自分の好きにできる環境で育った子供に多い不登校の特徴

自分の好きにできる環境で育った子供は、甘やかされている事が多いので、登校拒否になりやすい傾向はあるかもしれません。
甘えられる環境にあったわけですから、自分の意見は全て通るというように考えてしまう傾向があり、集団生活に馴染むことが難しいという事があります。
苦労することなく自分の意見が採用されて来ているので、耐えるという事が苦手だと言えるでしょう。

集団生活においては、ほとんどの事が自分の意思通りにはなる事が無いので、どうしても不登校や登校拒否をせざるを得ないという考え方になりやすいという事にもなります。
自分の意見が最優先されない事で不満を持つというのが特徴的で、無視されたりすることにも耐えられないという事も特徴的という事も言えるのかもしれません。

自分中心に物事が進まなければ納得が出来ないところがあり、全ての事において自分という物が中心にあるという考え方をしてしまいます。
耐えるという考え方も出来ない傾向があり、我慢をして周囲との調和を意識するという考え方はなかなか出来ません。
学校というところが集団行動がほとんどになるので、これら全てについて納得できないという考え方になりやすく、自分の方から周囲に合わせる事が出来ないで、それが友達との不調和になってしまう事があります。

急性期の状態と子供への適切な接し方

急性期とは、子どもが不登校になった最初の頃のことです。
この時期は不満が爆発していて感情的になっていますから、まずはこの感情を落ち着かせて話を冷静にする事が出来る状態を目指すという事を考えて接するようにしましょう。
また、いきなり学校に行きなさいというように言ってもまず聞くことが出来るような精神状態ではありません。
これは、親でも想像できる事では無いので注意をしましょう。
甘えて育った子供にとって、学校での集団生活というのは、想像を絶する嫌な体験という事になっています。

それまでとは180度違う社会に放り出されたというような感じ方をしていますから、その状態で学校に行けと言われても、まず感情的に理解することは出来ません。
あんな地獄のような所に何故行かなければならないのかというように考えて、徹底的に抵抗するという事をしてしまうかもしれない。

それまでが甘やかされているので、自分のすることが正義だという様に思考回路が出来上がっているわけですから、いきなりそれは間違いですというように言われても、そのような事を許容できる冷静さも分別もありません。
それまでの体験がそのまま否定されているともかんがえてしまいますから、まずは冷静になってもらうために、今の状態を認めてあげるという事をして、感情を落ち着けることをしていきましょう。

慢性期の状態と子供への適切な接し方

慢性期には感情は落ち着いて、冷静に物事を考える事が出来る状態になっていますから、この時期には事実確認をしていくという事をするべきでしょう。
まだ学校に行くとかいうような話をする必要はありません。
その気になってきたというのであれば、学校の話題を出してもいいのですが、まだこの時期は冷静に自分の事を考える事が出来るようになったというだけで、地獄のような体験だった過去のトラウマはまだ残っていますから、これがトラウマではなく現実だという事を少しずつ認識してもらう事を考えていくわけです。
時間はかかりますが、これは仕方がありません。

過去に何でも自分の思い通りになったという経験があるので、それとは違う現実は常に否定したいという感情が出てきます。
ですから少しずつ現実を話していくという事をしていくべきで、それは否定ではなく肯定的な事を話していくようにすべきでしょう。
本は好きというような事からでもいいので、自分が肯定できる事を増やしていくというようなイメージを持つと良いかもしれません。
どの段階で学校の話をするのかは迷うところですが、慢性期も後半になってくると自分から自分がすべき事も考えられるようになるので、学校の事についても話をするようになるはずですから、その時まで待つぐらいの覚悟が必要です。

転換期の状態と子供への適切な接し方

転換期になってくると、自分が変わらなければという意識が出てきているので、この時期に学校のことなども話をし始めるというようにしても良いかもしれません。
ですがそれならすぐに登校しようというようにするのはリスクが高いと考えられます。
子供が覚悟を決められない状態で学校に戻ってもまた元のようになってしまうのがオチです。
何しろこれまでの不登校の原因は余りにも昔の甘やかされた自分と学校での自分との差があったことが原因なのですから、そのような事になる覚悟をする必要があるのです。

この覚悟はそう簡単に出来る事ではありません。
何しろ前回のトラウマを克服するというかくごになるわけですから、これがそう簡単に出来るモノではないという事は認識しておいて、どの程度の認識で学校に行くという様に言いだしているのかを確認しておく必要があります。
先生と相談して時期を検討すべき時でもあると言えるのかもしれません。
ですから、子供に対しては煽るのでもなく、無理強いするのでもなく、自ら覚悟を決めるまで事実を淡々と話していくというぐらいの感覚でいいでしょう。

やれば出来るというような希望では無くて、もう大丈夫で逃げたりする事はないという覚悟が見られるかどうかを見て考えるという事をすべき時期という事になると考えられます。

回復期の状態と子供への適切な接し方

回復期には子供は他の子供と同様に学校に行き、普通に過ごすことが出来るようになっています。
そのため、この時期は普通に接するのが一番です。
特別なケアをすると逆に特別扱いするなというように言ってくるかもしれません。
ですから、この時期は親の方が子供に依存することが無いように注意をしましょう。
子供は独立して自分で責任を持った行動が出来るようになっているのですから、それをただ見ていればいいわけです。
問題や悩みがあれば聞いてくるでしょうから、それについては真剣に返事をしてあげればよいという事になります。


その時には親が子供の社会に出て行くという事は出来るだけ避けるぐらいの感覚の方が良いでしょう。
既に子供は親から離れているのですから、中途半端に親が介入しても問題を大きくするだけです。
自力で様々な問題を解決するという事を学んでいく事も一つの経験ですから、全ての回答を親がするという事でもありません。
かといって放置するという訳でも無いので、しっかりと監督責任を果たすことは求められる事になります。過去に不登校になったという経緯があるわけですから、そのような兆候はないのか、悩んでいる事は無いのかを常に見ておくという必用はあるでしょう。
ストーカーのようになるという事ではなく、子供を信じつつも極力何もしないというのが原則です。

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甘やかされた子どもは不登校や登校拒否になりやすい傾向はあると考えていいでしょう。
学校生活というところでは、まず甘えが許される事は無いからです。
集団生活は皆が平等に扱われるので、これまでとは次元の違う辛さを味わうという事もあり、これがショックとなって不登校や登校拒否になる事は十分に考えられます。
そうなってしまった時には、それまでの事がありますから、十分に時間をかけてゆっくりと心の傷を癒していくイメージで現実を徐々に刷り込んでいくという事を考えていくといいでしょう。
焦ると逆効果になる事が考えられますから、時間をかけて現実を受け止める事が出来るようにしてあげるという事が大切です。
甘えというのはそれぐらいに厄介だと考えておいた方が良いはずです。