こんにちは、不登校セラピーと子供自信協会の新井てるかずです。
私が個人カウンセリングをしていて常々思うことは、不登校のお子さんのご家庭では、表面的に何をしたか、してないかという機能的な話ばかりだなということです。
子供や家族の深い情緒に触れたり、そこを聞いてみるということがない家庭がほとんどだとよく感じます。
不登校のお子さんの不安は何かというと究極的にはたった2つです。
・人と良いコミュニケーションができないんじゃないか。
・人と良い関係構築ができないんじゃないか。
このコミュニケーションも関係構築もほぼ表裏一体といっていいものです。
本当の不安はたった1つ、コミュニケーションと言ってもいいかもしれません。
人との良い関係というのは親御様との関係を反映したものですので、親御様と良いコミュニケーションができないという不安を表しています。
先ほどの何をするか、しないのかという機能的な話を親御様がお子さんとしていると、この不安がお子さんに生まれてしまうのです。
だからこそ、状況を改善するために親御様がやるべきことは、今までの親子のコミュニケーションを大転換して、情緒的なコミュニケーションを親子でしていくことです。
親御様がお子さんと情緒的なコミュニケーションができるようになれば、不登校は100%解決しますので、魔法ことばベーシック講座のホンモノ共感の練習でも主眼として行っています。
実際、講座の中では、何度も何度もお子さんの情緒に共感するという練習をしますが、2024年の新年あけてすぐの練習では、共感しながら質問して話を深めることをテーマとして行いました。
相手の深い気持ちと心の交流を起こすという練習での参加者さんの感想の一部をご紹介します。
「深く聞いてもらう事によって、自分で思い巡らすだけでは気が付かなかった事に気付く事が出来ました。アドバイスしてもらった訳ではありませんが話しながら熟考できた感じ。これが家族間でできる事が課題です。難しいです。」
「話し手がどんな気持ちかに集中すること、聞ききることなどの大切さがわかりました。
また、練習会の中で、自分は親を嫌いだけど、嫌いなことに罪悪感があって、本当は好きになりたかったことも気付き、それって、不登校の子に私が感じてる気持ちと同じだなと思いました。
どこか条件つきでしか愛せない自分がいるんだと思いました。」
「今日の共感練習では、主人が洗ってくれたお皿の裏が油でベトベトでイライラしてしまい、主人が皿洗いしてくれた事への感謝ではなく、マイナスの事が目に行く事を話そうと思ってました。
ですが、共感者からは、子供の時に厳しく言われていたのですか?と突然子供時代の事を聞かれ、驚きながらも思い出しながら答えました。
私は子供の時は怒られた事はあまりなく、社会人になって苦労しました。会社では機能的な事をこなすことで評価されるので、機能的な中で最良と思う事を家の中でもしていました。
なのでマイナスな事を改善する事が大切だと、以前は感じてしまっていたんだと思います。
会社での評価を家庭に持ち込んでました。将来苦労しないようにとしていたとしても、子供の気持ちに寄り添う事をせず、気持ちを削っていたんだと思います。と改めて話す事になりました。
質問の仕方で、気持ちが整理出来、自身から思っていなかった答えが出てくる事を体験出来ました。」
「共感と質問の練習の中で、私と父の関係は良好ではない、という話をしたのですが、話したり質問されているうちに、もし私が子供のころに父が情緒や共感を知っていたら、今、こんなにお互いがしんどい関係になることはなかっただろうと想像しました。
私が過去に子供に与えた威圧が消えるかは分かりませんが、どのくらい時間がかかっても、共感しあえる家族になる、子供が心から安心を感じる親になることが親子の幸せだと思いました。」
「今日深く会話を聞く練習をして、聞いて頂き心がすっかり明るく楽しくなりました。また、皆さんのお話を聴きながら、私は、家族の思いを聞かず自分のいいたい事ばかり言っていたと気が付きました。深い気持ちを聞く事が出来る関係に戻りたいです。」
「共感する為には、相手の情緒的な言葉に気づくために集中して聴き、話の内容を覚えている事がまず大事。感情に焦点をあてて話をちゃんと聴いていると質問の的もずれにくいのではないかと思うが、どんな質問をしたらいいのか思い浮かばない、いつ質問したらいいかわからないことがあった。
それは、自分が子供の頃に情緒的な質問をされることが少なかったからだと思う。
会話の中で、間違ってもいいので質問してみる。「あなたの気持ちが知りたい」というマインドを大事にする。
講座で自分の情緒を話すのは勇気がいるなと思っていたが、話しているうちに自分の気持ちが整理できた。
話した後の感想を言い合っているうちに質問力を高めるために、普段から自分の感情に「どうしてそう思ったの?」と質問していこうという話になった。
自分の感情から何を感じ、どうしてその感情が湧くのか深掘りすることで、子供への質問力も高まっていくのではないかと考えた。」
「感情を出しても共感されなかった事で、自分が感情を出すまでの価値がないと思っている自分に気が付きました。
共感してもらうことで、自分の価値が見いだせるなら、子どものマイナスな話もアドバイスなどせずにただ共感して質問して寄り添ってみます。」
おそらくこの参加者の声をみると、先ほど言ったようにご家庭の中でこういった親子のコミュニケーションをしてこなかった方がほとんどだと思います。
こういう練習を積み重ねていくと、親御様はこの2つをしっかり実感された方が多かったです。
・親御様ご自身がどんなコミュニケーションの家庭で育ってきたのか
・自分が子供とどんなコミュニケーションをとってきて、いかに情緒面の共感が欠けていたのか
ここで大事なポイントが3つあります。
・深い情緒の交流を起こすこと
・親御様が感じている表面的な感情のもっと奥深いところの感情を知りたいというマインドをもつこと
・その思いを分かち合いたいというマインドで望むこと
たとえ相手が何かネガティブな感情を言ったとしても、それをどうすれば解決するかなどとは一切、考える必要はありません。
大事なことは解決ではありません。
大事なことは、深い情緒の交流を起こすことで、情緒の交流ができるようになると自然に問題が解決していきます。
実際、親御様が子供との間で深い情緒の交流ができるようになると、子供の行動も自然に変化し、不登校も自然に解決していきます。
しかし、そのために必要となる共感して質問することは、おそらく多くの親御様が質問することを難しく感じると思います。
実際に年始の参加者さんの練習をみてみると、こんな場面がいくつか散見されました。
・聞き手の方がすぐに解決のための質問をしてしまう
・話し手の方が自分のネガティブな問題点を話しているのにだんだんそこから話がずれていってしまう
・聞き手の方が自分の言いたいことをいつのまにかしゃべり続けてしまう
・聞き手の方が話し手の方のネガティブさを「おかしい。そんなふうに感じなくてもいいんじゃないですか。」と正そうとしてしまう
こういったコミュニケーションは、共感して質問することで情緒的な深い交流をすることを頭でわかっているだけではダメで、実践ではなかなか正しくできていないという例だと思います。
これをなおしていくには、正しいやり方を実際に体得している人にみてもらいながら、何度も何度も修正してもらう実践練習を繰り返していくほかありません。
特に共感力も質問力もかなり練習が必要です。
そして練習をこなしていくうちに自分の中の価値観や思い込み、スイッチなどの存在に気づいたり、自分は「親とこんなコミュニケーションをしたことなかったなあ。いつも機能的な話ばかりで、解決ばかりされていたなあ。ちゃんと話を聞いてもらったことがないなあ。」などと初めて気づきます。
この問題をしっかりと認識し、1つ1つ解決していかなければ、子供と深い情緒の交流を起こすことはなかなか難しいです。
ただ一旦、深い情緒の交流をすることができれば、子供の行動は実際にどんどんと変化していき、問題点は解決しようとせずとも自然に解決していきます。
今共感を学ばれている方々、共感にチャレンジしようと思っている方はご家庭の中で情緒の交流を常に意識してみてください。
ホンモノ共感クイズ「初売り」
前回のホンモノ共感クイズには2名の方から回答いただきました。ありがとうございます。
2人とも子供の困りごとをよく聞けていますね。
「iPhone2台あった方がなぜいいのか?」
「なぜ2台ないと困るのか?」
こういったところをお子さんの情緒に焦点をあてて聞くことで、ここでも情緒の交流を起こすことができます。
実際このお子さんはiPhone2台とiPad1台でYouTubeを見ながら、ゲームの攻略サイトを見ながら、X(ツイッター)を見ながらと目まぐるしくやっていました。
こういったことで何か満たされる感じがあるというのは私も経験があり、よくわかります。
「推しのキャラが出てくるゲームをよりよく攻略したい。それについての情報も集めたい。」こんな気持ちは子供であれば持っていても当然ですよね。
もしあなたのお子さんがスマホの2台持ちを希望したら、ぜひ心よく応じて、先ほど言ったような深い情緒の交流を起こしてあげてください。
こういった小さなことでの共感の積み重ねが子供の行動の変化を自然と引き起こしていきます。
ホンモノ共感クイズ「地震」
今年は正月に石川県で大きな地震が起きて、多くの方が被災されました。
それに伴い羽田空港で悲しい事故も起き、亡くなられた方のご冥福を慎んでお祈り申し上げます。
今回のクイズでは、あなたが石川県に住んでいて、家屋が倒壊するほどの被害はありませんでしたが、余震が続いているので、車の中で日中いることも多いとします。
お子さんは不登校ではありませんが、何かあると不安をあらわにすることが多いため、地震ですっかり不安になった娘さんはあなたにべったりくっつき離れようとしません。
何かあるとあなたの顔を覗き込み、あなたが見ようとするスマホを覗きこみ、「地震関連のニュースはみないで!不安になるから・・・。」と言ってきます。
こんな娘さんにどんな共感の言葉をかけてあげると安らぐでしょうか?
あなたが考えるホンモノ共感の言葉がけを1/15(月)18時までにブログにコメントしてください。
来週1/17(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉がけをお伝えしますので、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。