家庭で家族の会話をしていますか

登校拒否になる原因は様々で一概に愛情不足と決め付けることが出来ないですが、親の愛情も実は大きく影響しています。
お子様を登校拒否から脱するのを手伝うには、親が出来ることもあります。
まずは家族の会話がしっかりとされているかどうかです。
最近では共働きという家庭も多く、子供に構っていられる時間は限られているかもしれません。
そうなった場合にうまくコミュニケーションを取れる余裕がないと、必要な連絡事項だけを伝えたり無駄なく指示を与えたりという機械的な会話だけになってしまいがちです。

そういった会話は子供から普段の生活について話してもらう機会や気力を奪ってしまうことに繋がります。
子供は十分な表現力を持っていないため、要領よく自分の考えや悩みを話すことは難しいです。
その時に親がしっかりと耳を傾けて聞いてあげずに、早々に結論付けようとしたり否定的な発言をしてしまうと子供にとっては不信感に繋がります。
一度不信感を持ってしまうと、何かあったときに親に話してみようという気持ちにはなれないのです。

またもともと会話が少ない家庭だと、悩みを抱えている時にも話し出すきっかけを失ってしまい、なかなか打ち明けられずに一人で抱え込む辛い時間を過ごしているかもしれません。
家の外で居場所がないと感じるようなイジメなどがある場合に、家の中でも居場所を見つけられず孤独を感じてしまったら状況はさらに悪化します。
そのような孤独感を感じる時間は長くなればなるほど、親も含め誰にも自分の心は理解されないと殻に閉じこもり、引きこもりの引金にもなり得るでしょう。

お子様の姿をしっかり見ていますか

親はお腹の中にいる時から我が子を知っていて子供が小さい時には付きっ切りでお世話をし、生活の全てを教え導いている経験から子供はいつまでも幼いままだと勘違いしてしまいがちです。
そういった認識になると、子供がある程度大きくなっても自分の言いなりになると思い込み、これはこうすべきだなどと上から話を推し進めてしまう傾向にあります。


しかし子供は学校に通い始めると外の世界を知り、知らないところで知識や経験を得ていますので、親が思う以上に子供は成長しています。
親の分身ではなくひとりの人間として自分と違う生き物になっていることを認識して、いつまでも子供扱いする事なくしっかりと我が子の成長に目を向けてください。
彼等には自分なりの主張があり、それを子供だからという理由で否定したり押さえつけてしまうと大人に反発心を抱いてしまいます。
言い分を聞いてひとつの考え方として尊重した上で、もしそれを否定する意見を伝えるなら論理的に説明することが大事です。
理屈で説明されれば理解出来る事も、頭ごなしに親側の意見を押し付けては逆効果になります。


また、子供がどんなことに興味があり何を考えているのか、普段からよく観察したり話をして理解に努めてください。
趣味などもこれをやるべきと意見を通すのではなく、何が楽しいと思う中ややる気を持って取り組めるのかなど、その子の気持ちや状態に合わせて話をします。
我が子が自ら興味のある事や面白いと感じていることを話してくれた時には、話してくれて嬉しいという感情を表現したり話すのが楽しくなるような質問をすると、良いコミュニケーションを取りやすくなります。

過保護になるのも問題です

親がしっかりと愛情を注いで子供と会話をしたり観察したりする事も大事ですが、過保護になってしまうと良くないです。
少しハードルが高く難しい挑戦をさせるなど、困難に向き合う耐性をつける事も非常に大事です。
様々なストレスを対処したり嫌な事を乗り越えたりする経験から、成長し心も体もたくましく強くなっていくものですので、親が横から全て手助けをしたりそういった状況にならないように先回りして回避するのは子供のためになりません。


生きていれば必ず何かしらの壁にぶち当たり、それと向き合ったり乗り越えたりしなければならない時が必ず来ます。
その時に親だったり周りの人がその困難に気が付いて手を差し伸べてあげられるとは必ずしも限らないので、それを一人で戦う強さを日常から身に付けていかねばなりません。


そのためには少し高いレベルの挑戦が必要です。
習い事や勉強など興味を持てることが良いと思いますが、何かに合格しようとか試合で勝とうとか目標を持って達成する習慣をつけてあげると良いでしょう。
そして大事なのは、その目標を達成した時の褒め方です。
合格した事や試合に勝った事がすごいとか偉いという言い方をしてしまうと、手段を選ばずに極端に言えばずるいことや卑怯な手を使ってもいいから達成して褒められようという気持ちになってしまうかもしれません。
それに達成出来ないと親に嫌われるのではないかと不安にさせてしまうことにも繋がります。


そうならないためには、困難に向き合った事実や努力をした忍耐の強さだったり、好きなことにとことん取り組む姿勢や嫌な事があっても簡単に逃げない強さだったりに敬意を示して褒めると良いです。

要求レベルが高すぎませんか

親には欲目もあり、自分の子供には立派に育ってもらいたいとか文武両道になってほしいなどと願ってしまうものです。
もちろん我が子の可能性を信じて応援し、心強い後ろ盾となるのは非常にありがたい状況だと思うのですが、期待が高すぎるとプレッシャーが強くかかり良くないストレスを与えてしまうでしょう。


例えばテストの点数は何点でないといけないとか誰よりも一番上手くないといけないとかそういった条件を持ち出して頑張らせたり、それをクリア出来ればご褒美をあげるといったモチベーション管理をしているのであれば危険です。
クリア出来ない事が悪い事だと思うと挑戦が怖くなり、二の足を踏んだり強烈なストレスから精神的なダメージを受けやすくなります。


親が手をかけて育ててくれていると受け取っていれば、良くも悪くも子供は親を喜ばせないとというプレッシャーや責任を自然と感じているものです。
応援しているという気持ちを伝えるだけで充分子供のやる気に繋がりますし、それ以上の圧力はかけなくとも子供にもプライドがあるので達成しようと自分なりに努力をするはずですから温かく見守ってあげてください。


いつも優等生でなんでも出来る子ほど、期待値が上がりやすく出来て当たり前というプレッシャーに潰されてそうになるものです。
優秀な子ほど、勉強やスポーツなどが出来なくても愛される存在であることを普段から意識的に伝えると心が穏やかにほぐれてつまらない緊張感から解放されるでしょう。
失敗した時はなおさらケアが必要です。
そんな素振りを見せなかったとしても、親が思う以上に一番落ち込んでいますので、愛情表現をしてあげてください。

◇  ◇  ◇

子供が登校拒否から抜け出すためには、親の関わり方も重要になります。
親と悩みを共有したり抱えている不安を打ち明けたりできる関係性は、普段の会話などから構築される信頼関係が大事です。
子供扱いし過ぎずに主張を聞いたりたわいもない話を普段からするよう心掛けて、忙しさなどを言い訳にせずしっかりと向き合って話をしてください。


また親は子を守るだけでなく、子供自身がプレッシャーと戦う力を身に付けられるようにその環境を作ってあげる事が大事です。
一人で乗り越えられる強く折れない心を持つためには、習い事などで少し高い目標に向かって頑張る習慣があると良いです。
しかしいつも要求レベルが高いと心が疲れてしまいますので、頑張らなくても愛される存在だと安心できるよう愛情表現をしてください。

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