不登校生が夜更かしをしてしまう理由

不登校の原因の一つに「起立性調節障害」という病気があることを、是非知っておいて欲しいです。

朝なかなか起きられない、起きようとしたらめまいがするなどの症状があり、午前中は調子が悪いけど昼からは元気になることもこの病気の特徴です。また、乗り物酔いをしやすかったり顔色が蒼白いことも症状や特徴だと考えられています。

昼から元気になってきて夜は調子が良いので、朝寝坊の宵っ張りという昼夜逆転の生活に陥りがちです。
そして、怠けているのではなく病気が原因だと誰も気が付いてくれないことが本人を苦しめてしまいます。
理解が得られないことがストレスとなり、ストレスが病状を悪化させるという悪循環になってしまうと、治すのに時間がかかってしまいます。

まずは、怠けているのではなく起立性調節障害のために身体が辛くて体が言うことを聞いてくれないのだ、ということをご家族や教師が理解することが治療の第一歩です。

ちなみに、朝調子が悪くて午後から調子が良くなる理由ですが、これは起立した時に下がってしまった血圧がすぐに元に戻らないからです。

健康な人では寝た状態から起き上がると血圧がいったん下がりますが、すぐにまた血圧が上がって元の状態に戻ります。
ところが、起立性調節障害の人は、寝ている状態から起き上がった時に血圧が下がったまま元に戻るのに時間がかかるのです。
そのため、まだ動き始めたばかりの午前中は調子が悪くて、血圧が上昇してきた午後から元気になってくるのです。

その他、入浴時に気分が悪くなったり、朝礼で長時間立っていると気分が悪くなったり、乗り物酔いをしやすいなどの症状もあります。

昼夜逆転生活を改善する方法

起立性調節障害が疑われるときは、まずは小児科医に相談しましょう。
まだまだ認知度が低い疾患なので、60歳前後の医師の中にはこの疾患の事を知らないケースもあります。
起立性調節障害が原因で昼夜逆転の生活となっている場合、最初に行われる治療は市政の工夫や水分の補給や生活リズムの調整などです。

寝ている状態から立ち上がる時は30秒ほどかけてゆっくりと起き上がるようにしたり、立っている時は足ふみをするなどで、血圧の低下を防ぐ効果が期待できます。
水分は一日1.5リットルから2リットルとやや多めに摂るようにしてください。
水分を多めにとることで循環血液量が増えて血圧を維持しやすくなるでしょう。

そして夜型になりがちな生活を改善するために、夕方からでも良いので散歩などをして体を動かすようにしましょう。
夜は0時までには部屋の灯を消してお布団に入りたいものです。

お薬を使わないこのような方法で効果がない場合は、薬物療法も必要になります。
塩酸ミドドリンやメチル硫酸アメジニウムなどが使われます。

お薬の効果を実感できるまでには1か月くらいかかることもあるので、すぐに効果が出ないからと言って自己判断で薬を飲むのを止めてしまわないようにしてください。
「怠けている」と思われてイジメなどに遭っている場合などの時は、心理療法を行うこともあります。

ご家族は、学校の教師にも理解を求めるように努力しましょう。
そのためにはまずはご両親がこの病気について正しく理解することが非常に大切になってきます。
担任教師や学年主任の理解が得られない場合は、保健室の先生はこの病気を知っているケースも多いです。
保健室の養護教諭に相談してみるのも一方法です。

夜更かしをしていても叱るのはNG

もう夜中なのに寝ようと思ってもなかなか眠れないという事は、誰もが一度や二度は経験があると思います。その時、どのように感じましたか。
おそらく、眠れなくてつらかったのではないでしょうか。

午前中は体がだるくて買い物に出かけようと思ったのに出かけることができなかった、だけど夕方から元気になってきたので、夕方から出かけて夜遅くに帰宅して、今度は深夜までテレビを見たりゲームをしているという事もあるでしょう。

このような時に「いつまでも夜遅くまで起きているから、また明日の朝起きることができなくなるのだ」とイライラしてくるかもしれません。
しかしここで叱るのはNGです。

お子さんの身体が動き出したのが正午だとしたら、0時は動き出してからまだ12時間しか経っていません。
朝の7時に起きた人であればまだ午後7時と同様の状態です。

もしも午後7時に「もう寝なさい」と言われたら、困るでしょう。
お子さんの身体の状態も同様なのです。
午後7時ではとてもとても寝られないのと同様に、時計の針は0時でもお子さんの身体はまだ午後7時なのだと、理解しましょう。

一足飛びには一般的な生活に戻すのは無理があります。
焦らず少しずつ時間をずらして行けばいいのです。

無理に布団に入らせると、眠れないことがイライラを募り、そのイライラがますます眠れなくしてしまうという悪循環に陥るだけです。
むしろ、寝る時間よりも朝の起きる時間をできるだけ一般的な時間に近づけるのがベターです。

取りあえずで良いので、7時半なり8時なりやや遅めの時間に起こしてみましょう。
その際は急に起き上がらずにゆっくりと時間をかけて起き上がるのがポイントです。
そして起きられるようなら、水分補給だけでもして、だるいようならまた横になってもOKにする方が良いでしょう。

遅刻や欠席が続く時は、お薬を飲むことなども検討する必要が出てきます。小児科医や内科医とよく相談してください。

昼夜逆転の改善は不登校の再発防止にも

血圧が安定してきて、朝起きるのが苦痛でなくなれば昼夜逆転の生活も改善していきます。
今までつらかった症状や苦しかった症状が軽減すると、それが嬉しくてきちんと朝起きることができるはずです。

本当は学校やクラスの友達や先生たちのことが好きで学校に行きたいのに、身体が辛くて行けないという場合は、自然と登校するようになる可能性はとても大きいです。
昼夜逆転の生活が改善したら、不登校の再発防止にもなります。

しかし、イジメに遭っているケースや友達と上手く行っていないとか教師から怠けもののレッテルを貼られているような扱いを受けているという場合は、起立性調節障害が治って昼夜逆転の生活が治ったとしても、登校するのが困難な場合もあります。

昼夜逆転の生活が改善しているのに、登校をしぶる場合はこういった可能性も考えることが重要です。
子供は親に心配をかけまいとしていじめや嫌がらせを受けていてもそれを言わないことが大半です。

自分ではなくて「あの子は虐められているんだよ」などと虐められている友達の話をばかりをしきりにするというような場合は、その子はお子さん自身なのかもしれません。
担任教師やクラブ活動の顧問から様子を聞く、仲の良い親がいればその親から学校の様子などを聞いてみるなどの努力をしてみてください。

また、実際に昼休みなどに学校に出向いて、体育館の裏や給食室の裏などでいじめられている子がいないか、そういったところにやたらゴミが落ちていないかなどをチェックしてみるのもおすすめです。
授業参観や懇談会や音楽会などの時は、来客用の顔なので普段の学校の顔をみましょう。

最初のうちは調子のよい日もあれば調子が悪い日もあるなどと、症状に波がありますが、その波も次第に小さくなっていくでしょう。

朝寝坊の宵っ張りで昼夜逆転の生活をしていると、怠けているように感じるでしょう。
しかし、起立性調節障害という血圧が上手くコントロールできない病気が隠れているケースも少なくありません。

不登校の3~4割がこの病気が背景にあるといわれています。

午前中はだるそうにしているけど午後からは元気になる、乗り物酔いをしやすい、入浴すると気分が悪くなることがある、顔色が蒼白いなどの症状がある場合は、小児科や内科でこの病気ではないか診察を受けることをおすすめします。

まずはお子さんは怠けているのではなく、身体が辛いのだという事を理解することが何よりも重要です。

起き上がる時は姿勢に気を付けてゆっくりと時間をかけて起き上がることや、水分を多めに摂るようにすること、夕方からでもよいので散歩や軽い運動を行うことをおすすめします。
時には薬物治療が必要なこともあります。焦らずに治療をしましょう。

病気が治っても登校を拒否するときは

ちなみに、病気を改善しても子供が学校へ通いたがらない場合は、別のところに問題があります。
ですが、なぜ子供が学校へ行きたがらないのかを知ることができなkレバ、事態は解決へと進みません。

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