ホンモノ共感が非難を浴びる!?

先日、あるヨーロッパに在留している日本人の方から、こんな話を伺いました。

「私が在住しているヨーロッパの国では、子供へのホンモノ共感をもし見せたら、まちがいなく非難を浴びます。
私の国では、親が絶対的なもので、子供を徹底的に押さえつけます。」

これを聞いて、私はやはり世界中、どこに行っても共感の文化はないのだろうなと感じました。

徹底的に子供の感情や情緒を押さえつけると、どうなるのか?

実はその悪影響の1つとして、子供に強い劣等感があらわれます。

この劣等感はとても根強く、子供が親になった時に、その子へと次の世代に受け継がれていってしますのです。

日本においても、残念ながら、共感の文化がありません。
だからこそ、親から自分の感情や情緒を押さえつけられて育った子は、大人になった今、こんなふうな劣等感をもつようになってしまったのです。

「我が家は機能不全な家庭。家族の一員である自分も機能不全な人間。だから料理が苦手。」
「自分は邪魔者。」
「自分は料理のセンスがない。」
「自分はちゃんと仕事ができない人間。」

これらは私が開催している魔法ことばベーシック講座の第8期東京のミドルコースの中で、参加者さんからでてきた劣等感です。

こういった劣等感は、自分では気づいておらず、私がそれぞれ参加者さんから直接、引き出したものです。

この劣等感というと、多くの方は能力や容姿の自信のなさのことを思い浮かべるとおもいます。

実際、表面的には、先ほどの料理のセンスのような能力などに劣等感があらわれやすくなります。

ところが、能力のなさが劣等感の一番の本質かというと実はそうではありません。

もし、能力や容姿の問題が劣等感の本質であるならば、それを補うために何らかの努力を行う必要がありますよね。

または「料理のセンスがなくても、大丈夫なんだ。」と思い込んで考え方を変える努力をすることが必要になります。

こういったことを無駄だとまでは思いませんが、実際、劣等感をこういった考え方で変えることはできないのです。

劣等感の本質とは!?

劣等感の根本を注意深く分析すると、本質は「自分の存在そのものが、劣等である。」という思い込みから生まれたものであることがわかりました。

つまり、存在そのものが劣等であるとか、機能不全であるとか、邪魔であるとか、ないセンスを補う努力をしていないとか、こういった考え方、自分に対するレッテルが、表面的な問題として、あらわれていたのです。

例えば、「自分の顔がブスだ。」という劣等感を持っている子に親は「いやそんなことないよ。可愛いよ。」と声をかけます。
しかし、子供には、この言葉は全く響きません。

なぜ、子供に全く響かないのか?

その理由は、本質的な問題は顔ではなく、「自分が相手に不快感を与える存在である。」という誤った思い込みがあるからです。

そして、本人もそこはあまりきちんと認識できないので、「相手に不快感を与えるのは、自分の明確にわかる欠点のせいである。」というふうに、表面的なところに原因を求めてしまうのです。

だから、いくら顔のことを言っても、顔が可愛いと言っても、存在そのものの問題を見抜き、そこに対して適切なアプローチをしない限り、劣等感が解消されることはまずありません。

逆に言うと、劣等感を生み出す本当の原因とメカニズムを見抜くことができれば、そこに対して、適切なアプローチを行い、劣等感を打ち消すことができるのです。

つまり、「自分の存在そのものが劣等である。」という誤った思い込みそのものをまず的確に見抜くこと、これがとても大事なのです。

ここと表面的な劣等感のつながりが明確になると、その次はなぜ、存在そのものが劣等であると認識するようになってしまったのか?その原因をきちんとひもといていきます。

劣等感の原因とは!?

私の今までの経験からわかったことは、この原因は実は2つに集約されます。

1つの原因は、自分の存在そのものか、もしくは本質的な部分に親から興味や関心を持ってもらっていないか、共感されていないからです。

もう1つの原因は、自分の存在そのものか、本質に親から間違ったレッテルを貼られているか、自分で誤ってレッテルを貼っているからです。

この2つのいずれかであると、お考えください。
あなたのお子さんはどちらに当てはまりますか?

この原因が分かれば、これがいかに間違っているかをきちんと証明することができれば、ほぼ劣等感の解除が完了です。

最近、私はある高校生の女の子の容姿の劣等感を解除しました。
その子の容姿の劣等感というのは、顔に関するものでした。

そして、その劣等感の本質は、やはり顔ではなく、親子のコミュニケーションの問題によって、他人の評価を過剰に気にするようになったことだったのです。

私はカウンセリングで、これは本当の正しい評価ではなく、うわべだけの評価であり、自分の本質を正しく評価していないということをきちんと証明しました。

それによって、顔の劣等感はかなり消えました。

すると、彼女は今まで相手を不快にすることが怖くて、なかなか人に話しかけられなかったのですが、劣等感が消えた途端にいきなり元気になり、どんどん友達に話しかけられるようになりました。

「明るく積極的な自分になれた。」
こんなふうに彼女は自分の変化をとても喜んでいました。

私も素の自分の良さを取り戻すお手伝いができて、とても光栄に感じました。

彼女に限らず、不登校のお子さんは、劣等感を強く隠しもっています。
もし、それすべてがキレイさっぱりなくなってしまえば、お子さんは自信を取り戻し、行動が大きく変わります。そして目もキラキラと輝きます。

この劣等感の正しい分析の仕方と解決方法は、かなり専門的で、1人で取り組むのは、かなりの知識と経験がないと難しいものです。

現時点では魔法ことばベーシック講座のミドルコースと私の個人カウンセリングの2つで、この問題の解決のサポートをしています。

現在どちらとも満席で、次回の募集は未定の状況ですので、空きが出ましたら、このメールマガジンでいち早くご案内します。

ホンモノ共感クイズ「お母さんに迷惑がかかる」

前回の再チャレンジクイズに6名の方から回答をいただきました。ありがとうございました。

この問題の本質はすでにブログで書いたように、子供の問題に共感せず、さっと解決、あるいは軽く扱おうとして、こういった対応をとってしまいます。

・問題を深く考えずにあっさり解決策を提案する。
・時間をかけない。
・すぐにプラスに転換したくなる。
・子供の問題とは微妙にピントのずれたことを親が話し始める。
・子供の問題に対して、親がイライラしながら対応する。

そしてなぜ、これほど私が共感、共感と口を酸っぱくしていっているのに、このような対応をしてしまうのか?
ここにさらに深い本質の問題がありますよね。

ここには、いくつかの理由があります。
1つの理由は、子供の問題に寄り添い続ける、止まり続ける、心の余裕、器がないことです。

もう1つの理由は、問題を問題のままで放置すると、将来どうなってしまうのだろう?即解決せねばという不安が湧き上がってくることです。

これらはすべて、親自身の「役立たず不安」が原因です。

この「役立たず不安」を的確に認識できれば、かなり表面的な対応もいい方向に変えることができます。

さて、子供のこの問題に対するホンモノ共感としては、子供自身が何をどのように親に迷惑をかけると感じているのかを引き出す質問になります。

このホンモノ共感の際は、親自身がフラットで安定的な状態で、子供の問題に寄り添い続け、共感し続けられること、解決を考えないこと、これらがとても重要です。

自分の存在が「邪魔で迷惑だ。」と感じている子供は、私の印象では子育てそのものか、もしくは会話や対話に対して、十分に親から共感してもらっていません。また親から、たっぷりの時間をかけてもらってもいません。

つまり、自分が発することは、親にとっては、本当は目を背けたいこと、あまりお付き合いしたくないこと、そんな誤った認識を持ってしまっています。

これは劣等感が生まれるメカニズムと同じです。

つまり、いかに普段から、お子さんの問題にたっぷりと時間をかけて、寄り添い続けられるかが、この問題の回復の土台となります。

劣等感クイズ「料理ぎらい、料理が苦手」

あなたは不登校のお母さんだとします。
料理が嫌い、あるいはとても料理が苦手です。

実際、ちゃんと作ると料理の腕が下手なわけではありません。
なのに、なぜ嫌いになったのでしょうか?

なぜ、苦手だと思い込んでいるのでしょうか?

この理由を劣等感と絡めて、考えて、ブログに11/30(月)17:00までにコメントください。

もし、この理由が本当に深く理解できると、料理がかなり楽になるはずです。

そしてこの理由がわかれば、お子さんが嫌いなことや苦手と思っていることに、どのような言葉がけや対応をすべきかが自然と定まってくるはずです。

だからこそ、じっくり考えて取り組んでください。

来週12/2(水)に私が考える理由をお答えします。

ぜひ、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。最後までご覧いただき、ありがとうございました。