」は高まる一方です。
不登校セラピーでは、カウンセリングを通してこの「役立たず不安」を解消していきます。
結果、不登校の改善だけでなく、家族関係や友人関係も良くなったというお声を数多くいただいております。
ぜひ、お子さんの不登校解決のために、一歩を踏み出してみて下さい。
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