スマホは今や生活に欠かせない存在に

スマホは分からないことをインターネットで調べたり電話もかけられる便利なツールですが、使い方を誤れば依存症にもなり兼ねません。
しかし、その取り扱いは難しく文部科学省においても小中学校では原則として教室への持ち込みは禁止していましたが、近年になって懸念が広がる天変地異による災害時などの緊急連絡のために必要だとしてルールを決めた上で教室への持ち込みを許可する方向で検討が始まっています。

その一方でゲーム依存症と関連してスマホが手放せなくなってしまったり、ソーシャルネットワークにより個人情報が知られてしまい事件に巻き込まれた例もあります。
もしも学校の決まりで完全に禁止されているならば、それを理由に使用を止めさせることも不可能ではありませんが、文部科学省ですら結論が出ていない現在、多くの親御さんも頭を悩ませているところです。

不登校になっている子供が睡眠時間を削ったり人との対話を疎かにしてまでスマホに夢中になっているのは決して良い状態ではなく、早い段階で解決したいところですが無理に取り上げてしまうのも後々禍根を残してしまう場合があるほか、余計に反発をしてのめり込むのであれば意味がありません。
ここは焦る気持ちを抑えて一旦立ち止まり、子供のことを思うからこそ冷静に原因と対策を考えたいところです。

なぜスマホゲームを止められないのか

子供がスマホに夢中になるのを止めさせるには、まずはその原因を探らなければなりません。
最も多い原因がゲームで、ヒーローになって平和を取り戻す楽しい世界を簡単に手放すことはできません。
家庭用のテレビゲームとスマホゲームとの大きな違いは、ついつい続きが見たくなるストーリーにクリアできない悔しさを味あわされ、その後に見事にクリアできた成功体験を得られるという構成で、心が揺さぶられるところにあります。

スマホゲームの多くは長時間継続してプレイさせたり、課金をさせることを目的に小さなハードルを設けてクリアさせ、次にはクリアするのが難しいハードルを与えてさらにそれを越えて次に進みたいと思わせる計算され尽くした構成になっています。
また、オンライン対戦の協力プレイが必要なゲームでは、決まった日時にゲーム内で知り合ったメンバーが集合し、もしも1人でも欠けたらギリギリで倒せないというゲームバランスになっています。
倒すことができれば珍しいレアアイテムや強い武器などがもらえますが、期間限定で提供されているため必ず期限までにクリアしなければなりません。

ここで自分が親に言われて参加するのを止めてしまったら、他のメンバーに迷惑をかけてしまうだけではなく、その良いアイテムを入手しなければ次のプレイが厳しくなるため何としてもプレイして勝利しなければならないと追い込まれます。
このようにスマホゲームでは、なかなか止められない仕掛けがいくつも組み込まれています。

返事を止められないソーシャルネットワーク

ソーシャルネットワークは世界中の見ず知らずのさまざまな価値観を持つ人々と出会ってコミュニケーションを図り自身の見聞を広げられたり、ここでの出会いをきっかけに信頼できるお友達を作ったりビジネスパートナーを見つけてベンチャー企業を立ち上げるなどの好例がある一方で、一度はまってしまうとなかなか止められないことも少なくありません。

多くのソーシャルネットワークでは相手からのメッセージを受け取ったにも関わらず返事をしないとそれが明示されるようになっており、たとえ悪気が無かったとしても無視していると取られてしまい兼ねません。
それを恐れて多くのユーザーは会話をなかなか止めることができず、何度もスマホを確認して新しいメッセージは届いていないか、無視をした状態になってはいないか気になってしまいます。

特に不登校の場合は人との交流が不足してしまいがちですが、その一方でソーシャルネットワークでは匿名でお互いの素性をあまり詮索しないライトな感覚のコミュニケーションを求めるユーザーが多いことから、ここでは本音で話をできる友達を見つけているケースもあります。
この友達の関係すら途絶えてしまったら、心を通わせることができる相手を一切失ってしまうことを恐れてのめり込んでしまうことがあります。
しかし、それはあくまでもバーチャルな世界の関係に過ぎず、実生活の友達ではありません。

のめり込むのを止めさせる

スマホゲームやソーシャルネットワークにのめり込むのを止めさせるには、それがバーチャルな存在でありいつか終りを迎えることを伝えることです。
スマホゲームは大ヒットするものはごく一部で、その多くは1年から2年程度でサービスが終了する厳しい世界です。

家庭用ゲーム機であれば大切に保存しておけばデータは恒久的に残りますが、スマホゲームではサービスが終了すればユーザーのデーターも全て廃棄され、冒険をしたデータやこれまで集めていたアイテムは二度と手に入らなくなってしまいます。
この虚しさを実感しすると、プレイし続けることの意味に迷い、途端につまらなくなってしまうことがあります。
一方のソーシャルネットで出会った友人は、本当の友人ではないということを伝えます。

言葉だけのやりとりしかできない友人は、一緒にどこかへ出かけたり共に学んだりと言った実体験を共有することは不可能です。
本当の友人ならばすぐに返事ができなくても、もしかしたら体調が悪かったのか、学校や他の用事が忙しかったのかなどを察してくれます。
しかし、ソーシャルネットワークの友人は常に返事をすることを求め、それに応じることがなければ離れて行ってしまいます。
このような関係から、真の友人関係や絆が生まれることはありません。

子供からスマホを取り上げるべきか

スマホゲームやソーシャルネットワークの問題点を話してのめり込むのを止めてもらったら、次の段階は取り上げるか否かを判断する時が来ます。
冒頭に上げたように文部科学省でも緊急連絡の重要性からルールを決めて教室に持ち込むことを検討しているほか、将来的には仕事でも必須になることが考えられることから、全く使い方が分からない状態になるのも困ります。

まずはチャレンジしたいのが、ルールを作ってその範囲内だけで使わせるという方法です。
ゲームの時間は1日1時間、ソーシャルネットワークを確認して返事をするのは1日5回のみにするなどして徐々に減らして行きます。
途中で止めるのには相手がある場合には勇気のいることですが、その時には親から止められているからと話しても構わないと伝えます。
理由無く止めるとなぜなのかと問われて返答に窮することもありますが、親から止められているという言い訳ができれば正当に止める理由を安心して言える場合もあり能動的に止めることができます。

子供からスマホを取り上げるには、これらのルールを破ることがあってからでも遅くはありません。
ただし、それは永久的なことではなく一定期間の反省があれば再び使える余地を残しておきます。
ここであまりにも締め付けてしまえば反発を買い、他の問題が発生する可能性もあります。

◇  ◇  ◇

スマホは大人でも依存症になる人が急増している中で、子供に一切関わらせないようにするのは無理な話ですが、それでも子供のために真剣に考えなければなりません。
そのためにはまずは親の側がそこに何が存在しているのかを知り、適切な対応を行うことが大切です。

スマホゲームにはなかなか止めさせないような楽しい仕掛けが何重にも用意されているほか、ソーシャルネットワークでは無視をしたと思われたくないために素早く返事を投稿しなければならないなど、常に強迫観念の中に置かれています。
しかし、早くその状態から解放させたい一方で、無理に引き離してしまえば軋轢を生んでしまうことにもなり兼ねません。
まずはじっくり話し合ってルールを決め、それを破れば取り上げるといったソフトランディングを考えることが大切です。

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