不登校はデメリットだけではない

不登校になってしまった場合には、これからの学業や成績など学習面に関しての不利益ばかりが頭に浮かびがちですが、そのようなマイナス面のイメージを親がいだき続けている状態であると子供のメンタル面に良くない影響を与えてしまうケースも少なくありません。
学校に行けないという事実は、敢えて行かないという選択をしたのだとポジティブに捉えて、それを跳ね返して受け止めることも親に必要な度量ということもできます。

平日の昼間に子供が学校に行かずに家にいるということは、逆に考えると常に親の目の届く場所に子供がいるという安心感につながるという考えもあります。
これは大きなメリットで、危険なことから遠ざけることができること、いじめや体罰などの学校に関係するさまざまなトラブルから子供を守ることができることと考えれば、全面的に不登校が悪いことと言い切れないのではないでしょうか。

学校に行けないということは、多くの問題に直面している状況から一時的に避難するという意味合いもあり、子供自身が自分の身を守るという本能的な行動である場合も多いものです。
そのため親ができることは、いたずらに子供を追い立てて学校へ行くことを迫ることではなく、適切な対処で気持ちを汲んであげることやカウンセリングを勧めてみてはいかがでしょうか。

不登校の期間は自分のペースで学習ができる

学校は年間指導計画に基づいて、それぞれ適切なカリキュラムが編成されています。
学校によっては特色のある授業を導入しており、いわゆる自主編成的な独自のとりくみを実践しているケースもありますが、あくまでも学習指導要領がベースにありますので学習の進度は全国の学校で大きく変わるものではありません。

つまり学校で学習に参加するということは、学校側の計画通りに授業が進み子供が必要に応じて先へ進んだり一度戻って確認したりという自由度が乏しいということになります。
そのため必要な学力を身につけるために学習塾や予備校、通信教育などで保管する必要がありますが、不登校の子供の場合には「自分のペースで学習できる」という多くなアドバンテージがあります。
この点もメリットと捉える事ができるのではないでしょうか。

午前8時から午後3時までの7時間を学校で過ごす通常の状況と比較すると、その時間を自学自習できる自由を手に入れることができます。
子ども自身が好きな分野についてゆっくりと調べさせたり、理解できるまで何度も試行錯誤をして実力を高めていくという時間の使い方ができるのは、不登校の子供ならではの学習スタイルと言えるでしょう。
状況によっては、学校に通う児童生徒よりも速やかなペースで学力を高めていける可能性も高いです。

社会性が育ちにくいデメリットを自覚する

その一方で学校で育まれるのは、社会性という「生きる力」という側面があります。学校は学習だけに取り組む場ではなく、様々な学校行事(体育的・文化的・儀式的行事等)に多くの人数の中の一人として参加して、どのような立ちふるまいをするべきなのかを自分自身で決めていく経験を提供する場であるとも言えます。

そのため「学校」という施設は、今後の社会生活の中で必要な自主自立の精神を養っていくという大切な教育的価値を有していることは確実です。
不登校の子供は、そのような集団生活に馴染みにくいという困り感を抱えていることが多いものですが、現代社会を生きていく中では必要不可欠なソーシャルスキルトレーニングが学校という場を通して実践的に学べるという観点は忘れてはいけないポイントと言えるでしょう。
不登校の状態が長く続くのであれば、子供の社会性が育って行きにくいというデメリットをしっかりと認識することが必要です。

不登校の子供の社会性を高めていくためには、学校ではない場において適切なソーシャルスキルトレーニングを受けさせることなども考えて行くことがおすすめです。
また徐々に学校生活へ適応していけるように、ゆっくりスモールステップでの「戻り方」をサポートしていくというスタンスも重要と言えます。

デメリットとメリットの両面を認識

不登校の事実を「学校に行けない」という負い目として重荷に感じるのではなく、子供にとってのモラトリアム期間ととらえ、前向きに受け止めていろいろなことに挑戦していくきっかけとすることも良い方策の一つです。
学校行事に参加できないのであれば、同等の経験を家庭で補ってあげるということも考え方の一つでしょう。修学旅行のような行事の代わりに家族で旅行に出かけて見聞を広げてみるということ、学芸会や文化祭の代わりに歌や楽器、ダンスなどを習わせてみることなど、同世代の子どもたちが学校で経験することに近い経験を意識的にさせていくことも効果的です。

もっとも、学校の中という集団で規律ある生活での経験や、お互いに高め合ったり励まし合ったりするという経験などはその他の形で代償とすることには限界があります。
集団で関わり合いを持つことがその後の社会生活の中で活かされるということにも繋がりますので、徐々に学校へ慣れていくという方向へ仕向けていく手段も考えていくことが大切です。

そのように、不登校であることは子供にとってメリットとなっている部分とそうではない部分が必ず存在しているというバランス感覚を認識しておくのも大切です。
集団生活経験の必要性は、社会人としていずれ自活していく場合に必要なスキルで、学校はそれを学ぶことのできる最も基本的な「社会」です。

不登校の長期化はデメリットが大きくなる

不登校の状況が長期化すると、子供にとってのデメリットの部分が大きくなってくると考えられます。
学習面では独学や家族のサポートで同水準を保つことができても、競争心や向上心が生まれにくくなり、困難に直面した場合に逃げ道が常にあることは決して好ましいものとは言えません。
ある程度の緊張感と、周囲との関わり合いを確保することで、自分の実力をより高めていくことができます。その成長の場として最も基本となるのが学校です。

人間関係を良好に保つことができるスキル、かかわり合いの中で自分が何をするべきかを見極められるようなるスキルなど、社会生活を円滑にこなせるようになるための訓練の場としても学校は最適な場所です。
不登校の原因となっている大きなストレス源があるのであれば、まずその部分をしっかりと解決して子供が安心して通えるように環境を整えることが何よりも大切ですが、その手立てはなるべく早めに行うことが良いものです。

もちろん不登校が長期化すると学校に戻りにくくなりますが、カウンセリングのプロが適切に対応することで状況を改善していくこともできます。
豊富な実績を有している不登校専門のカウンセラーに相談するという方法もありますので、学校に戻れる時期を子供とともに見極めていくことが不可欠です。

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子供の不登校は、原因がはっきりとしている場合ばかりではありません。
子供自身が自分で説明がつかないということもあり、親がどんなに理由を聞き出そうとしてもはっきりとしない場合も多いものです。
その場合には不登校はデメリットばかりではないと一旦割り切り、子供の現状としっかりと向き合いながら落ち着いた状態で解決方法を見出していきましょう。

その手助けとなるのが不登校セラピーです。
さまざま事例を豊富に取り扱っており、子ども一人ひとりに合わせたカウンセリングや両親へのアドバイスなども織り交ぜながら、登校再開に向けてのサポートが受けられます。
子供に掛ける言葉や態度などの解決事例に裏打ちされた技術があれば、自信を取り戻させて再登校につなげることも可能です。
電話やメールでの相談も可能なカウンセリングもありますので、ぜひ一度問い合わせてみてください。
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