不登校の子の完璧主義「100人いたら、100人から好かれたい。」

あなたのお子さんはどこかにでかけるとき、身支度にものすごく時間をかけますか?

勉強するときに教科書を1から10まで完璧に覚えようとしますか?

何かを人に話すときに1から10までわかってもらおうとして、多くのことを話しますか?

なかなか物事にとりかかるエンジンに火がつかないのに、一度火がついたら、電池がきれるまで動きますか?

 

もし、あなたのお子さんがこれらのどれかに当てはまったら、完璧主義が強いかもしれません。

多くの方は完璧主義と聞くと、どんなテストも満点をとろうとするとか、一部の隙のないものをつくりあげようとするとか、そういったものを思い浮かべませんか?

もちろん、これらも完璧主義です。

完璧主義のあらわれ方が異なるだけで、どれも強い完璧主義です。

 

これらの完璧主義の問題点は、なかなかエンジンがかからないこと、だれがどう見てもやらなくていいところまで、お子さんは疲れ果てるまで徹底的にやろうとすることなのです。

「そこまでやらなくていいんじゃない。」と声をかけても、ほとんどの子はこの完璧主義を崩そうとしませんよね。

 

なぜ、お子さんは完璧主義を崩すことができないのか?

その原因は、お子さんが心の奥底で、こんな感覚を感じているからです。

「欠点があるものは、その欠点に人の目がいき、欠点によって、人がストレスを感じる。人にストレスを感じさせるものは、人を不快にさせるからよくないものである。

100人いたら、100人全員から好かれるものを生み出せないと、自分で自分の存在を認められたとは思えない。」

 

お子さん本人も「この世の100人全員に好かれるということはありえない。」と頭ではわかっています。

わかっていながらも、どうしても心でそれを受け入れることを許すことができないのです。

本当は「そんなことをしなくてもいい。」とわかっていることをやらねばならないという焦り、これはとても苦しいです。

 

ここで皆さんよく考えてみてください。

「100人いたら、100人から認められ、好かれるようなものを備えていないといけない。」

これって、不登校のお子さんが気にしている対人不安と本質的に同じですよね。

人からどう見られているか、どう思われているかを気にして、人との健全な交わりが難しくなる。そういったものと本質が同じだと私には感じられるのです。

 

ではなぜ、このように自分がどうあるかではなく、人がどう評価するのかを気にするようになってしまったのでしょうか?

実はこの根本原因には、親御様の共感の問題があるのです。

なぜなら、子供は自分の気持ち、考えに親から共感されないことで、子供は自分軸を失ってしまうからです。

親御様が子供に共感しないことは、子供に「他人軸になれ。」と教えているようなものなのです。

だから子供は他人の軸で判断して、「自分が備えているものがどのように受け取られるか?」を気にするようになってしまうのです。

 

この問題の解決には、親御様がお子さんに徹底して共感することと、親御様の中から他人軸を完全に抜くということが必要となってきます。

他人軸が当たり前で育ってきた親御様が他人軸を抜いて、自分軸で生きるというのはかなり難しいことかもしれません。

しかし、親御様の他人軸を抜くことは、不登校の解決のために何としても解決しなければいけない問題なのです。

もし、あなた自身が自分の他人軸に自覚があるのであれば、自分軸で物事を考えて判断するというふうに生き方を変えてみてください。

他人軸がキレイに抜けて、自分軸でホンモノ共感ができるようになるとお子さんの不登校の改善はかなり早くなります。

 

ホンモノ共感クイズ「宿題が終わったら、学校に行く。」

前回のクイズに6名の方から回答をいただきました。ありがとうございます。

おそらく不登校の子をもつ親御様なら一度は遭遇したり、耳にした言葉ではないでしょうか。

 

大切なことなのでもう一度、お伝えします。

親御様が共感しないということは、お子さんに「あなたの気持ちや考えを認めませんよ。他人軸で考えられるようになりなさいね。」と伝えているようなものなのです。

全部ちゃんと終わらない。わからない問題がそこかしこにある。

他人軸で考えるお子さんにとって、このことが他人から、どう判断されるのかを推測してみるとどうでしょうか?

 

おそらく先生からは「手がかかる生徒だな。」と思われるかもしれません。

周りの生徒からは、「あいつ一人で手を抜いてやがる。なまけてやがる。」と思われたり、「わからないところをわかるように努力していない。」と思われたりするかもしれません。

こんなふうに思われることをお子さんは不安に感じているのです。つまり、人の目からみてどのように思われるのかをとても気にしているのです。

このお子さんの気持ちを理解することが、ホンモノ共感を身につけるときのポイントです。

 

ただ時々、人の目よりも自分で自分を認められないことが嫌だというお子さんも少数ながらいます。

このお子さんは自分で自分をどう認められないのでしょうか?

この答えは、仕事をなさっている方はご自身におきかえてみるとわかるかもしれません。

 

会社で上司から与えられた仕事を期限内に完璧に、よりよくこなそうと気持ちありませんか?

「そういったことができたら、自分で自分の価値が認められる。」こんな感じありませんか?

これと本質的に同じことをお子さんも感じているのです。

 

「周りが求めるもの、期待するものを100%完璧にこなして、やっと自分で自分の存在価値が認められる。そうでないと相手にとっても、自分にとっても、自分が価値のない存在になってしまうんじゃないか。」

こんなふうに不安を感じているのです。

こういったお子さんの不安な気持ちに寄り添い、共感していく必要があるのです。

 

ここで肝心なことがあります。

これはいくら口先だけで共感してもお子さんに響くことがありません。

親御様が先に他人軸で考えることや周りの期待に応えて、初めて自分の価値を認められるなどの劣等感をなくすことで、初めてホンモノ共感の言葉がお子さんに響くようになるからです。

 

今回のホンモノ共感クイズは難易度が高いにも関わらず、6名の方が挑戦してくださってありがとうございます。

皆さん薄々、宿題ができないお子さんの気持ちを感じられていらっしゃるようですね。それがさらに我が子の場合ならどうかを考えてみてはいかがでしょうか。

我が子の自分軸のなさは、お母さんの他人軸の強さにほぼ比例します。先に改善すべきことは、親御様ご自身の他人軸です。

親御様の他人軸を簡単に抜くことはできませんが、もし抜くことができれば、お子さんに必ず良い変化が現れ、再登校できるようになります。

お子さんが学校に行くとは、人の目を気にしなくなることと言い換えてもいいです。ぜひ、親御様ご自身の他人軸を抜くことを心がけてみてください。

 

ホンモノ共感クイズ「勉強してほしい。」

あなたのお子さんは今、中3で1月からやっと学校に行き始めました。しかし、学校にいくのがやっとで、自宅学習はペースがなかなか安定しません。

決して頭の悪い子ではありませんが、勉強はちょっとしんどそうです。

そこでホンモノ共感とは、ずれてしまうとはわかっていながらも、こんな思いがお母さんの頭をよぎっています。

「どうしても勉強してほしい。勉強する習慣を何とかつけて欲しい。そうしないと高校に行ってから、辛い思いをするだろう。勉強できなくなったら、この子がかわいそうだ。」

 

このままの状態だと、お母さんがお子さんに心配の言葉をかけると、お子さんはせっかく抜けてきた他人軸がまた強くなってしまいます。

「勉強する習慣を!」と声をかけることが、なぜ子供の他人軸を強くしてしまうのでしょうか?

そして、「勉強する習慣を!」と言う代わりに、どんなホンモノ共感の言葉が考えられますか?

 

あなたが考えるホンモノ共感の言葉を2/6(日)20時までにブログにコメントしてください。

来週2/9(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉をお伝えしますので、ぜひ、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。