今日も個人カウンセリングであるお母さんからこんなお悩みをお聞きしました。
「我が子との会話で自分は全肯定がまだまだできていないなあと感じました。特に今までの子供との会話を振り返ると、あまりにもちぐはぐな会話だったことに気づきました。
どんなふうにちぐはぐかというと、子供の話を聞いているものの、自分の言いたいことがぱあっと浮かんだら、そのままぱあっと言ってしまっていました。
子供の話に関連はしているけれど、本質からはずれていることを前触れもなく、言ってしまっているので、今思えば、とてもちぐはぐな会話になっていました。
もう1つ、怖ろしいことにも気づきました。
我が子も私と同じような会話の仕方をしてしまっていたので、さらにちぐはぐな会話になってしまっていました。たぶん私の会話の仕方がうつってしまったのでしょう。
子供は今は学校に行けていますが、将来社会にでたときや自分の家族ができたときに、子供や家族にも全くずれた会話をしているのに気づかぬまま、とてもおかしなちぐはぐな会話を繰り返すだろうということを想像すると、ちょっと怖くなりました。」
こんな悩みを聞いて、私の個人カウンセリングでは、このお母さんがなぜこんなふうに思いついたことをすぐに言ってしまうのかを深堀りしました。
すると原因となっていたのは、このお母さんのコミュ力に関する劣等感でした。
「何か知っていることを話して、話を膨らませないと人から認められず、つまらない人間だと思われて、おいてけぼりにされる。」という思い込みがあったのです。
それと同時にこのお母さんは、「ちゃんと会話や話の真髄が理解できて、有益なことを話せて、輪に入れる人がうらやましい。」と思っていました。
これは劣等感の裏返しです。
このためこのお母さんに「自分のコミュ力については何が一番劣っていると思いますか?」と聞くと、このお母さんは「知識や記憶力です。」と答えてくれました。
このお母さんは「記憶力が悪いので、浅い会話になって、会話が膨らまない。」と思いこんでいたのです。
そこでこのお母さんに「あなたと母親の会話は膨らみましたか?」と聞くと、このお母さんはとてもはっきりと「ノー」と答えました。
実際、このお母さんの母親との会話はほとんどなく、必要最低限の会話だけだったそうです。
このお母さんは自分の母親との会話も膨らまなかったのではなく、会話が深い、浅いの話でもなく、そもそも会話がなかったのです。
つまり、このお母さんの「人との会話が膨らまないのは、自分の知識や記憶力が足りないせいだ。」というのは間違った思い込みだったのです。
これは不登校の親御様にとても多いのですが、自分の母親との会話が膨らまないと、その原因をいつのまにか自分のせいにしてしまいます。
「自分のコミュ力の低さのせいで相手から認められなかったり、つまらない人間だなと思われるんじゃないか。」と思い込んでしまうのです。
だから相手から認められて、「あなたと話していて楽しいな。」と思われたいがためにいろいろなずれた知識を提供して、相手を楽しませようとして、いろいろ思いついたことを話してしまうのです。
それはずれていて、共感ではありません。
この劣等感がある限り、その劣等感を隠すために子供が伝えたいことからずれた会話の膨らませ方をしてしまい、共感にならないので、不登校改善の足をひっぱってしまうのです。
こういった場合、親御様が劣等感を持った原因は知識や記憶力の不足ではなく、自分の母親から共感されなかったことが原因です。
このため親御様が劣等感に気づき、セルフ共感などで劣等感を払拭して、子供にホンモノ共感をすることができれば、共感がますます的を得て、子供の心に響くようになるので、不登校も改善していきます。
とはいえ、そのために一体どうすればいいのか?
この劣等感を知識や記憶力で補おうとしても絶対にうまくいきません。
知識や記憶力に頼らずとも、ずれないし、膨らむ会話となるホンモノ共感を、共感練習会などで体験して、身につける必要があります。
親御様ご自身が自分の親から共感されたことがないので、実践練習をしない限り、ホンモノ共感がどういうものなのか、実感できないからです。
実際、このお母さんは私の個人カウンセリングを受けて、こんなふうにおっしゃっていました。
「私は子供に対しても、旦那に対しても、間違った共感の仕方をやってきてしまっていました。
不登校を改善のみならず、我が子が将来、人や家族から『あいつずれている。あいつの会話は変だ。』と言われないためにも今、私がしっかりと会話の仕方をなおしておかねばならないと思いました。」
このお母さんのお声をお読みいただいて、どうお感じになったでしょうか?
ホンモノ共感ができない大きな原因の1つに親御様が隠れ持っている劣等感があります。
これは子供の場合でも同じことですが、ほとんどのケースで「自分のコミュ力が劣っている」と思い込んでいます。
誰しも自分が劣等であるなんて実感したくないので、それを覆い隠すために「自分がいかに優れていて、いかに認められて、いかに楽しい人間なのか」を無意識にアピールしようとしてしまいます。
だからホンモノ共感できなくなるのです。相手の気持ちを受け取って共感するよりも、自分のアピールがメインになってしまっているからです。
しかもこの問題の深刻さは別のところにあります。
それは劣等感をほとんどの人はうっすら感じながらも明確に自覚していないところです。
私が長期で開催している魔法ことば講座の中で何度も口を酸っぱくしてこう言っています。
「親に劣等感があると、その劣等感を補うために今度は子供を無意識にがんばらせようとするし、相手に役に立つことを言おうとしてメチャクチャな会話になってしまう。
だから不登校はいつまでたっても改善しません。早く自分の劣等感に気づいて手放してください。」
しかしそれでもなかなか親御様は自分では気づきません。
私から具体的に「あなたはこれこれこういう劣等感がありますよね。」と指摘して、初めて気づくことがほとんどです。
多くの親御様や不登校の子供はこんなふうに思い込んでしまっています。
「自分が劣等なのは自分の能力不足のせいである。」
これは完全なる思い込みです。会話が膨らまなかった原因は、自分の親の共感不足だったからです。
この思い込みを個別具体的に解説して、親御様がそれぞれもっている劣等感を具体的に指摘しないと原因に気づかないため、ホンモノ共感ができないままで、子供の不登校改善が遠のいてしまいます。
だからこそ私はあなたにお伝えしたいのです。
あなたのお子さんが不登校であるならば、あなたの中に自覚できない何かの劣等感があるはずです。
それは多くの場合、コミュニケーション力に関するものであるはずです。
それを私や当協会のトレーナーのような専門家に早く見つけてもらって、手放してください。そして知識や記憶力、能力などに頼らない、良い共感によって、膨らむ会話の仕方を身につけてください。
これは不登校改善のために最も重要なポイントです。
自信の無い自分をうっすら感じながらも明確な自覚がないと、無意識に人は本来の自分を隠してしまうので、上っ面の会話や共感になってしまいます。
それを続けている限り、劇的な不登校の改善は決して訪れることはありません。
だからこそ、不登校の親御様は自分の劣等感に気づいて、必ずなおさなければなりません。
とはいっても、具体的にどうやって劣等感に気づいて、なおしていけばいいのか?
劣等感をなおすことで、どういうふうに不登校を改善していくことができるのか?
これらを具体的に話す機会として、12月に魔法の言葉がけセミナーを追加開催することにしました。
もし、お子さんが不登校なら、ぜひ一度、以下から魔法の言葉がけセミナーの詳細をご確認の上、ご参加くださいね。
↓↓↓
<開催日程>
自宅から受講できるウェブ会議 ズーム(ZOOM)で開催
2024年12月22日(日)13:00-17:30
ホンモノ共感クイズ「俺、高校には行かない」
前回のホンモノ共感クイズには、2名の方から回答いただきました。ありがとうございます。
2人ともとてもいい気持ちの聞き方をなさっています。
子供がこういうマイナスのことを話したときこそ、しっかりと時間をとって向き合って、コミュニケーションの7つの鉄則を実践しなければいけませんよね。
高校行かないというお子さんの気持ち、その裏には様々な不安や恐れ、悲しみ、劣等感が隠れているでしょう。
そこを丁寧に丁寧にホンモノ共感で引き出していく、これがまず大事なことです。
そして子供からでてきた答えに対して、いかに親御様が深く洞察して、共感できるかが状況の改善の大きな分かれ目になります。
この深く洞察して、子供の気持ちを聞く力は、親御様がいかに劣等感を手放した状態で聞けるのかによって、大きく左右されます。
この辺りは実際、子供と話をしてみないとわからないところですが、親御様が無理に会話をふくらませようとしたり、自分の承認欲求にもとづいて、ずれた会話の展開をせずに、ホンモノ共感で接することができれば、お子さんは深い部分をちゃんと話してくれるでしょう。
ぜひあなたも子供の気持ちを深く洞察して、共感してあげてくださいね。
ホンモノ共感クイズ「高校からは不登校っていう選択肢もあるよね。」
あなたのお子さんは小学生の女の子です。今は学校に行っているものの、あなたからみて、ギリギリな綱渡りのようにも感じられます。
実際に学校から帰ってくるやいなや、今日学校であった嫌なことや先生に対する文句、愚痴をすべてあなたに吐き出していました。また朝は毎日、ギリギリに起きて、学校に行っていました。
そんなお子さんがある日、こんなことを言い出しました。
「小中までは義務教育だから、高校からは不登校っていう選択肢もあるよね。」
あなたは「ついに不登校という言葉が我が子の口から出たかあ。」と思いつつ、落ち込まないようにホンモノ共感をするように気持ちを切り替えました。
さて、こんな場合、どんな風にホンモノ共感すればいいでしょうか?
あなたが考えるホンモノ共感の言葉を12/2(月)17:00までにブログにコメントしてください。
来週12/4(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉がけをお伝えしますので、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。