「なぜ、私の子供が不登校に?」
そう思われる親御さんはとても多いことでしょう。
「今まで何事もなく通っていた子供に一体何が?」
「学校で何かあったんじゃないか?」
不安のあまり、色々とお調べされていることでしょう。
実際、私のホームページを見てご相談いただく親御さんのほとんどが
「なぜ自身の子供が不登校になってしまったのか」
分からずに悩まれています。
こちらのページでは、今まで1200件以上の不登校の相談実績から導き出した、誰も知らなかった『不登校の真の原因』についてご説明いたします。
目次
1,100人中100人当てはまる不登校の真の原因とは
2.不登校の原因を放っておくとどうなるか
3.不登校は親が悪いのか?
4.不登校の真の原因を生む3つの大きな要素
1-1,つい親が使ってしまう子供に対する間違った声がけと接し方
1-2.子供が不登校になりやすい親の特徴
1-3.不登校児の家庭が持つ共通の家庭環境
5.不登校の真の原因〜まとめ〜
6.追伸
1.100人中100人に当てはまる不登校の真の原因とは
不登校の真の原因
それは「役立たず不安」です。
「役立たず不安」とは、人から
「役立たずと思われているんじゃないか。
私では、あなたの役に立てないのではないか」
という不安です。
たとえば、
・みんなはできているのに自分だけできない
・集団の中で自分だけが違う
・変、おかしい、異質
・こんな自分はみんなから見捨ててしまうのではないか
という不安のことです。
そして「役に立つ」とは不登校の親子にとって、一般的な「便利」というニュアンスではなく、
・相手に得をさせる、有益な何かをもたらす
・自分が与えてもらったことを相手に返す
・相手を心地よくさせる、不快にさせない、損させない
・相手の問題を、目に見える形や数字に表れる形で即解決できるか、良い方向に変化させる
ことを意味します。
ですので、「役に立てない」とはたとえば、
・試合で大事なシュートを外してしまった。
アイツのせいで負けた、あいつはチームにはいらないと思われているんじゃないか。
・自分はスポーツが苦手。
だから、体育のドッジボールに参加したら役に立たないと思われるのではないか。
・皆ができていることが自分にはなかなかできない。
皆を待たせてしまっている。自分はいないほうが良いんじゃないか。
といった内容の不安になります。
つまり、「役に立たない自分はだれからも必要とされない、だから学校へ行けない」なのです。
不登校になる子供は、これを周囲の人間(主にクラスメート、学校の人間)から感じています。
相手がそういった言動を実際取ったかどうかは関係ありません。
人間は、集団から排除されることへの恐れが強い生き物です。
私は、大人も子供も、
役立たず不安を感じる状況
自分では役に立てない状況
人が自分の問題の解決に役立たない状況
迷惑だと思われるかもしれない状況
をとても嫌がり、必ず避ける行動を無意識のうちに選択していることに気づきました。
「お前は誰の役にも立たない、だから必要ない」
と思われる不安には、人間は耐えられません。
本能レベルで必ず避けねばなりません。
避けるためにとる行動は2つ。
(必要とされるために)無理してがんばって集団の中で役立つように合わせるか
その集団から外れるか
のどちらかです。
不登校の子は後者です。
ちなみに不登校の親御様は前者です。
だから、役に立たない自分は見捨てられるのでは?という不安を感じる「学校」に行けなくなるのです。
これが不登校の真の原因です。
さて、不登校の子どもは、人の目を気にします。
「人が自分のことをどう思っているの?こんなことをしたら変だと思われるんじゃないか?嫌われるんじゃないか?」
こういった不安を抱いています。
この不安をさらに深く分析すると、
「新学年から特進クラスに編入した。
今までの普通クラスではトップの方だったけど、特進クラスでは成績は下の方。
特進クラスで成績がいい子にとっては、自分と話しても楽しくもない。
同レベルの勉強や受験の話もできないから、得にならないんじゃないか。
つまり、特進クラスの子にとって自分は役に立たない存在じゃないのか。
だからわざわざ話す必要が無いと思われるんじゃないか。
なら自分はいらない存在だから、学校には行きたくない。」
(これは実際にいた不登校のお子さんから聞いたお話です)
「僕はスポーツが苦手。
体育の時間になると、僕がいるチームはいつも負けてしまう。
こんな役立たずは、体育に出ないほうが良いから体育の授業は休もう。
体育だけ授業に出ないのもみんなから変だと思われるから、学校自体を休んだ方がいい。
だから学校には行かない。」
これが役立たず不安なのです。
この役立たず不安は、話せない、または直接確認できないお子さま以外は全員。
つまり100%の確率で持ち合わせています。
2.不登校の原因を放っておくとどうなるのか
不登校の原因「役立たず不安」を放っておくと、どうなってしまうのか?
それは、不登校だけにとどまらず、「また役立たずだと思われるのでは」ということに敏感になりやすくなります。
たとえば、
・相手に役立たないと思われないかが不安、相手の役に立ちたいという気持ちから過剰なおせっかいをしてしまい、煙たがられてしまう
・自分のことは二の次で相手の役に立とうとして、疲れてしまう。
常に「この人は私のことを役に立たないと思っていないか?」という不安がつきまとい、人間関係を切迫してしまう可能性もあります。
せっかく信頼できると思った人との関係に、これらのことで溝が生まれてしまい、人が離れていく。
「また、役に立てなかったんだ」
という気持ちから、役立たず不安が高まる、といった負のスパイラルが起きてしまいます。
不登校は氷山の一角。
子供からのSOS信号なのです。
たとえ不登校だけが改善されたとしても、「役立たず不安」が解消しない限りは、その子は一生「役に立つ存在でなければならない」という気持ちと隣り合わせで生きていくことになります。
切迫された状態で生きていくと、将来的にうつ病などの精神的な病気を引き起こす可能性も否めません。
だからこそ、不登校の表面的原因だけでなく、真の原因を取り除く必要があるのです。
3.不登校は親が悪いのか?
「子供を不登校にさせてしまった、親として申し訳ない。」
カウンセリングをしていると、そのようなお声をいただきます。
では、不登校になる子の家庭は、すべて親が悪いといえるのでしょうか?
その答えはNOです。
なぜなら、親も子供の”役に立ちたい”と思っているからです。
そして、“子供を社会で役に立つ存在にしてあげたい”と心から思っているからです。
子供思いなんです。
もし、子供が社会で役に立たない存在になってしまうなら。
いま、この子をどうにかしないと、役立たずになってしまう
親の躾がなっていないから我が子が役立たずだと思われてしまう。
それは、親自身が役立たずであるという烙印を押されることを意味します。
親自身が「社会から役に立たない親だと思われたくない」
そんな一心から、なんとかして直そう、正してあげようと思い、きつい言葉を使ったり、きつい関わり方をしてしまうのです。
親にも”役立たず不安”があるのです。
そして、その不安を生んだのは親のご両親。
子供の祖父母に当たります。
不登校の子供の親御さん自身も、同じように祖父母から”社会で役に立つよう”養育を受けてきていたのです。
これを世代間連鎖と言います。
つまり、不登校の子供も、親も悪くはないのです。
この事実を踏まえた上で、不登校の真の原因(役立たず不安)を生む要素についてお話していきます。
4.不登校の真の原因を生む3つの大きな要素
不登校になる子供が持つ、役立たず不安。
実は、親御様がお子さんへ無意識のうちに植え付けられたモノなのです。
ごくまれに年長の兄姉、祖父母が植え付けられるケースもあります。
※以降、親と表記する場合は年長の兄姉、祖父母など養育に関わる年長者、血縁関係者を含みます。
ではどのように植え付けられたのか?
役立たず不安を生む要素は、大きく分けて3つ。
・親の子供に対する間違った声がけ、接し方
・親の心理的状態
・家庭環境
です。
順に説明しますね。
4-1.つい親御様が使ってしまう子供に対する間違った声がけと接し方
間違った言葉がけと接し方とは、以下に代表されるようなものです。
・不安を与え、煽る
・突き放す、見放す
・共感をしない
・ほめない
・マイナス言葉
・条件付きの愛、交換条件
・怒り、イライラ、文句、グチ、嘆き、ため息
・身体的暴力、心理的暴力
・怒鳴り散らす
・「早くしろ」「人に迷惑かけるな」「失敗するな」
・甘えさせない、ワガママを認めない
・幼さ、弱さを嫌う
・成長しない、停滞することを怖れる
・「そんなのできて当たり前」「もっとがんばれ」
・良いコミュニケーションが全くできていない
・子どもを正しい方向へ導こうとばかりする
・親の不安を子どもに解消させようとする
・良い子にする、世間的にはみ出ることを怖れる
・子どもの気質や性格を受け容れようとしない
・子供に親が精神的に依存する、子供に親を支えさせる
いかがですか?
思い当たる節はありませんか?
つまりお子さんはこのような声がけにより、心の安らぎが得られなくなってしまうのです。
親御さんからお子さんへの共感や受け入れようという気持ちが薄く、子供の心の成長や、心が満たされるために必要なモノを与えられていないのです。
なのに、ほとんどの親御さんが”自分は共感できている”と思い込んでいます。
自分はできていると思っていても、これはなかなか出来ていないことが多いです。
では、どうしたらいいか?
4-2.子供が不登校になりやすい親の特徴
一言で言えば、「親御様が幸せな状態でない」ということです。
幸せでない親御様は自己肯定感が低く、それを補うため、社会の評価を得ることで幸せをつかもうとします。
あるいは自分に合わない物事・考え方を穏やかな気持ちで受け容れることができず、相手を直す、矯正する、変えることで安心を得ようとします。
・社会的な評価、世間体を気にし、不安におびえた生き方と子育て
・完璧を求めて、どこまで行っても満足しない生き方
・他人のために生きる生き方
・いつも何かに不満やグチ、不安を表明している生き方
を得ようとします。
しかし、これらによって親御様に真の幸せがもたらされることは決してありません。
逆にお子さんは親御様が苦しみ、幸せではないことを見抜いています。
それは親の態度に現れています。
どこに現れるかというと、
ぎくり、と思われる方もいることでしょう。
こういったことは、お子さんは敏感に感じ取ります。
「ああ、ママ(パパ)は幸せそうじゃない」と。
そして、苦しんでいる親御様は
・自分の時間を生きていない
・自分の本当の感情を封印している
・口から出るのは、社会を意識したような言葉ばかり
・義務感や責任感が強すぎる
・人目を気にしすぎている
・自分のための時間がない、自分のためにお金を使わない(趣味など)
・目が泳ぐ、子供と肝心なところで向き合えない
こういった行動、言動を取られる傾向にあります。
これらの行動は同時に、子供に共感しなくなる(したくなくなる)ことを意味しています。
もはや子供ではなく、何か別のモノと向き合っています。
子供を見ていません。
子供の気持ちから逃げてしまっています。
すると子供は
・自分が親にとって迷惑だジャマだ
・親から嫌われる
・愛されていない
・親を不幸にしてしまっている
と感じ始めます。
共感してもらえずに逃げられた子、向き合ってもらえない子に、役立たず不安が生まれるのです。
4-3.不登校児の家庭が持つ共通の家庭環境
不登校児の家庭の多くが、次のような家庭環境に苦しんでいます。
・祖父母が精神的にマイナス要因(精神病など)を持つ
・祖父母と両親の関係が良くない
・両親の夫婦関係が良くない
・両親と親戚との関係が良くない
・両親と兄姉との関係が良くない(兄姉と当人の関係が良くない)
お心あたりございませんか?
この家庭環境で真っ先に苦しんできたのは、ご両親(のうちどちらか)です。
子供は親を見て育ちます。
苦しんでいる親を見ることは精神的にとても辛いのです。
役立たず不安は、幼少期に埋め込まれた地雷のようなモノ。
この地雷は小学校・中学校・高校で”自分だけ周りと違うんじゃないか、と感じること”で爆発します。
たとえば、
学校の課題が量が多く難しい。
でも、全部ちゃんとやらないと気が済まない。
結果、終わらず提出できない。ふと周りを見渡すと、みんなちゃんと課題をこなして提出している。
なのに自分だけ提出できない、いつも遅れてしまう。
先生ができるまで待ってくれるけど、どこかで付き合いきれないって思っているんじゃないかな?
クラスメートも「みんなちゃんと出しているのに、あいつはいつも遅れる。トロい、
あいつは迷惑だ」と思っているんじゃないか?
こんな自分がいたらみんなを不愉快にさせちゃうんじゃないか?迷惑じゃないか?つまりこんな自分はこのクラス
で、何の役にも立たないダメな人間だ。
そう思ったら不安で、学校も勉強もしんどくてつらくてたまらない。
もう勉強したくない、学校にも行けない、行きたくない。。。
こうして、学校へ行けなくなってしまうのです。
また、いじめや仲間はずれ、理不尽な仕打ちなどは「地雷を踏む」ことになります。
これらは内容的に、役立たず不安を増強する強い要因になると考えられます。
5.不登校の真の原因〜まとめ〜
役立たず不安は、子供がまだ幼少期に
「ママ(パパ)が嫌っていたこと」
「ママ(パパ)を不幸にしたこと」
を反映しています。
つまり親(主にママ)が笑顔にならなかったことです。
それらはほぼ幼少期の内に刷り込まれます。
「これを親は嫌っている、こういうことがあると親は笑顔にならないんだ」
「もしこれをしてしまうと、親に役立たずだと思われる。」と。
だから、子供は親が嫌うことを必ず避けようとします。
それを子供が学校で再現するのが、不登校です。
「クラス、勉強、テスト、集団、教室、人間関係、学校、社会など、かつてママが嫌った(ママを苦しめた)もの」
を無意識のうちに、避けているのです。
いかがだったでしょうか?
不登校の真の原因についてご理解いただけましたでしょうか?
もし、上記の原因で思い当たる節があるなら、ひとつでも改善してみてください。
一歩を踏み出すことで、不登校が改善されるかもしれません。
ぜひ、あなたのご家庭で起きている不登校が改善されることを切に望みます。
6.追伸
不登校の真の原因は「役立たず不安」と述べてまいりましたが、他にも予測される要素がいくつかあります。
それぞれ、各ページにて解説していますので、ご参考になってください。
不登校は放っておいてよくなることはありません。
むしろ、放っておくことで「役立たず不安」は徐々に高まっていきます。
不登校の根底にある「役立たず不安」を解消しない限り、その子供は一生「役立たずだと思われるのではないか」という不安につきまとわれます。
不登校セラピーでは、カウンセリングを通してこの「役立たず不安」を解消していきます。
結果、不登校の改善はもちろん、家族関係や友人関係も良くなったというお声をたくさん頂いております。