あなたは不登校の隠れた大きな要因として、「基準」があることを知っていますか?
前回のメルマガでもお伝えしましたが、私は個人カウンセリングで「基準」というものが不登校の大きな要因となっていることに気づきました。
ある女の子のカウンセリングでは、顔の「基準」が不登校の要因となっていました。
「顔が可愛いか、どうか。」その「基準」が不登校の原因だったのです。
また先日の魔法ことばベーシック講座の受講生のための夜の共感練習会では、あるお母さんの「基準」について取り扱いました。
この「基準」は、お子さんのしつけが気になるというものと、不登校であることを実家に伝えていないということでした。
女の子の顔の「基準」とお子さんのしつけや不登校を隠す「基準」では、かなり形が違います。
しかし両方とも、お子さんの自己肯定感を下げているものに間違いはありません。
ある女の子の顔の「基準」は、こういったものでした。
「現代において、可愛いと言われる女の子の顔の骨格は、卵型である。」
卵型の顔の形と言われれば、皆さんはなんとなく想像はつくと思います。
丸でも四角でもホームベース型でもない。現代的な可愛い、キレイと言われる顔の骨格の代表格です。
その女の子は、自分の顔の骨格がホームベース型だったので、それを理由に顔の劣等感に非常に苦しんでいました。
私が個人カウンセリングをしていた頃は、顔の劣等感があるだけで、学校に全く行けなくなっていました。
さて皆さん、今、私が言ったことを疑問には思わなかったでしょうか?
卵型が可愛い、美人の骨格であるというのは一体、誰が決めたものなのでしょうか?
誰もそんなことは決めていませんよね。
それなのに、いつの間にか社会的に、卵型が美人の顔の骨格の代表格である、という訳の分からない「基準」ができあがっているんです。
その女の子とは、私はかなりの長時間をかけて、深い個人カウンセリングをさせていただいていますが、毎回、毎回、こういった何かの「基準」がでてきています。
自分が劣等か、優等かを判断する「基準」ともなり得るものです。
なぜ、この「基準」がいけないのか?
その理由は、「基準」に達しないものを劣等だと判断してしまうからです。
実際にその女の子が出してきた顔の「基準」と言える根拠は2つありました。
・テレビや雑誌で明確に卵型が美人顔と言われていること。
・世の中の大多数の人が正しいと思っていることが「基準」になるという価値観。
この女の子のように、テレビや雑誌で言っていることを見て、それを「基準」として、認識したというのはよくわかります。
そのことそのものを否定したりすることはできません。
問題は後者の価値観です。
「世の中の大多数の人間が正しいと思っていることが、自分にとっても正しい。そこから外れたものを人はよく思わない。
つまり「基準」から外れたものに対して、人はよく思わない。」
この「基準」から外れたものは劣等であり、嫌われるという価値観が問題なのです。
この価値観があると、常に「嫌われ不安」に苦しむことになり、その不安から学校に行けなくなるからです。
なぜ、お子さんにしつけをした方がいいのか?
ここであるお母さんが出してきた、お子さんのしつけと不登校であることを隠すという「基準」に話をうつします。
なぜ、お子さんにしつけをした方がいいのか?
それはしつけをすることで、お子さんに対する周りの評価が高くなるからです。
お子さんがしつけをされていないと、下品で汚く周りの評価が下がってしまうと思っているのです。
実はこのお母さんが不登校を隠すのも同じ理由です。
不登校とはズル休みであり、ずるい人間に対して、周りは評価をしないと思っているのです。
この周りとは、先ほどの女の子がいう世の中の大多数の人と言い換えても同じ意味になります。
ここで女の子とお母さんの言っている「基準」というものが、本質的に同じであるということがお分かりいただけると思います。
周り、世の中の大多数がよしとするか、しないかを「基準」にしているのです。
そしてその「基準」に達しなかったり、「基準」から外れたものは劣等であり、嫌われ、評価されなくなると思い込んでいるのです。
この周りというものは、一体なんなのか?
実はこの本質は、その人たちの母親の価値基準そのものなのです。
私たち人間は、親の価値観、特に母親の価値観を社会や世の中、他人に自動的に反映してしまいます。
「世の中の人ってこうだよね。」「こういうのを評価しないよね。」っていう価値観があったとしたら、あなたの親、特に母親の価値観を反映したものだと言えるのです。
実はある女の子のお母さんは、お子さんの顔のことは一切、言及していませんでした。
私の目から見ても美人の部類に入る女の子ですし、その子のお母さんも見た目のことは一切、言っていないはずです。
なのになぜ、その子は顔に劣等感を持ってしまったのか?
先ほどのお母さんも同様でした。そのお母さん自身は、自分の母親から、しつけをうるさく言われたことはありませんでした。
箸の持ち方をうるさく言われたことがなかったですし、学校を休むことをうるさく言われたことはありませんでした。
なのになぜ、そのお母さん自身の母親の価値観が「基準」をつくったと言えるのか?
その謎を解く最大の鍵は、母親が何に対して共感せず、不快になっていたかなのです。
お子さんの顔を否定してしたりするのはもちろん論外です。
共通して言えるのは、母親がお子さん自身のあるがままを否定したり、あるいはお子さんの情緒を否定しているということなのです。あるがまま、あるいは情緒を否定しているのです。
なぜなら、情緒はあるがままのその子の本質そのものだからです。
これを共感されずに否定されてしまうとどうなるのか?
自分が他者に影響を与えるものが、おかしいものになってしまうのではないか?
これが不安でたまらなくなるのです。
例えば、ある女の子のことでいうと、「自分の顔を見た人にどういう印象、つまりどういう影響を与えるのか?」これが不安でたまらなくなるのです。
誰も女の子の顔を不愉快とは言っていないのに、こう思い込んでしまうのです。
なぜならば、相手が言っていなかったとしても、自分の顔を見た人はこんなふうに思うに違いないという不安から顔に劣等感をもってしまうのです。
「顔がホームベース型で、卵型じゃない。エラが張っている。だから不愉快だ。」
「みんなが心地よいと思う卵型からずれている。基準からずれたものを見ると不愉快だ。」
あなたのお子さんが、もし自分がブスだとか、顔の劣等感に悩み苦しんでいるのであれば、今日の内容は何度も何度も読んでください。
誰もお子さんの顔を見て、不快になったわけではありません。
共感しなかったり、不快な態度を見せた、自分の母親の真顔や言葉を記憶しているのです。
だから自分の母親がよしとする枠から外れるのが怖くてしょうがないのです。
あるお母さんの基準が生まれた原因を深く分析していくと、同じように自分の母親に迷惑をかけたどうか、母親を不快にさせたかどうかが、「基準」を生んでいることがわかりました。
面白いことにあのお母さんは、こうおっしゃっていました。
「箸の上げ下げのしつけを親から言われたことがない。しかし箸の上げ下げのしつけがなっていない娘を見たら、私の母親は嫌な顔をするだろう。不登校に対しても嫌な顔をするのではないか。」
この言葉は私の中に深く残っています。
結局のところ、親が嫌な顔をするかどうか、不快な反応を示すかどうかが、「基準」となっているのです。
この今日ご紹介した2人の事例以外にも、「基準」を持っている方は大勢いるでしょう。
どんな親もそんな意図ではないだけど、無意識のうちにお子さんに「私を不快にさせる基準はこうで、不快にさせない基準はこうである。」と伝えているのです。
この「基準」というのは目に見えない壁となって、お子さんが学校に行くことを邪魔します。
だからお母さん、お父さん聞いてください。
あなたの「基準」という壁を取り払い、価値観を変えていきましょう。
あなたならそれができるはずです。
それができた暁には、お子さんはとてもとても良い変化を示します。
実際に顔の劣等感をもっていた女の子は、顔の「基準」を解除した直後から、毎日高校に通えるようになりました。
自分の親が気付かぬうちに設定した「基準」というハードルを乗り越えられないことをどれだけ恐れているかを表す良い例です。
「基準」というものは、抽象的な概念であるため、かなり多くの方にとって扱いにくいものであるかと思います。
もし自分の中に何かの「基準」があるというのは、なんとなく感じるけれども具体的には分からないというならば、「嫌われ不安」について詳しく説明した私の本を一読してみてください。
「基準」があるからこそ、「嫌われ不安」が生まれるからです。
Amazon Kindleにて、販売していますので、ぜひ手にとって、ご自身の「基準」について、考えてみてください。
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「嫌われ不安」と不登校を100%解決する4つのテクニック
ホンモノ共感クイズ「車から降りたくない。」
前回のクイズには3名の方から回答をいただきました。ありがとうございます。みなさんのおっしゃっているところはその通りです。
もう1つだけ付け加えた方がいい理由をお伝えします。
子供がいきたくないとぐずる理由は、お母さんが切れるからです。
「え、ちょっと待って、このケースではお母さんはまだ切れていないじゃん。」
こんなふうにあなたは思いませんでしたか?
「切れていないのに切れるからぐずるっておかしくない?」と思いませんでしたか?
実はおかしくないのです。
こういった子供が「基準」から外れた行動をしたときに、ほとんどの親御様は不快な顔をします。
この表情の記憶があまりにも刷り込まれているために、お子さんはありとあらゆるものごとに対して、「もし自分が何かをやってしまったら、人を不快にさせる。」というふうに怖くなって、「降りたくない。」というふうになるのです。
だから、絶対にあなたは、どんなときでも、お子さんに切れてはいけません。
ただただ、ひたすら「降りたくない。」という気持ちに対して、深く深く共感すればいいだけです。
ここで共感を積み重ねれば、あなたが切れていた過去の記憶や悪影響は帳消しに必ずなっていきます。
ホンモノ共感クイズ「パトカーとサイレンの音」
近所でパトカーとサイレンの音が鳴っています。消防車の音らしい音も聞こえます。
あなたのお子さんは、その音を聞いて、その現場を見ようと家を飛び出そうとしました。
あなたなら、どのようにホンモノ共感の言葉をかけますか?
このクイズはあなたのものの見方を変え、クイズに正しい答えができれば、お子さんの再登校を強力に促進することもできるクイズです。
ぜひお気軽にブログに、7/18(日)21:00までに、あなたが考えたホンモノ共感の言葉をコメントください。
来週7/21(水)に私が考える理由とホンモノ共感の会話をお伝えしますので、ぜひ、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。