理由がわからないのは理由がないから?

子供がある日突然登校拒否になってしまったら、親だったら誰でも心配になりますよね。
そして、大抵の親は学校に行きたくない理由を聞き出そうとするのではないでしょうか。
それは当然のことと言えるかもしれません。
なぜなら親にしてみれば学校とは毎日通うところである、という固定観念があるのですから。
それなのに我が子は学校に行きたがらず、お腹が痛いなどと言い出す始末。
こんな状況だったら、何としてでも行きたくない理由を聞き出すのが親としての義務、とまで思う人だっているかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。
例えばそれほどしつこく登校拒否の理由を聞いたからといって、何か意味を見出すことができるでしょうか。
もちろん明確な原因があって、それを取り除きさえすれば、すぐさま今まで通り学校に通うというのなら話は別です。
けれども、大抵の場合登校拒否というのは、それほど簡単に解決する問題でもないというのが本当のところですよね。

実はそれは、同じ登校拒否でも子供自身が学校に行きたくない理由がわからない、という登校拒否というのがあるからなのです。
言い換えると理由が言えないのは、コレといった決定的な理由がないから、ということが出来るのです。
なので、もしも家を出る時になって子供が「お腹が痛い」などと言い出したら、それは本当にお腹が痛くなったと考えてあげてください。
仮病を疑うことは禁物です。

そしてこういった理由なき登校拒否の類は、親にとってはては余計厄介なことにならないとも限りません。
理由がわからないのですから、解決の仕様がないのです。
だからと言って無理やり学校に引きずって行くわけにもいきませんよね。
では、そんな時は親として、どのように向い合えば良いのでしょうか。

無理に学校に行かせるのはNG

先ず最初に、子供が理由もないのに学校にいかなくなってしまったら、1番してはいけないのは無理やり学校に連れて行こうとすることです。
たとえ門のところまで引きずって行ったとしても、保健室に直行するか、途中で帰ってしまうか、もっと重症の場合は家に帰らず、そのままいなくなってしまうということだって考えられますよね。
なので、親は子供が学校に行かないと言い出しても、慌てふためいたり取り乱したらいしないようにしてください。
出来れば悠然と構えて「そうなの」とそのまま受け止めてあげることが肝心です。

子供に言わせれば、自分が学校に行かないと言ったら親は慌て無理やり学校に連れて行くだろうという恐怖心と、こんなことになってしまって申し訳ないという罪悪感のようなものを持っているものなのです。
そんな気持ちでいるところに、「ああそう」と何でもなかったことのように言われたら、どれだけ安堵感が広がるでしょうか。
自分は無理して学校に行かなくてもいいのだ、そしてこの家にいてもいいのだ、という気持ちは親に対する大きな信頼感に変わります。
そして、その信頼こそがまた再び登校出来るようになる生活への第一歩となるのではないでしょうか。

元々が理由がわからない登校拒否だったのですから、理由もわからず復学するということがないとは限らないわけです。
特に「何となく」登校拒否になった子供だったら、遠くから見守ることで、また何となく学校に行きたくなるという例はたくさんあるのです。
ですから、母親が働いているといった場合でも、無理に仕事を休んで日中子供をコントロ-ルしたり、あれこれ世話を焼くというのは逆効果になることがあるので、注意してください。
あくまでも、親の方はいつもの日常を続けながら一歩引いて子供を見守るというスタンスが重要なのです。

やってみたいことを考えるところから始める

さて、そうやって一定の距離を置いて見守ってきたものの、なかなか子供は学校に行こうとはせず長い時間が過ぎてしまったということだってあり得ますよね。
そんな状況になってしまったら、親として次に出来ることは、子供と一緒に子供が好きなことややってみたいことを考えてみるということです。

もちろん、好きなことはゲ-ムで、1日中ゲ-ムだけをやって生きて行きたいと言い出したらそれは問題ですが、そんなことを言い出したら、「学校に通っていないのだから、学校に通うことに匹敵するような生産性のあること」を探すように言ってみてください。
子供は子供なりに、学校に行っていないことに対して罪悪感を持っているものですから、案外簡単にこの提案には乗ってくるものです。
そして、建設的なやりたいことが見つかったなら、そのことに対して具体的に行動してみることが大切です。
例えば絵が描きたいというのなら、出来る範囲で絵の教室に通わせるとか、中には「学校には行きたくないけれどフリ-スク-ルには行ってもいい。」と言い出す子供もいるかもしれません。

そして、親はどんなことを子供が言い出しても、それは子供が現在の状態から抜け出すための最初の一歩であるということを忘れないようにしましょう。
もしかしたら、荒唐無稽なことを言い出すかもしれません。
でも、それでもきちんと受け止めてあげることが肝心です。
そして、子供の意向に沿う形で何らかのアクションを起こしてあげてください。

親が自分の味方であるということは、子供にとってこれ以上ないほどの自信になるはずです。
やりたいことがあって、それが出来る環境ならば、子供の背中を押すことも、今まで気づかなかった子供の才能を伸ばすことに繋がるかもしれませんよね。

学校に行かなくても規則正しい生活は必要!

でも、ここで当然のことながら「そんなに子供のやりたいようにさせていて大丈夫なのか?」といった疑問が出てくるのではないでしょうか。
もちろん、そのとおり、何でもかんでも子供の意向を通して良いはずがありません。
なので、親としてはここで是非ふたつのことをしてください。

ひとつは、理由がない登校拒否はもしかしたら、思春期特有のホルモンのバランスの崩れからくるものかもしれないので、1度は子供を病院に連れて行くこと。もちろん、事前にきちんと受診の理由を子供に話すことを忘れないでください。
そしてもうひとつは、学校に行きたくないのは仕方がないとしても、だからと言って昼夜逆転の生活をするようなことは許さないとキッパリいうことです。
そのためには、きちんとル-ルを作ることが大事です。
例えば食べた後のお皿洗いは子供にさせるとか、1日にこれだけのドリルをこなす、などル-ルの内容はどんなものでも構いません。
ただ、親子の双方が納得し、あまり高くハ-ドルを設定しないということだけ覚えておいてください。

規則正しい生活は、成長する子供にとっては必要不可欠なものです。
ホルモンのバランス問題で登校拒否になっていたとしたら、なおさら夜更かしや昼夜逆転生活は禁物ですよね。
それに近い将来、復学出来るようになった時のためにも生活のリズムは崩さないようにしたいものです。
長期の登校拒否に繋がってしまうもののひとつに、夜と昼の逆転の生活というのがあることを忘れてはいけません。
そのためには、家のル-ルはどうしても昼間でなければ出来ないようなことを組み込むというのもひとつの方法と言えるのではないでしょうか。

◇  ◇  ◇

登校拒否はどんな理由があっても、また反対に理由がないとしてもあまり長くは続けて欲しくないことには変わりありませんよね。
でも、親は子供が登校拒否になった理由探しをするよりも、平静を保って大きく構えることの方に力を注いでください。
無理やりに学校に行かなくても良いと理解した時から子供は変わるかもしれません。
そして、学校に行かないことが、いかにも悪であるかのように考えるのもナンセンスです。
学校は行きたくなったらいつでも行くことが出来るのです。
反対に中学や高校に行かなくても、検定を受けて大学に行く道というのもあるのです。
親が出来ることは登校拒否になったとしても我が子を信じて、健全な成長を遂げることが出来るように手助けすることなのではないでしょうか。

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