登校拒否は突然に見えても前兆がある

ある日突然子供が学校に行きたがらなくなったら、誰だって驚いてしまうことでしょう。
今まで特に問題なく毎朝学校に通っていたのに、一体どうしたのかと思いがちですが、実際には登校拒否を訴え始めるまでには前兆があることがほとんどです。
それは日常生活の中のほんの些細なことであることもあれば、明らかにおかしいと感じるような行動をすることもあり、個人の差は激しいものです。
登校拒否にいたる原因にもよりますが、今までできていた着替えや食事にもたつくようになったり、ぼんやりすることが多くなったりといった例もあります。感情の起伏が激しくなるような場合もあるでしょう。
それらはなんらかの原因があって引き起こされているもので、結果として「学校に行きたくない」「家から出たくない」といった主張に繋がります。

子供が学校に行きたくないと主張を始めたら、まず最近何か様子がおかしいことはなかったかどうかを思い返してみるとよいです。どんな些細なことでも構いません。
それは、子供にとって信頼のおける親に気づいてほしかったサインでもあります。
このサインを見逃さずに、気づいた時に対応してあげることができれば、登校拒否を訴える前に抱えている問題を解決してあげられるかもしれません。

子供の学校に行きたくないという主張は親にとって頭の痛い問題でもありますが、子供にとっても発言するのにとても勇気のいることであり、精神的な負担となります。
それは教育に熱心に取り組む環境で育った子供であればより顕著にあらわれます。
子供がつらい精神的負担を抱え込んでしまう前に、前兆に気付いてあげることが大切です。

休ませることも視野に入れる

実際に「学校に行きたくない」と訴える子供を無理にでも学校にいかせるべきか、という問題に関しては難しいところです。
一日でも休ませるとクセがついてしまうのでは、と考える方もいることでしょう。
また、実際に勉強にも遅れが出ます。これらのような理由から、子供の主張を無視して多少無理をさせてでも登校させてしまいがちです。
この登校拒否の主張が本当に一時的なものならばそれでもよいのですが、実際に学校に行きたくないと主張するまでに、子供は長い期間を要していることがほとんどです。
そこで無理に学校に行かせようとすると、学校に行きたくない要因に「親に自分の主張を聞いてもらえなかった」という意識までが加わってしまいます。

子供は親が思っている以上に親を信じています。
その親に大切なことを話した時に聞き入れられなかったら、抱えている問題を解消する術がありません。
一時しのぎで学校に行かせるのではなく、これから気持ちよく学校に行けるように問題を取り除いてあげる必要があります。
どうしても学校に行きたくないと子供が主張するようでしたら、少しお休みをさせて家でゆっくりと過ごさせてあげるのもひとつの手です。
その間に、様子を観察したり話を聞いてみたりして原因を探りましょう。

もちろん、登校させながらそれができるようであればそれでもかまいません。
しかし、ゆっくりとした休養や、親とともに過ごす時間が問題解決を早めることがある可能性があることも念頭に置いておかなければなりません。
無理に学校に行くことを勧める行為は、より一層学校への苦手意識を強めてしまうこともあるのです。

原因として考えられることは多数ある

登校拒否の理由になる問題はひとつではないことがほとんどです。
さまざまな要因や環境などが複雑に絡み合って、登校拒否を引き起こします。
いじめや人間関係のトラブルなどが代表的な例です。
大人でも職場の人間関係でストレスを抱え、先輩や上司からの小言で頭を悩ませます。
それと同じことが学校でも起こっているとしたら、それは子供にとって大変つらいことでしょう。

また、勉強についていけない、発達の遅れなどが原因になることもあります。
他の子ができているのに、自分だけ同じようにできなければ、焦りや不安といった感情が出てくるのも当然です。
他人の目が気になってしまい、集団で行動することに抵抗を感じるようになる場合もあります。
これは教育に熱心な方針の学校やご家庭であればあるほど、その傾向が出やすいと言えるでしょう。
まだ世間の常識も身に付かない年齢のうちから他人と比べられたり競争させられることで、自身を評価する意識を失ってしまい、その結果として強制的に集団行動を強いられる学校に行きたくないという思考に至るのです。

その他には、身辺でなにか大きな環境の変化などが起こった場合、しばらく経った後に無気力状態になって学校に行きたがらなくなることがあります。
ケースとしては少ないですが、両親の離婚や死別、引っ越しやペットロスなどがこれに該当します。
これは時間が解決してくれることがほとんどですが、どのようなことが原因であるか、子供がどういう心境であるのかは理解しておく必要はあります。
どのようなことが原因であったとしても、その原因を探って把握しておくことは解決の糸口に繋がるといえるでしょう。

不登校の子供にどう接するべきか

不登校の子供を持つ方は、早く学校に復帰させたいという思いからあれこれと小言を言ってしまったり、子供に理由を問い詰めたりしてしまいがちです。
しかし、不登校の際に家で過ごす時間は休養である必要があるため、学校や登校をあまりに意識させるような行動は逆効果に繋がりやすいです。
親が自分を早く学校に行かせたがっていると意識すると、子供はますます自身の殻に閉じこもって意思の主張ができなくなっていく可能性があります。
不登校の原因を探ることは大切ですが、それはあくまでも子供がゆっくりと休養できる範囲の中で行うべきことであり、最優先ではありません。

また、不登校の子供は「本来行かなくてはいけない学校に行っていない自分」に罪悪感を感じていることも多いです。
学校に行けば学校の問題があり、家にいれば罪悪感から心が休まらないといったケースはよくあります。
これを防ぐためには、家は安全であり親や家族は味方であるというアピールをしてあげることが効果的です。
本人が望むようであれば、興味のある習い事やフリースクールなど通わせるのもよいでしょう。
毎週この曜日には用事がある、といった習慣を作ることで規則正しい生活環境に導くきっかけを作ることができます。
もし定期的に外出するような習慣が身に付いたならば、学校への復帰の足掛かりとなることもあり、学校と家以外にも居場所があることの安心感から、心持ちにも変化が現れるはずです。
ただし、これも子供の負担になるようであれば意味がありません。本人が望んでやっていることなのか、強要してしまっていないか、しっかりと経過を観察したうえで行動させる必要があります。

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子供の登校拒否にはさまざまな原因があります。
そのどれもが簡単には解決できないような問題ばかりです。
世間体や、しっかり子育てをしなくてはならないという責任感から親は焦ってしまいがちですが、登校を拒否するほどに疲弊してしまった子供には時に休息も必要です。
集団での行動は大人でもストレスを感じてしまうほどですから、子供の心に負担がないはずがありません。
大人は過去の経験からその問題を自ら解決する術を持ちますが、子供はその経験が浅く、大人がうまく手助けをしてあげる必要があるのです。
無理やり登校させたり、主張を無視するのではなく、適度の休みを取らせながら問題と向き合い、焦らずに解決する方法を模索していくことが大切といえます。

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