Nちゃんはクラスで無視され、裏切られ、そこから不登校に。

母上はNちゃんがひどい体調不良と対人不安で苦しむも、何も解決できずどうしてあげれば良いのかわかりませんでした。

そこで、わらをもつかむ思いで不登校セラピーにNちゃんとともに訪れたのです・・・

1. Nちゃんが不登校になった経緯

Nちゃんの不登校の根本は、「自分が嫌い」にあった。

自分が大嫌いで、極端に自己肯定感が低かったNちゃんは、中学に入ってスクールカーストの罠に落ちる。

カーストで階級が上がっていくことが、まるで人から愛されることのように感じたのだ。

しかし上がったところで階級が上の連中からいじめを受け、不登校に。つまり、いじめが本当の原因ではない。

 

ではなぜNちゃんは自分が嫌いだったのか?

Nちゃん母は父の実家に嫁入り。

父方祖母は極端に歪んだ人間。Nちゃん母に向かって
「おまえに息子を奪われた母親の気持ちがわかるか!」
「子供が生まれたらおまえは時々だっこしに来れば良い、それ以外は近づくな。」
と叫ぶような人。

こうして母とNちゃんは引き離された。日常生活はほぼ別々にされ、時々お風呂に入ったり一緒に寝たりした程度らしい。

Nちゃんの幼少期の記憶には、母は「父と父方祖母にいじめられ泣いている姿」「Nちゃんがおなかがすいたときにご飯を作ってくれている姿」の2つで登場するのみ。

 

Nちゃんが、自分のことが嫌いだった本当の理由は、
「ママがあたしと距離を取るのは、あたしのことを嫌いだから。」
こういう無意識の解釈がNちゃんに生まれたからであった。

そしてNちゃんが小2の時に両親が離婚、母がNちゃんのそばにいられるようになった。

しかし即「母は自分のことが嫌い」という解釈が消えるわけではなく、むしろ悪い状態のまま中学に入る。

 

見た目も頭も良かったNちゃんは、スクールカーストの中に浸かり、階級を上がっていく。

階級が上がるのはチヤホヤされ、自分が上という意識を持つことでもあり、自分が嫌いなNちゃんにとって「まるで人から愛されているような感覚」だったらしい。

しかしカーストの上は下の人をいじめないといけない。ここでNちゃんは「そんなこと自分にはできない」と葛藤する。

そこからカーストが上の人たちとうまくいかなくなり、Nちゃんがいじめを受けるようになり、一気に対人恐怖とストレス性の身体症状が現れ、不登校に。

この一連の流れが不登校解決の鍵を握っていた。

2. 不登校の解決のカギ「禁止令の解除」

さらにカギはもう一つあった。それが「禁止令」(○○してはいけない、○○であってはならない)という、自力では破れない心の法律。

代表的な禁止令は以下のようなモノがある。
・人に合わせなければならない(人と違うことをしてはならない)
・人に迷惑をかけてはならない
・自分の本当の気持ちを表に出してはならない
・楽しんではいけない
・人を不快にさせてはならない
・良い子でなければならない

*不快とは、怒らせる、悲しませる、嘆かせる、泣かせる、あきれさせる、など。すべてのマイナスの感情が対象。
*良い子の定義は人それぞれ。例えば「迷惑かけない」「ワガママ言わない」「人(集団)に合わせる」など。

☆幼少期のエピソードの記憶からメッセージを抽出

食パンを食べていただけで「食べ物で遊んでいた」と、わけのわからない怒られ方をした。
「あなたは何もかももっとまじめに真剣に間違いなくしなければならない」「失敗せず完璧に」

何もしていないのに、父に部屋に閉じ込められた。
「自分は不都合な存在、自分を隠さなければならない」

猫が2階へ行ってしまい、自力で降りられず。祖母はNちゃんのせいにし、父から叱られる。
「あなたは祖母を困らせる悪い子だ」

→「変だ」「変わってる」と言われることがイヤだった。
「自分の個性を隠さなきゃいけない」
「違う自分にならなくちゃいけない」
「好きなモノは隠さなきゃいけない」
「ムリして人に合わせて、仲間にならなきゃいけない」

Nちゃんは両親の離婚後、母方実家の近くに住むようになる。
母方の実家の方々は良い人達だが、余計なことをNちゃんによく吹き込んでいた。
「あなたの行儀が悪いとママが困るでしょ」
「あなたが悪いとママのせいになるんだよ」

いとこの子の悪行三昧で異議を申し立てると
「Nは根性が悪い」

これらによって
「(ママのために)良い子でいなければならない」
「怒ってはいけない、周りの人に迷惑をかけてはいけない」

☆1番古いモノから解除

→「私は間違い失敗してもいい。
人前でふざけてもいい。
何でもまじめに真剣にやらなくていい。
どんな私であっても、私は価値ある人間で愛される人間だ」

☆2番目

→「私は存在してもいい。
自分を隠さず、表に出してもいい。
他人と関わってもいい。
私は堂々と生きていく、価値ある人間です。」

☆3番目

→「他人と違ってもいい。
自分の個性を隠さなくてもいい。
変わってるのはいいことだ。
ムリして人に合わせなくてもいい。
私は素の自分のままでいい。
人の目は気にしなくていい。」

☆4番目

→「良い子でなくていい。
悪い子でもいい。
もう、誰にも従わなくていい。
失敗しても自分の価値は変わらない。
失敗も間違いも、貴重な経験、恥ずかしくない。」

☆5番目

→「私はもう良い子でなくていい。
私は悪い子でもいい。
誰にも合わせず、従わず、一匹オオカミでもいい。
相手が受け入れてくれなくても、自分には関係がない。
これは相手の問題。
相手の感じ方はもう気にしなくてもいい。
人に迷惑かけてもいい。」

☆6番目

→「感情を出してもいい。
人に向けてもいい。
人が不快になるとか、迷惑をかけるとか、もう気にするのはやめよう。
ズーズーしく生きてもいい。
遠慮もしなくていい。
こんな私も価値ある人間です。」

⇒再登校事例をさらに確認するにはこちら