子供の心に踏み込むのが怖い!?

先日、第9期魔法ことばベーシック講座のライトコースの参加者で質問練習を行いました。

第9期で感じたことと、第3期の大阪で開催した時に共通する点がありました。

そして私の頭の中では、とても印象に残ったことがあります。

それあるお母さんの話です。

 

お母さん

「娘は私に気を使っています。家の中では当たり障りのない会話で普通に会話はあるんです。

別に衝突もしないし、当たり障りのないところなら、私も共感できます。

ところが深い会話は一切、ありません。

なんとなく娘の方が遠慮しているような感じがします。」

 

新井

「お母さんの方から深く踏み込むようなことはしないのですか?」

 

お母さん

「そう言われてみると、全然していませんね。」

 

新井

「なぜしないんですか?」

 

お母さん

「怖いんです。私は怖いんだと思います。娘から心に踏み込むことが拒否されるんじゃないかって怖いんです。」

 

この時、聞いた話は私の心に深く残っています。

実は、不登校の子供と情緒的な深い対話をしたことがないという親御様が、ほとんどです。

この話をすると、こんなふうによく言われます。

「いや、子供の方が拒否する。」

 

必ず全員とは言いませんが、機能的な会話なら、いくらでもできるのに、情緒的な会話は難しいのは、何かおかしいと感じませんか?

お母さんたちの練習を見ていると、子供の話を深く掘っていくことができない。このことを怖く感じているなあと実感しました。

 

不登校の親御様によくありがちな核心に触れない会話!?

今回の第9期の練習でも、子供の心を深く掘っていく会話ができないことが現れていました。

話し手さんと聞き手さんに別れて、練習をするのですが、話し手さんはほとんどのケースで核心を表す言葉を発しています。

なのに聞き手さんは、なぜかそこを避けて、違うところを聞こうとするのです。

 

いつまでたっても核心に触れようとしないか。

核心に触れても全然、深めようとしないかのどちらかです。

 

あっという間に時間が過ぎていく、そんな場面を見てきました。

他人同士でこれなら、おそらく家族では、もっと薄っぺらい会話になるでしょう。

 

共感とは、心と心のふれあいです。

親の方から一歩、踏み込んで子供の心に触れるのです。

一歩、踏み込むことが怖いお母さんがほとんどなのです。

 

例えば、こんな会話例を見て、どう感じますか?

お母さんA

「息子がゲームをしていると、どうしても共感できないのです。」

 

お母さんB

「その時、息子さんはどんなゲームをしていたんですか?」

 

お母さんA

「これこれこんなゲームです。」

 

お母さんB

「そのゲームって、いつ買ったんですか?」

 

お母さんA

「1ヶ月前です。」

 

お母さんB

「そのゲームをやっていておもしろいですか?」

 

例えばこんな会話が繰り広げられます。

これが典型的な不登校の親御様がやっている薄ぺらい会話です。

共感できないという最大のポイントを最初に提示してくれるのに、そこを避けて、いつもウロウロしているだけなのです。これではダメなんです。

 

心に触れる、深める質問とは?!

深める質問とはどんなものなのか?その一例をお伝えします。

 

お母さんA

「子供がゲームをやると、共感できないんです。」

 

お母さんB

「そうですか。じゃあ、なぜ共感できないんですか?」

 

お母さんA

「そのゲームって、ゾンビを撃ち殺すやつで、子供も時々絶叫しますし、そうすると私無理なんです。」

 

お母さんB

「ああ、そういうゲームなんですね。ゾンビを撃ち殺すのとか、絶叫するやつって、なぜ共感できないのですか?」

 

例えば、こう聞くのが深める会話です。

周辺情報を一切、触れるなとはもちろん言いません。

しかし、どんなゲームなのかは、あくまでもサブの情報で、大事なところはお母さんAの心です。

 

「心の中で、どんな不安や葛藤、恐怖が生まれて、共感できなくなるのか。」これが最大のポイントです。

これをズケズケと図々しく、堂々と聞くのです。

 

これがちゃんと聞ける人は、それ以外のところでは相手に対して、良い距離の取り方ができるし、理由もなくイライラしたりしません。

こういうふうに聞いてもらえることを子供自身も望んでいます。

 

あなたがもし誰かに「私、つらいです。苦しいです。」と訴えたらどうでしょうか?

相手の人が「ああ、そうですか。」で終わったらどう思いますか?

 

なんかもうちょっと聞いてくれよと思いませんか?

これが大事なんです。

人とコミュニケーションをとる中で、お互いのことをよく分かり合えること、共感し合えること、それが必要なのです。

 

残念ながら皆さん自身が、自分の親とこのような会話をしたことがないので、他人に対してもうまくできないのでしょう。

それが皆さんが深めることがうまくいかない最大の理由です。

 

その理由はひとまず置いておいて、共感と深める質問は、不登校を解決する2大のテクニックと言っていいです。

これができれば、子供の心に深くリーチして共感することも、さらに掘り下げることも簡単にできるようになります。

これができるようになるには、当然、かなりの実践練習が必要です。

 

だからこそ家の中で、今までと同じ会話を繰り返さないでください。

繰り返している限り、共感も質問もうまくなりません。

 

ここでみなさんにポイントをお教えしますね。

例えば、さっきのお母さんAになら、「なぜ怖いと思うのか?」をズバリと直球で聞くことです。

つまり、相手の感情や価値観が出たところに対して、すかさず突っ込んでいくことなのです。

これが唯一にして、最大のポイントです。

 

単純ですが、単純なだけになかなか難しい部分があるポイントです。

そこをなんどもなんども練習で身につけていってください。

 

ホンモノ共感クイズ「鉛筆で刺したい」

前回のクイズに5名の方から回答をいただきました。ありがとうございます。

 

たけさん

2行目までは良かったのですが、最後の一言は良くないです。

「でも、悪くなってしまうよ。」これは余計です。

こうやって子供を抑える言葉を出さなくても、ホンモノ共感のみで子供が自然に鎮まっていきます。それが共感の美しい形です。

 

みーやママさん

こんなふうにお母さんに対応してもらえたら、どんな子も安心ですよね。

「刺してやる。」という攻撃的な気持ちが徐々に徐々に薄れていくでしょう。

 

ぱぱさん

子供の思いと事情にフォーカスを当てていて、しっかりと向き合って聞く姿勢がとてもいいですね。

 

マサルさん

お子さんが「本気で言っているとは思わない。」これはとても鋭い視線です。

確かにそうかもしれません。

そういうふうに考えるならば、この子の言っていることは、「俺こんなに腹たっているんだよ。聞いてくれよ。」というアピールかもしれません。

とてもいい視点です。

 

たかさん

子供に共感であり、同調し、さらに共鳴といってもいいレベルにいっています。これも素晴らしい感覚です。

 

さて、私だったら、まず最初にこんなふうに踏み込んで聞いてみます。

「おお、そうか刺してやりたいか。刺して、どんなふうにしたい?」

 

そこまで聞いた後、恨みの本質に深く踏み込んでいきます。

「そんなに恨んでいるのか、それは刺したくなるよな。

確かお父さんが聞いた話だと、あの時、ああいうことあったんだっけ。」

こんなふうに丁寧に子供の記憶をトレースしていく話をしていきます。

 

こういう話をすると、お読みの方の中には「火に油を注ぐのではないか?」と懸念されるかたもいます。

その懸念もよくわかるのですが、実際はそんなことにはありません。

おそらくご経験があるかもしれませんが、子供の火は親が躍起になって消そうとすればするほど、燃えさかります。

子供の火の鎮火の方法は、ただ1つ、親の子供へのホンモノ共感なのです。

 

ホンモノ共感クイズ「息子の髪」

あなたのお子さんは引きこもりだとします。

中学生の引きこもりの息子さんで1年以上、外に出ていません。

風呂にも入りませんし、髪も切りません。髪はすでに肩まで伸びています。

明らかに似合っていませんし、息子さんも伸びた髪を多少めんどくさがっている感じも見受けられます。

 

あなたは息子の髪を切りたくて、切りたくてしょうがありません。

しかし当然、髪を切ろうとすると子供は反発します。

 

髪の毛を切るために、あなたはどのように子供にホンモノ共感の言葉をかければいいでしょうか?

 

お子さんの気持ちを考えて、それに寄り添うホンモノ共感の言葉を11/9(月)17:00までにブログコメントください。

来週11/11(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉をお答えします。

 

ぜひ、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。