みなさんは自分軸と他人軸という言葉を聞いて、どう感じますか?

それぞれたった3文字ですが、直感的に「自分軸がいいこと、他人軸は良くないこと」という印象がありますよね。

他人軸と同じ意味で、私が良く使うのが、社会基準という言葉です。

不登校の親御様の子育ては、社会基準がベースとなっています。

・社会でいかに役に立つ人間になれるか。
・社会でいかに他人を得させる人間になれるか。
・社会の常識の枠にいかにはまるか。
・社会のモラルをいかに守るか。
・社会的に見て、いかに立派な人だと思われるか。

こういった基準で、子育てをしてこられた方が大半ですよね。

皆さんは、とても大事なことにお気づきでしょうか?

これはすべて他人軸と全く同じです。

つまり、これが原因で、お子さんは不登校になってしまっているのです。

 

自分軸に変えると、不登校が解決する!?

今日はあるお母さんのお話をカンタンにご紹介します。

このお母さんは社会基準から、自分基準に子育てを変えたことで、娘さんがとても精神的に改善しました。

その娘さんは大学生です。

この娘さんは、今、課題が出され、家で何とか取り組んでいます。

「お母さん、手伝って。」
こういうふうに娘さんは、よくお母さんに言っています。

すると、お母さんは、私から学んだとおり、こんなふうに即答をします。
「わかった。手伝うよ。」

 

この娘さんは、そのまま課題に取り組むと思いきや、スマホを見だして、1時間、2時間たつこともよくあります。

そんな状況で、このお母さんは、昔なら怒っていましたが、今では、「この子にはこの子の時間がある。」と思え、怒りが出てこなくなったそうです。

そうこうしているうちに、娘さんは、自ら課題に取り掛かり始めるそうです。

 

実際、娘さんの課題はなかなか進みません。

このお母さんは、今は共感的な寄り添い方をして、じっくりと腰を据えて、娘さんに関わり続けています。

(ところが今はかなり早く動けるようになってきているようです。それは共感の対応をしたからです。)

 

最近、お母さんはこんなふうに気づき、私に報告してくれました。

「昔だったら、この子はこんな場面でパニックを起こして、大暴れでした。
そして、私もそれをこらえきれずに応戦していました。
そんなことが、今、気づいたら、ほとんどなくなっていました。

講座に参加した時は、学校に安定に行ければというのが目標でした。
いつの間にか、気づいたら、目標はクリアしていました。

今の関わりは、まるで小学生の夏休みの宿題を一緒にやってあげるお母さんみたいだなあと、ちょっと思ってしまいました。

それが講座で学んだように、子供を離そう(子供から離れよう)とするのではなくて、母親が使える時間で、娘と付き合っていき、徐々に娘が1人で出来るようになればいい。

昔の子育ては、自立して、1人で出来るようになることで、私はそう育てられました。

ただ、これから大切になってくるのは、人と関わって生きていけることだなあ。」

 

このようにお母さんは、しみじみと感じられたそうです。

そして、今はもう1つの課題をクリアすべく、お母さんは日々、共感に励んでおられます。

さて、今のお話の中で、思い切り社会基準が言葉として現れています。

それはどこだったか気づきましたか?

 

答えはここです。

「昔の子育ては、自立して、1人で出来るようになること。」

これが思い切り社会が求める基準です。

 

そして、この社会基準をクリアする子を育てることは、他人基準をクリアするとも言えます。

この社会基準でジャッジすることをこのお母さんは捨てました。

他人基準を捨て、自分基準にしたんです。

自分基準とは子供基準でもあります。

子供の時間、行動様式、言動、これらを大きな器で受け入れ、親の方から合わせてあげること、これが自分基準です。

 

「社会が何を言おうが、他人が何を言おうが関係ない。私は子供に合わせます。」

こんなふうに言えることが、社会基準を捨てることです。

社会基準を捨てると、不思議なことに、ちゃんと子供は社会に適応するように動きます。

だから不登校も解決します。

 

不登校の解決の大きな鍵は、お母さん、あなたが自分をがんじがらめに縛っていた社会基準、ここから解放され、自分基準を手に入れることです。

これは私が口を酸っぱくして、ずっと言っていることです。

見ていると、多くのお母さんにとっては、怖くて、捨てられないもののようですね。

特に不登校の親御様にとっては、価値観の全否定にも等しいと感じられますよね。

 

自分の価値観を否定するのが、いかに辛くて苦しいのか。
これは想像に難くありません。

そして、幸せというのは、今まで怖くて踏み出せなかった世界に踏み出すことによって、手にはいるものなのです。

辛いこと、苦しいことを無理やり歯を食いしばってするよりは、怖くて捨てられなかったものを捨てる。これから1歩が始まる。

そんな気が私にはします。

つまり、不登校の親御様が捨てるべき、物事とは社会基準であり、他人基準です。

 

よくある不登校の間違った対応とは!?

子供が不登校、あるいは状態が悪いと、必ずと言っていいほど、ありがたい方たちがありがたいお言葉をかけてくださいます。

「ゲームをやめさせた方がいいじゃないか。」
「iPadを制限した方がいいんじゃないか。」
「なんとか1日1回、日の光を浴びせた方がいいんじゃないのか。」
「将来このままだとダメになる。」

こんなことを子供に言い聞かせたことがいいんじゃないのか。

 

不登校の親御様であれば、みんなこれを言われたことがありますよね。
そのたびに、新井の言っていることと、正反対だけど、ゲームを取り上げた方がいいのかなと思ってしまいますよね。

なぜ、そう思ってしまうのか?

それはお母さん、あなたに自分軸がないからです。

自分軸がないと、他人から社会基準を押しつけられた時、社会基準もクリアできないような子を育てる自分はダメ親だと自分で、自分に入らぬジャッチをくだしてしまうんです。

 

それを避けるために、子供に向かって、「あなたはこの社会基準をクリアしなさい。しないと一生ニートだよ。」という言葉をかけます。

そして、だいたいこのような言葉をかけられたお子さんはその後、引きこもりになります。

親の自分軸がガタガタだから、軸がガタガタな親が、子供の自分軸を育てることはできません。

 

そして、先ほどのお母さんの話にあったように、子育ての目的の1つは自立、つまり「自分で身の回りのことができて、自力で食っていけることだ。」ということが大きな目的だと思われています。

そのこと自体は間違いじゃないんじゃないのと思われる方もいらっしゃいますよね。

さて、これに対して、私はこう申し上げます。

それは間違いです。

 

正しく、普遍的な子育ての目的は何なのか?

子供の自分軸をしなやかに、かつ強固に育て上げ、何があっても折れないようにすることです。

つまり自己肯定感を高めて、世に送り出してあげることです。
これが子育ての目的です。

この目的を果たした結果として、自立がついてきます。

 

みなさん、この目的を取り違えてしまい、今、苦しい目をしていませんか?
また、すごく痛い目を見たとお感じの方も多いでしょう。

目的を取り違えるのも、もちろんみなさんが悪いわけではありません。

みなさんの祖父母様も目的を取り違えていたからです。

だから今こそ、正しい目的をあなたの心のど真ん中に据えてください。

 

自分軸と他人軸クイズ「ゲームとスマホ」

前回のクイズには10名の方からのご回答がありました。嬉しい限りです。

ぱぱさん

「ゲーム脳が悪い。成績が下がると悪い。」のは、親の希望の反映であり、親のブレに子供がイライラする。まさしくその通りです。

だいたい大人は子供の成績が上がる、下がるにものすごく振り回されますよね。
そして「お母さんは私を見ず、他人の価値観を見ている。」これもその通りです。

他人軸や社会基準に振り回される人は見るものが、ずれているなあと私も常々感じます。

 

マサルさん

「大人の価値観では、スマホやゲームは人生に無用、しかし子供にとってはそうではない。」その通りです。

何を無用と考え、何を有用と考えるのか、ここに思い切り、他人基準が反映します。

無駄と考えるものが多ければ多いほど、あなたは他人軸に侵されていると考えてくださって結構です。

 

ちわわさん

「子供は親に信じてもらえていない。」この解釈もいいですね。

みなさん自身がこのお子さんの立場になれば、同じように感じますよね。
「自分はお母さんから信じられていない。」

 

ゆきさん

「他人軸でブレブレな母親。」
ゆきさんは、かなり自分軸を持ち始めたかなあという印象です。

お母さんは心配しているという言葉は、言わないほうがいいでしょうね。

 

Hardyさん

ゲーム規制条例は香川県ですね。これをお読みの方で香川県の方はいると思いますが、どうですか?

ビシバシ規制していますか?

「他人軸は判断を人任せ。」このお言葉はとても大事ですね。
結局、自分の判断に自信がないから人の軸に寄っ掛かるんですね。

すべての判断とそれによって起こることの結果は、すべて私にある。
どんな批判も受け入れるという腹が据わっていないと、自分軸がガタガタになります。

この腹のすわらせ方も、いずれまたメルマガでしましょうね。

 

ともさん

子供にブレを指摘されていたということですね。

自分軸のなさの根底はお母さん自身の不安です。

お母さん自身の不安とは、自分の判断が失敗を招いたら、お前はダメなやつだと思われる不安です。

ともさん自身も、まだまだこの不安が湧いてくるようですね。

 

みーやママさん

「禁止、取り上げるなんて、昭和だ。」
まさしくそうですね。昭和の子育てをそのまま受け継いでいます。

「勉強に邁進する子供を見たら、お母さんが満たされる。」という鋭いご指摘です。
ただそれで本当に満たされるかというと違う。

満たされるものを完全に見誤っているということですよね。よくわかります。

 

まーちゃんさん

このお言葉も概ねその通りです。
子供を完全、無条件に信頼にすることは、愛着関係を作る上で重要な条件になります。

子供を信頼できない親は、自分を信頼していません。
自分軸がないからです。

まーちゃんさんはどこまで信じきれるのでしょうか。

 

田絵さん

「これからの時代、親の自分軸がしっかりしていないと子供は振り回される。」
まさしくそうですね。

よく考えてみてください。

・コロナ以前は学校へ行くことが当たり前でした。
・コロナ中は学校へ行ってはいけないとまで言われました。
・コロナ後はどうなるのか、誰にもわかりません。

 

私はふと、疑問に思います。

コロナ中、社会基準でガチガチな親御様は、学校を休むことをどう思っていたのだろうか?

昔は、人を斬り殺してもいい時代もありました。
今は斬り殺してはいけない時代です。

昔は読み書きそろばんさえできれば、それ以上の学問はいらないという時代がありました。

今は学校へ行って、高い学歴をおさめるのが当たり前になりました。
つまり絶対、普遍の社会基準などありません。

社会基準自体、常にブレています。

昔は朝、早く起きて、しんどい思いをして出勤するのが当たり前、今は少し余裕を持って家で仕事をするのが当たり前です。

誠に基準というのはばかばかしいものです。

 

ケイトさん

さすが、ベテランの回答ですね。
非常に的確にポイントを押さえて、皆さんも是非参考になさってください。

なんども言って恐縮ですが、他人基準も社会基準もどうせ10年後にはまた書き換わっていますよ。

そんなものに振り回される自分でありたいですか?
我が子が振り回される子になってほしいですか?

これからの時代は自分軸がないと、ますます苦しくなっていくでしょう。

それを私と一緒に育ててみませんか。

いずれまたこのチャンスについて、皆さんにお話することがあります。それを楽しみにしてください。

 

自分軸と他人軸クイズ「いい顔をするお母さん」

あるお母さんは、いつも人にいい顔をします。

その理由は、自分の意見を言ったことで、人が不快になるのが怖いからです。
そして自分の意見を言うことで、揉め事が起きるのが怖いからです。

これを専門用語で回避性と言います。

つまり、嫌われ不安のことです。

人から嫌われないために、常に愛想よくしています。

 

この性質を持ったお母さんが、子育てをすると、子供はどんなことになるでしょうか?
そして不登校にはどういう影響があるでしょうか?

自分軸と他人軸という視点でお考えて、ブログにあなたの考えを、6/22(月)13時までにコメントください。

来週6/24(水)に私が考える自分軸と他人軸の考えをお答えします。

ぜひ、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。