ゴールデンウィークが終わりましたが、皆さんは家族旅行にでかけましたか?
私はゴールデンウィークの最終日に魔法ことばベーシック講座のミドルコースの講義を開催していました。
講義冒頭で「ゴールデンウィーク中に家族旅行に出かけた人は?」と聞くと、ほとんどの方の手があがりませんでした。
ゴールデンウィーク中は、どこも混んでいましたし、ゴールデンウィーク価格でどこに行くにもなかなかな値段がかかりました。
しかも不登校のお子さんは人混みが苦手なので、「なかなか思ったようにはいかないのかなあ。」と私は感じました。
実は不登校のお子さんだけでなく、自己肯定感が低い人というのは、人混みを苦手とします。
大勢の人がいる場所、空間、特に年代が関係なく、「誰であっても大勢いたら嫌。」という場合もありますし、「同世代の集団が大勢いる場所が嫌。」ということもあります。
これはお子さんそれぞれでかなり異なってきます。
ですが、大勢の人がいる場所が苦手というのは、かなり多くの不登校の子に共通します。
なぜ、不登校の子は大勢の人がいる場所を苦手とするのか?
最近、私が直接カウンセリングしたある中学生の女の子はこんなことを言っていました。
「大勢の空間は苦しくて、圧迫感を感じる。特に東京駅や新宿駅などの人が多いところは同世代じゃなくてもダメ。何かの自分が行きたい目的がない限り、1人では絶対に行かない。」
ここでいう苦しい、圧迫感とは何なんでしょうか?
この女の子を深くカウンセリングをしていくとこんな言葉がでてきました。
「圧迫感とは大勢の人たちから、お前はちゃんとやっているのか。まじめに正しいことをやっているのか。朝ちゃんと起きて、学校に行き、勉強をやってかえってきて、宿題もちゃんとやっているか。こうやったことをお前はちゃんとやっているのかと詰められているかのような圧を感じる。」
これを聞いて、私はなるほどと思いました。
さらにその圧をなぜ感じるのか?その正体を探っていくとやはり出てきたのは親の話でした。
昔、この女の子の親御様、特にお母さんがこの子のお姉ちゃんに対して、正しいことを徹底的に求め続けてしまい、お姉ちゃんの心は一部壊れてしまいました。
この女の子は、今もお母さんがお姉ちゃんや家族に対して、正しいことを求め続けているような感じがするというのです。
お姉ちゃんが壊れたことで、お母さんはだいぶ緩くやわらかくなったのですが、根本的なところは捨てきれていないとその女の子は感じとっていました。
このお母さんの価値観、考え方が他人に投影され、人が多ければ多いほど、お母さんが持っている価値観を強く他人からも感じるというからくりなんですね。
このお母さんが持っている価値観、つまり子供が感じている圧迫感につながる価値観を一掃しない限り、お子さんが大勢の人がいる場所が平気になるということはありません。
ここで大事なことは、これはお子さんの弱さの問題ではないということです。
お子さんの弱さではなく、親の価値観の問題ととらえなければ、この問題を解決することができません。
つまり、どんなにがんばっても、不登校は解決しません。
そもそもなぜ、この親御様は正しさを追求するようになったのでしょうか?
この正しさとは親の常識と価値観の枠組みから外れないこと、はみ出ないことです。
こういった常識や価値観を持っている親御様は、そこから外れることに対して、強い不安や嫌悪感、怒り、イライラなどを覚えます。
実はこれが親御様がもっているスイッチです。
なぜ、親御様はこのスイッチをもってしまったのか?どのようにしてつくられたのか?
実はこのスイッチは親御様ご自身のお母さんの影響でつくられています。
具体的にはどんな影響なのか?
単刀直入に言えば、親御様ご自身が自分の親から共感をされなかった影響です。
親御様の親世代のほとんどは、ごく一部の例外を除き、ほぼ共感という概念を知りません。
知っていたとしても、なんとなくは知っているけど、やったことはないという程度でしょう。
いかにいい親であっても、優しい親であっても、共感が全くないと、子供はどう感じるのか?
実は共感していない親が行っていることが正しくて、自分は間違っていると思い込んでしまいます。
子供の問題に共感しないということは、「あなたの問題は私の枠から外れることなのよ。それを私は共感しないわ。認めないわ。」というメッセージになるのです。
このメッセージをうけて、育ってきたために親御様は、正しさの枠から外れることを受け入れがたく感じます。
そして正しさの枠から外れようとする子供に対して、求めてられていないアドバイスや提案を繰り返してしまうのです。
また自分の正しさの枠に戻らない我が子に対して、怒りやイライラ、不安を見せることで、子供に嫌われ不安を植えつけてしまいます。
こんなふうに不登校の原因となる嫌われ不安ができあがってしまうのです。
だから子供は正しいことができるか、できないかわからない自分が集団の中にいると、世の中から白い目を向けられるのではないかという不安を覚えて、集団がダメになるのです。
今日お話ししたことは集団がダメになる1つの原因です。これ以外にも原因がありますが、今日は代表的なものをお話ししました。
この負のループを親御様は今、絶たなければなりません。
それには親御様が自分の中にある正しさの価値観や圧を子供に感じさせるような価値観を自覚し、それらを捨てるということが必要になってきます。
これは1人でやるのはとても難しいので、長期で開催している魔法ことばベーシック講座では集中的に取り組んでいます。
親御様の中にある、こうあるべきという価値観がなくなり、それによってお子さんが集団が楽になったと感じて、行動が変化したという事例がでれば、まっさにこのメルマガでお知らせしますので楽しみにしていてください。
ホンモノ共感クイズ「ゴールデンウィーク」
前回のホンモノ共感クイズには2名の方から回答をいただきました。ありがとうございます。
はるかさん
いつもありがとうございます。ちゃんと何が嫌なのか、人混みの何が嫌なのかを聞けていていいですね。
その嫌な原因の1つとして、お子さんが昔のことをちゃんと教えてくれたんですね。
こういったことを子供が記憶に刷り込まれ続けると、当然「旅行=嫌なもの」、つまり「旅行や人混み、外出=怖いもの」とつながってしまいますよね。
旅行を連想するとパパとママの怒った顔を思い出すのであれば、パパとママは今後すべてにおいて笑顔でいなければなりません。
もちろん正当な理由があったとしても怒らないということを心がけてください。
さくらもちさん
いつも力作ありがとうございます。事前にいろんなパターンを想定していて、おそれいるばかりです。実際にこんなやりとり、本当にありそうですね。
笑顔、心を平らに笑顔がとても大事です。
どんな言葉を使うかも大事ですが、それよりも心を平らに笑顔はとても大切だと私も感じます。
ちょっと気になったのは「どっちでもいい。お母さんが決めて。」というお子さんの言葉です。これも実際よくありそうですよね。
こういった場合、皆さんならどのように答えますか?
私なら、「自分で決めることの何がしんどいのかな?」ということを先に聞いてみます。
後は子供が行かないといった場合、これも実際よくありますね。この時の対応はさくらもちさんの書いてある通りで素晴らしいと思います。
他の方もどんどんと自分なりの言葉がけを考えて、ブログにコメントしてください。
ホンモノ共感クイズ「テストが気になる」
あなたのお子さんは不登校ではありませんが、家で勉強はほとんどしません。
ゴールデンウィークも出かけず、ずっと家でスマホとYoutubeをしていたので、当然宿題がたまっていました。
ゴールデンウィークの最終日になって、「今から宿題をする。」と言い出しました。
さて、ここで気になるのは来週からのテストのことです。
来週には中間テストがあり、お母さんとしては、そちらの方が気になっていました。
こういう場合、どんな言葉でお子さんを見守るのがいいでしょうか?
お子さんの気持ちにホンモノ共感しながら、見守る言葉がけを考えてみて、5/13(月)17:00までにブログにコメントしてください。
来週5/15(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉がけをお伝えしますので、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。