先日、私が開催している魔法ことばベーシック講座のミドルコースでの参加者から、こんな嬉しいご報告をいただきました。

「娘の転校が決まりました。娘は何校か体験授業をしてから、ベストな高校を自分で選びました。

その高校は、雰囲気が明るく、学院長や先生の感じがよく、わかりやすく教えてくれたとのことでした。

親の私もいろんな高校の情報を集めてはいましたが、娘の口から切り出すまで自主性に任せてみて、私からは提案やアドバイスは一切しませんでした。

最終的に娘が選んで探した学校に決定したことは本当に良かったと思います。

新しい学校の体験授業日のホームルームで、『クラスメイトと楽しそうに話して、仲良くなった。』というエピソードを学院長から聞き、とても驚きました。

このことを娘に聞くと、『自分から話しかけた。』と答えたのでびっくりしました。

陽キャな子が多い学校と聞いていましたが、それも大丈夫そうです。

こういった人とのコミュニケーションや大勢のところを苦手としていたところが解決できて、本当に嬉しく思います。

このまま、娘の対人不安が消えて、素の自分のままでコミュニケーションできるようになり、自己肯定感も高まってほしいと願っています。

娘は大勢の人たちが集まる場所や大勢の人たちの声も、なぜか全く気にならなくなったようで、そういった場所を楽しんでいる雰囲気さえあります。

苦手としていた自分から人に話しかけることも、今は全く問題とならないようです。

娘が引きこもっていた期間も、ちゃんと成長していたんだと改めて思い知らされました。

新しい学校生活を始めるにあたって、どんなことがあっても過干渉や提案、アドバイスをしないように気をつけたいと思います。」

なぜ、引きこもっていた娘さんが、こんなにも変わったのか?

その理由は親御様が4つのことを徹底的に変えたからです。

・先読みや先回りをやめること

・ホンモノ共感に徹すること

・親が不安な顔を見せないようにすること

・提案やアドバイスをしないこと

この親御様は、娘さんを変えようとは何もしていません。親御様ご自身が変わったのです。

そして親御様が変わることによって、娘さんの対人不安や完璧主義が自然と消え、自分の意志で前に進ことができるようになってきました。

これは明らかに娘さんの自分軸がしっかりしてきたとも言えます。

おそらく今、娘さんの自己肯定感をチェックしたら、かなり高くなっていることと思います。

 

実は不登校や引きこもりの子の自己肯定感を上げるために最も重要なことは、ホンモノ共感をし、先読みや先回り、提案やアドバイスをやめることです。

なぜならば、良かれと思った先読みや先回り、提案やアドバイスは、実はその裏で子供の自己肯定感を弱めてしまう副作用をもっているからです。

子供が親に提案やアドバイスを求めている場合は別ですが、そうでなければ、いらぬ口出しは禁物とも言えます。

 

実際、別の不登校のケースでは、子供が何を言おうが、どう騒いでいようが、親御様がホンモノ共感に徹した後は静観し、干渉しない、いい意味で放置することによって、子供が動き出して再登校したというケースもあります。

つまり、子供が悪い思いをするのを防いではいけないとも言えます。

子供が悪い思いをするのが防ぎたくなるのは、親としてわかる気もしますが、これは防いではいけないのです。

 

悪い思いをしないよう先回りをして何か言いたくなる。この気持ちをなくしていかなければなりません。

子供がなんやかんやとわめいても騒いでも、それに対して共感でたんたんと接し、あとは放置するのです。

この接し方が、実は案外うまくいくんです。

なぜならば、子供が自分で考え、自分で整理することになるからです。

こういった子供の思考や心の動きのプロセスを親が先取りしてしまってはいけないんだなあとも思います。

これを先取りするほど、子供が自分で考える力を失い、情緒面で不安定になり、自分軸がぐらついてしまう方向にいくようです。

 

このいい意味で子供を放置することは、なかなかできない方も多いかと思いますが、やってみると案外うまくいきます。

例えば、子供が予約していた病院の時間を忘れていたとします。

予約の時間が過ぎてから、子供から「しまった。忘れていた。」と連絡がきたら、あなたならどうしますか?

私なら「そうか。うっかりしていたね。」とだけ言って、子供がどう反応するかを見守ります。

親の方から「連絡しなさい。」とか、「ああしなさい。こうしなさい。」といったことは一旦、控えます。

「いやいや。相手に迷惑がかかるし。」といったところを踏ん張って、手放せるかどうか、ここが大きな分かれ目になりますよ。

 

ここを手放して、ホンモノ共感に徹することができれば、必ずお子さんは変化していきます。

この接し方がお子さんの自分軸をしっかりとしたものとし、自己肯定感を高め、行動を前向きなものとしていく力になっていきます。

 

ホンモノ共感クイズ「努力」

前回のホンモノ共感クイズに4名の方からご回答をいただきました。ありがとうございます。

質問としては難易度が高めだと思いましたが、皆さん、がんばってお答えいただいて嬉しく思います。

さとねえさん

継続できないことに対するお子さんの気持ちをよく掘り下げようとしていて、いい共感と質問ですね。子供の気持ちを聞いてあげることがまず第一です。

さくらんぼさん

「わかるなあ。」としっかり共感なさっていますね。ただ後半、解決の方向にむかっていますので、それは控えた方がいいかなと思います。

みーやママさん

どんな時にどういうふうに感じるのか、これらをよく聞いていますね。最後、ちょっと解決の方向にむかっているのが気にはなりますが、十分に掘り下げた後であれば、いいと思います。

縄文パパさん

努力が無駄ではないこと、思い通りにならないことがあることを伝える、これは悪くはありませんが、先に親御様の思いを伝えるより、お子さんがどう苦しんでいるかを聞いてみた方がいいですね。

 

私はこのお子さんの「努力は継続に価値がある。」という話を聞いたときに最初によくわかりませんでしたが、今は完璧主義の一種ではないかと感じるようになっています。

「努力は継続という価値をそなえて、はじめて完璧なものになる。継続という価値を欠いた努力は不完全なもので意味がないもの、無駄なもの。」

こんなふうに感じて、自己嫌悪に陥ってしまっているのです。

 

ですので、もし私が聞くとしたら、完璧主義という切り口から聞いてみたいと思います。

「それってある種の完璧主義じゃないかな。一時的な努力だけでは不完全で、継続という価値を備えて、初めて意味が生まれる。完全なものになる。そんな感覚がないかな?」

こんなふうに聞いてみて、その答えに共感したり、質問したりしてみたいと思います。

 

本当のところはもちろん私にはわかりません。

ですが、継続という価値を欠くと、自己嫌悪に陥るということは、まだ自己肯定感の低い部分があり、何かの価値を備えないと自分で自分を認められないということのようにも感じられるのです。

 

もし「完璧主義かもしれない。」という答えがかえってきたら、完璧主義に陥った本当の原因を共感で探っていきます。

特に努力と継続という観点で、完璧主義を質問で紐解いていくのがいいでしょう。

難しいお題ではありますが、こういった場面はあなたのお子さんにも現れるかもしれません。

それに備えるためにもぜひ一度考えてみてください。

 

ホンモノ共感クイズ「予約忘れていた。」

あなたは休日、仕事に出かけていたときにお子さんからこんなLINEが入りました。

「しまった。美容院の予約忘れていた。もう時間過ぎている。」

 

お子さんはとても慌てている様子ですが、あなたなら、どう対応し、どう共感しますか?

あなたが考えるホンモノ共感の言葉がけを10/31(月)19:00までにブログにコメントしてください。

来週11/2(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉がけをお伝えしますので、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。