子供が不登校になる、親の特徴を、一言で言えば、「親が幸せでない」ということです。
これは、ほとんどの場合、親のご両親、子供の祖父母の間違った言葉がけと接し方によって育てられてきた結果です。
親自身、自己肯定感が低く、それを補うため、社会の評価を得ることで、幸せをつかもうとします。
もしくは、自分に合わない物事・考え方を穏やかな気持ちで受け入れることができず、相手を直す、矯正する、変えることで安心を得ようとします。
「親が幸せでない」生き方には、以下のような特徴があります。あなたの家庭では、いかがでしょうか?
・社会的な評価、世間体を気にし、不安におびえた生き方と子育て
・完璧を求めて、どこまで行っても満足しない生き方
・他人のために生きる生き方
・いつも何かに不満やグチ、不安を表明している生き方
親の具体的な特徴は、以下のとおりです。
1. 子供との関わり、接し方
1-1. 愛着関係をつくれない
1-2. 条件付きの愛
1-3. ホンモノ共感の欠如
1-4. マイナス言葉
2. 親の生き方、考え方
2-1. 学歴主義
2-2. 世の中は勝つか負けるか
2-3. バカにされるな、見下されるな、強くなれ
2-4. 威圧的高圧的
2-5. マイナス信念
2-6. 拝金主義
2-7. 損得勘定
2-8. 時間超効率主義
3. 子供の育て方
3-1. 先回りとお膳立て
3-2. 強制
3-3. 支配・管理・制限・禁止・推奨
3-4. 負荷のかけ過ぎ・期待のかけ過ぎ
4. 親の精神疾患、機能不全、依存症
4-1. アスペルガー症候群
4-2. 親の機能不全家族
4-3. 人格障害、精神疾患
4-4. 胎児期ストレス
5. 追伸
1. 子供との関わり、接し方
1-1 愛着関係をつくれない
子供が安心できるような家庭環境、家族関係をつくることができていない状態です。
この状態は、子供に安心感がない状態のため、「見捨てられ不安」が高まり、不登校の大きな要因ともなっています。
愛着関係がつくれていない一例
・家庭内の不和がある
・一家団らんがない
・親が突然、怒ってキレたりすることがある
・親の笑顔がない
・親が家から子供を追い出す
・子供に心の安らぎを与えられない
・子供をほめることができない、いたわれない
・子供の話を聞かない、目を合わせられない
・子供が安心できるような家庭環境を作れない
・子供を安心させられる言葉がけや接し方が出来ない
・子供が「自分は親から愛されている」と実感できていない
・子供が親に対して警戒心や不信感を持っている
・「殺す」「死ね」といった言葉を言ってしまう
・手を上げる、叩く、殴る、蹴るなどをしてしまう
・虐待(心理的、身体的、性的、育児放棄)をしてしまう
1-2「条件付きの愛」
子供が、絶対的に必要な「無償の愛」「無条件の愛」「無制限の愛」がない状態です。
何かの条件付きで愛を与えている状態です。
この状態は、子供の自己信頼を極端に低下させ、「役立たず不安」を抱かせる不登校の大きな要因ともなっています。
条件付きの愛をあらわす言葉の一例
・「○○したら△△してやる」
・「勉強できないおまえは、ダメだ」
・「親に従えないおまえは、ダメだ」
・「こんなのもできないのは、私の子じゃない!」
・「ギブアンドテイクだろ?」
・「これだけやってあげたんだから、感謝しなさい」
・「あたしは、あんたにこんなに良くしてあげてるのに」
1-3 ホンモノ共感の欠如
子供の気持ちに共感できていない、共感しているつもりで、できてない状態です。
この共感の欠如は、子供に精神的問題や、行動の問題が現れます。
ホンモノ共感欠如の一例
・子供の感情や動機に共感できていない、尊重できていない
・共感や尊重といった概念が理解できない
・子供の気持ちを洞察することできない
・共感能力がたりない、尊重能力がたりない
・共感の言葉が、わからない
・尊重と同意の区別が、つかない
・自分の感情のブレーキが、利かない
・子供の弱さを否定する
・子供の問題行動を頭ごなしに怒る、子供を否定する、子供の話を聞かない
・子供が泣くことにいらいらする、泣くことを否定する、相手にしない
・家族間の気遣いやいたわりがない
1-4「マイナス言葉」
子供に命令、指示、指図、強制、強要、ガマン、抑圧、管理、制限、禁止をさせることが多い言葉です。
子供を追い立て、「見捨てられ不安」を生んでしまう言葉です。
人と比べたり、否定、グチ、悪口、文句、ため息、嘆き、ぼやき、舌打ち、皮肉、イヤミ、怒る、怒鳴る、マイナスの口癖なども、マイナス言葉になります。
このマイナス言葉は、対人不安や対人恐怖、無気力や昼夜逆転、ゲーム依存など、子供に様々な悪影響をもたらします。
1-4-1 強迫観念を植え付ける言葉
・「○○しなきゃいけない」
・「○○できて当然、こんなのは当たり前」
・「○○するのが普通」
・「○○できないのはおかしい」
・「どうしてそんなこともできないの?」
・「世の中は甘くない」
・「世間では許されない」
・「社会へ出たら通用しない」
・「それじゃ生きていけないぞ」
1-4-2 罪悪感を植えつける言葉
・「なぜやらないんだ」
・「なぜおまえはこうしないんだ」
・「こうなったのはおまえのせいだ」
・「どうしてもっとこうしないんだ」
・「どうしてそんなこともわからないんだ」
・「あのときやるって言ったじゃないか!」
・「○○するのは人として当たり前のことだぞ」
・「パパが怒っているのはおまえが悪いからだ」
・「あなたのためを思って言ってやってるのよ?」
・「親に恥かかせるな」
・「ママがかわいそうと思わない?」
・「あなたが悪いとママのせいになるんだよ」
・「お母さん、あんたのことでホント恥ずかしかったわ」
・「あなたの行儀が悪いとママの育て方が悪いって言われるでしょ」
1-4-3 子供の自己肯定感を否定する言葉
・「言い訳するな!」
・「早くしなさい!」
・「ガマンしなさい」
・「ワガママ言うな!」
・「そんなことで泣くな!」
・「人に迷惑をかけるな」
・「そんなことしたら迷惑でしょ」
・「○○しちゃダメ!」
・「どうして○○しないの!」
・「勉強しないと将来困るよ」
・「ほら、言うとおりしないからこうなったんだ」
・「このままじゃおまえはダメになる」
1-4-4 親、祖父母の何気ない傷つける言葉
・「おまえが悪い」
・「おまえは必要ない」
・「おまえはだらしない子だ」
・「おまえはダメな子だ」
・「勉強しないと、〇〇みたいになるよ」
・「誰も信用できない」
・「犯罪者は社会のクズだ」
1-4-5 小馬鹿にする言葉、見下す言葉
・「へたれ」
・「ダメなやつ」
・「クズ」
・「あほ」
・「バカ」
・「まぬけ」
・「へなちょこ」
・「そんなこともできないの?」
・「こんな問題もわからないのか?」
1-4-6 子供が時間に追い立てられるゼロ100言葉
・「中途半端、グレーゾーンは認めない!」
・「行くのか行かないのかハッキリしろ!」
・「やるのかやらないのかハッキリしろ!」
・「続けるのかやめるのか、どっちなんだ!」
・「どっちにするのかハッキリしろ!やるんなら早くやれ!」
2. 親の生き方、考え方
2-1「学歴主義」
「高学歴→高収入/高社会的地位→人から見上げられる」の裏返しで、「低学歴→低収入/低社会的地位→人から見下される」という恐怖を持っている状態です。
低学歴だと「役立たず不安」を感じるので、それを避けるために、高学歴の学校に子供を入るように、追い立てる言葉や行動をしています。
2-2「世の中は勝つか負けるか」
世の中を勝つか、負けるかだと決めつけて、負けると「役立たず不安」を感じます。このため、常に負けないようにするために、子供にも努力と行動を強いている状態です。
2-3「バカにされるな、見下されるな、強くなれ」
弱さを受け入れると「役立たず不安」を感じると、思い込んでいる状態です。
弱さを否定し、常にバカにされないように、見下されないように、強くあることを意識しています。
子供の弱さも、受け入れることができず、弱さを否定している状態です。
2-4「威圧的高圧的」
「役立たず不安」を感じさせないため、弱さを否定し、威圧的で高圧的な雰囲気、言葉づかい、振る舞いをしています。
子供にも威圧的で高圧的になるため、子供が萎縮しがちで、安心感が感じられていません。
2-5「マイナス信念」
父母の家系に伝わるもの、親自身が人生で受けてきたものから生じる、マイナス信念を持っている状態です。
形もなく、親自身で自覚していない方も多いものの、子供にもマイナス信念が伝わって、苦しみの原因となります。
・歪んだ信念
・価値観
・思想や哲学
・行動
・トラウマ・
・コンプレックス
・悩み、ストレス、苦しみ
2-6 「拝金主義」
口を開けば金の話、何の話をしても最後は金の話になるという、お金至上主義です。
常にお金で計算されるため、子供が安心感を感じられず、心に負担をかけてしまっています。
2-7 「損得勘定」
損か得かで、すべてのことを捉え、「損」=「ムダ」=「無意味」、つまり「役立たず不安」を感じる状態です。
常に損か得かで判断するため、子供にも損得勘定を強いがちで、無意味なものはやるなという負担が、子供の自由を束縛しています。
2-8 「時間超効率主義」
効率の良いほうが、ムダが無く損をせず、得で、時間のムダがないため、常に効率を追い求めている状態です。
そして効率が悪いと「役立たず不安」を感じるために、効率が落ちることを極端に避けようとします。
この状態は、子供の心に負担をかけ、圧迫させ、精神疾患、特に社交不安障害を引き起こしやすくなります。
3. 子供の育て方
3-1「先回りとお膳立て」
「役立たず不安」を感じさせないために、子供に経験をさせない、失敗させないために、先回りとお膳立てをする育て方です。
「過保護過干渉」とほぼ同じです。
お子様自身で思考する力を奪うため、子供をつぶす非常に危険な育て方です。
「先回りとお膳立て」の一例
・子供の行動をすべて管理する
・子供に口出ししすぎる
・自分で考えさせず、教え続ける
・自分で考えさせず、アドバイスを続ける
・子供を誘導し、動かそうとする
・子供を最短距離で、走らせようとする
・レールを敷く(その上を走らせようとする)
・転ばぬ先の杖を与え、経験や失敗を奪ってしまう
・不安と危険を先取りし、不安や危険の芽を周囲から摘み取ってしまう
・子供が自分でできる準備も親がしてあげる
・大人の目で見て役に立たないことをやらせない
3-2「強制」
「役立たず不安」を感じさせないために、子供に親の考えを強制する育て方です。
強制されるほど、子供は何もかもやる気を失い、壊れていきます。
「強制」の一例
・幼児期からの多数の習いもの、塾、幼児教育、右脳教育の強制
・お受験用の塾の強制
・塾の強制
・勉強の強制
・お受験の強制
・小学校受験の強制
・中学校受験の強制
3-3「支配・管理・制限・禁止・推奨」
親が子供の心や考えを支配する最も危険な育て方です。
これも「役立たず不安」を感じさせないために、親が行ってしまいます。
子供の精神病(特に重度の統合失調症、躁うつ病、解離性障害)を発症させる危険性があります。
「支配・管理・制限・禁止・推奨」の一例
・子供のすべてを親の思い通りに支配する
・子供の時間、習い事、生活全般にわたる厳しいしつけ、時間管理
・勉強や宿題の厳しいしつけ
・ゲームなどに対する厳しいしつけ、ゲーム時間の管理
・食事作法、生活習慣などの厳しいしつけ
・時間を守らせようとするしつけ
・約束を履行させようとする厳しいしつけ
・子供の考え方と感情を支配する
・子供の心を支配する
・親に合わせることを強要する
・親の考える「これが子供にとって良いこと」を推奨する
(子供は逆らえないので実質的に強制として作用する)
3-4「負荷のかけ過ぎ・期待のかけ過ぎ」
長期にわたる負荷と期待をかけ、子供の精神的な疲弊に気づかず、いたわりもねぎらいも与えず、全力疾走をさせる育て方です。
こちらも親の根底は「役立たず不安」を感じさせないためです。
こちらは、子供の社交不安障害の原因になります。
「負荷と期待をかけすぎる」言葉の一例
・「まだまだ」
・「すべてに秀でなさい」
・「そのくらいできて当然」
・「おまえの力はこんなもんか!」
・「もっとがんばれ!もっとがんばれ!!もっとがんばれ!!!」
4. 親の精神疾患、機能不全、依存症
4-1「アスペルガー症候群」
共感能力が低く、人の気持ちを読んだり空気を読むのがとても苦手です。
子供の感情や気持ち、心のあや、行動の裏、などを読むことがとても苦手です。
子供の気持ちを逆なですることを全く悪気無く言ったりします。
また、突然「一体この人何を言い出すの?」と周りが戸惑うような(的外れな)ことを言ったりします。
4-2 親の機能不全家族
親が親としての正常な機能を果たしていない状態です。
機能不全家族の一例
・アルコール依存/ギャンブル依存などの依存症
・何らかの精神疾患や病弱さ、愛着障害やアダルトチルドレン問題
・親が感情のブレーキが利かない
・親子の役割が逆転、子供が親の感情の面倒を見ている
4-3「人格障害、精神疾患」
親か祖父母様にこれらの方がいらっしゃると、愛着関係を壊すか、回避性を生むため、不登校の原因になります。
人格障害、精神疾患の一例
・高い精神攻撃性
・自己愛性人格障害
・統合失調症の妄想
・躁うつ病
4-4「胎児期ストレス」
母親が妊娠中に感じたストレスが、聴覚か、胎盤からストレスホルモン物質を通じて、胎児に伝わります。
脳神経が発達する一番大事な時期に、母親のストレスに胎児が10ヶ月もさらされます。
生まれてきた子供には、神経過敏や発達障害的な特徴が現れやすくなります。
育てにくいタイプなので、親は怒ったり、良くない言葉がけをしてしまうので、役立たず不安を感じやすくなります。
ストレスの一例
・嫁姑関係のストレス
・育った家と嫁ぎ先の家風のあまりのギャップ
・ご主人の変貌
・ご主人の心理的暴力、身体的暴力
・夫婦不仲、夫婦ゲンカ
・言い争い
・仕事などの精神的肉体的ストレス
・流産の危機・死産の恐れ
5. 追伸 どうすれば、親が幸せに生きれるか?
「親が幸せではない」親の特徴は、どうでしたか?
これらは、子供に自分は「親の役に立たないダメな子」という役立たず不安を生む原因となっています。
もし、上記の原因で思い当たるなら、ひとつでも改善してみてください。
親が幸せな考え方、生き方をするだけで、子供の不登校が改善します。
なお、今までの考え方、生き方を変えるには、一人ではどうしようもない場合が多いです。
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もし、いずれか一つでも選択することは、子供の不登校の改善の一歩となります。
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