不登校のお子さんはこんなふうに「めんどくさい」とよく言います。
「学校に行かない理由は?」と聞くと「めんどくさいから。」
「外に出ない理由は?」と聞くと「めんどくさいから。」
「勉強しない理由は?」と聞くと「めんどくさいから。」
実際、「何がめんどくさいの?」と聞いても、ほとんどの不登校の子は「わからない。」もしくは、「めんどくさいものはめんどくさい!」という返事が返ってきて、それ以上は何も聞けなくなってしまうことが多いです。
これに対して「めんどくさいよね。」と共感することはできますが、あまり深く響いている感じもおそらくないと思います。
不登校の子の「めんどくさい」という言葉の裏にある2つの大きな原因とは?
私はよく親御様の方から「こんなときどう答えたらいいのか?」というご質問をお受けします。
この「めんどくさい」という言葉の裏には実は2つの大きな原因が隠れています。
1つは「失敗不安」です。
失敗不安と聞けば、もう親御様はわかりますよね。
「もし物事に取り組んでうまくいかなかったらどうしよう。」というふうに自分の無価値観を感じてしまっているのです。
これは大人でも嫌ですよね。失敗することは誰だって基本的に避けたいでしょう。
不登校の子のように自己肯定感が低ければ、なおさら失敗を避けて、物事に取り組むことを避けたり、一歩踏み出すことを避けたりします。
なぜ、不登校の子は失敗不安が強いのか?
実は多くの場合は、親御様が良かれと思って失敗を防いできたことが原因となっているのです。
多くの親御様は失敗した時の子供のダメージを想像して、自分自身が不安を感じて、失敗を防ごうとしてしまいます。
これが子供に失敗不安を産むんです。
もう1つ原因は、多くの親御様には耳が痛いかもしれませんが、「めんどくさい親」だからです。
多くの不登校の親御様は、子供が求めてもないことをペラペラと話したり、子供からすると「めんどくさい親だなあ。」と思われるような状態だったりすることがあるからです。
たとえば、「話が通じない。」「わかってもらえない。」「共感されない。「指図や提案ばっかり。」というのも、子供からすると、「ああこの人に言ってもわかんないんだな。めんどくさい。」になってしまいます。
これを子供は他人や社会に投影して、社会のいろんな物事がめんどくさく感じてしまうのです。
しかも親子間の安心感がなくなるので、親子の愛着関係から生まれる自然な探索行動というのが影を潜めます。
その代わりに子供の行動を支配するのが「損得勘定」です。
よく子供が「勉強なんかして、将来使わないのに何のメリットがあるの!」と言いますよね。
これは子供が損得勘定で物事を判断しているのです。
実際、どちらが得か損か、どちらがメリットでデメリットか、時間的、経済的、心理的、あらゆる面を子供は損得勘定で判断するようになります。
私は世の中のいろんな物事は、ほとんどのことが損得で言えば、損、あるいはやりたくてやっているのではないことに属すると思っています。
これは大人から子供まで共通ですね。
子供にとってメリットがある、やっていて損を感じないのはゲームぐらいでしょう。
ここでもう1つ注意しなければいけないことがあります。
実は多くの親御様が損得の言葉を子供にかけているということです。
「勉強しておいた方が将来のためになる。」
「これしといた方があなたにとっていいから。」
こんなふうに良かれと思ってかけている言葉の多くが親御様自身の損得勘定に基づいた言葉がけになっていることも多いのです。
これによって、子供にも損得勘定が刷り込まれます。
つまり子供の「めんどくさい」の言葉の裏には、失敗不安と「めんどくさいことやめんどくさい人にかかわりたくない。」という気持ちが隠れているということです。
では不登校の子の「めんどくさい」はどうやって、なおしていけばいいのでしょうか?
まず失敗不安は親御様自身が「失敗は子供のこやしになる。いいものである。」と考えられるようになっていただくことです。
子供の失敗を受け入れ、自分の失敗も受け入れられるようになってください。
もう1点は親御様は子供にとって、話が通じる、わかってもらえる、「めんどくさくない親」になってください。
めんどくさいことを言われるのは、誰しも好きではないでしょう。めんどくさいことを言うのをやめましょう。
あとは損得勘定に基づいた考え方や言葉がけを一切、やめてください。
これは一朝一夕にはいかないかもしれませんが、意識し続ければ、必ず変わることができます。
実際、こういった点を注意していただくことによって、子供が「めんどくさい」と言わずに物事に取り組むようになった例はたくさんありますので、がんばってください。
ホンモノ共感クイズ「コンカフェ嬢」
前回のホンモノ共感クイズには、2名の方から回答いただきました。ありがとうございます。
ベテランのさくらもちさんでもやっぱり不安は消えないのですね。
私はコンカフェもキャバクラも行ったことはありませんが、だいたいどんな感じかは想像がつきます。
女性性を売り物にするので、どちらも大人としては安心しきれるところではないですよね。
実際、「コンカフェで働いている子の親御様はどのように思っているのかな?」と私も想像すると、親御様の不安はなんとなくわかりますが、私だったら自分の不安は一切伝えずにあえて、子供の自由にやらせてみると思います。
言っているだけで実際に子供が行動に移すかどうかはわかりません。
もし、実際に面接を受けることになったとしても、親御様はめんどくさいことを言わないようにしてください。
コンカフェ嬢になる目的は推しに金をつぎこみたいということなので、「どんな推しにどんなふうにお金をつぎこみたいのか?なぜそんなに好きなのか?」をさくらもちさんやはるかさんのようにとことん聞いてみてください。
もし不安を伝えるのであれば、具体的にどんな危険性があるのか、親御様がちゃんと正しい知識を持ってからの方がいいですね。
ホンモノ共感クイズ「勉強」
あなたのお子さんは何とか学校に行けている状態ですが、勉強ぎらいだとします。そんなお子さんが、突然、中学受験の希望をだしました。
「勉強ぎらいなのになぜ受験を希望するの?」と聞くと、「いい学校を出た方が将来有利だから。」とお子さんは答えました。
お母さんは勉強や学歴については、今までお子さんに言ったことはありませんが、「おそらくこれも機能的な考え方で子育てをしてしまってきたからだ。」と思いました。
将来有利かどうか、損得で考えてほしくはないのですが、共感はしないといけないと思いました。
こんなとき、どんなふうにホンモノ共感すればいいでしょうか?
あなたが考えるホンモノ共感の言葉がけを7/29(月)13:00までにブログにコメントしてください。
来週7/31(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉がけをお伝えしますので、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。