先日、魔法ことばベーシック講座の参加者さんの個人カウンセリングをしていると、こんな声をいただきました。
「我が子は学校に行っていたときに、女子グループの心のない悪口をきいてから不登校になりました。今でもそのトラウマが消えていません。」
「うちの子は外にでるのを嫌がっています。人と話す自信がないようです。」
「うちの子は外にでることはできますが、外にでると『不審者だと思われないか。』と常に不安になっています。お店に中に入ることはできるのですが、人とすれ違ったりすると、とっさにその人を避けたりします。」
あなたも同じようなことを我が子に感じたことがありませんか?
このような子供の言動の原因には、実は人間不信があります。
人間不信とは、こんな思い込みです。
「人は口で言うことと、腹の中で思っていることが違う。口ではいくら良いことを言っていても、腹の中では黒いことを考えている。
人は相手のために考えているようにみせて、実は相手のことなんて考えていない。100%純粋に本気で腹の底から相手のことを思って、行動する人はいない。」
こういった思い込みについて、あなたはどう感じますか?
実際、人を怖がっていたり、人との会話を避けたりする子の個人カウンセリングを直接しているときに「人間不信のような感覚がありますか?」と聞くと、ほぼ全員が「ある」と答えています。
・自分は普通にしていても、人から不審者とおもわれるんじゃないか?
・何かの面接に行ったら、ものすごく厳しいことを言われるんじゃないか?
・腹の中でまた悪口を言われるんじゃないか?
・自分と話しているときに相手は楽しそうにしていても、本当は楽しくないんじゃないか?
こういった実際に起きたことがないし、言われたこともないような不安がわいてくるのです。
親御様の中にはこんなふうに思われる方もいるかもしれません。
「実際に何年か前に学校でそういったことがあったとしても、もうすでに何年もたっていて、なぜそのトラウマを引きずっているのか?」
「今の環境ではそんな人はいないのに、なぜそれを恐れているのか?」
実は、子供がトラウマを引きずっていたり、恐れがある原因は、子供に人間不信があるからです。
ではなぜ、このような人間不信が生まれてしまったのか?
実際のところ、子供に人間不信を生み出す原因は大きく2つに分かれます。
- 親御様が腹の底から本気で共感していないこと
- 親御様が子供の情緒に興味・関心が薄いこと
例えば、ある成人の引きこもりのMくんはこんなことを言いました。
「弟の言葉を疑います。弟が僕に何かを言ったときに悪意をもっているんじゃないか。心の底から言っていないんじゃないかと疑ってすごく疲れて、わからないまま終わってしまいます。
家族に対しても人間不信があります。両親の言葉も信じられません。
父のことは苦手です。母は自分が好きなことを話していても、自分に興味をもってきいてくれていないんじゃないかと思うことが度々あります。
自分がわざわざ母が興味をもちそうなことを選んで話しても、よく『それってどういうこと?』と聞き返されます。
聞き返されるたびに僕は『これは僕に興味がないから理解が遅いんじゃないか。』と思ってしまいます。」
また別の不登校の子はこう言いました。
「昔、母に冷たい態度をとられることがときどきありました。
今はあまりありませんが、そのときのことを思い出すと、自分が話しても人は楽しくないんじゃないかと疑ってしまいます。」
このように人間不信の奥底には、親御様の共感の欠如があります。
つまり、親御様が腹の底から純粋に子供のことだけを思って共感する力が足りていないことと、子供が何を伝えようとしているかに対しての興味・関心が薄いのです。
もしあなたのお子さんが外出しなかったり、外出はできるけれども人との交流ができなかったり、人との交流ができるものの深い会話ができなかったりする状態だとしたら、こういった人間不信が裏に隠れている可能性が高いです。
では、この人間不信はどうすれば解決できるのでしょうか?
実はお子さんの人間不信を解決するには、2つの方法があります。
1つ目の方法は親御様が現在のお子さんとの関わり方を見直して、「腹の底から共感できているか?興味・関心が薄いと思われるようなところはないか?」をチェックして、それらを変えていくことです。
もう1つの方法はお子さんに直接、人間不信的な感覚があるかどうかを聞いて、その原因となっている親御様の接し方や言葉がけを変えていくことです。
お子さんに先ほどの人間不信の説明をして、そういった感覚があるかどうか?親御様とのどんな関わりや接し方で人間不信の感覚を感じているのか?
これらをお子さんに聞けばいいでしょう。
実際に私が長期で開催している魔法ことばベーシック講座の参加で、この人間不信をこの2つの方法のどちらかでなおすことで、子供が再登校できるようになったという例は多数あります。
・お子さんが興味を持っていることに親御様も興味をもつこと
・お子さんが話してきたら、腹の底から100%純粋に深く共感すること
この2つが子供の人間不信を根本から解決するための実践的な改善ポイントなのです。
逆にいうと、お子さんの人間不信を改善しないと、外に出れるかもしれませんが、人とのコミュニケーションが難しいという状態のまま、不登校の改善がとまってしまう危険性が高くあります。
このメルマガをご覧いただいている方々は日々、それぞれ共感をがんばろうとなさっているかと思いますので、ぜひもうひと頑張りしてみてください。
なお私が現在開催している魔法ことばベーシック講座では人間不信を1つの解決のターゲットとして取り上げ、お子さんの改善に寄与するように講座を組みたてています。参加されている方はぜひ楽しみにお待ちください。
ホンモノ共感クイズ「傷」
前回のホンモノ共感クイズには5名の方から回答いただきました。ありがとうございます。
どなたもお子さんの不安に寄り添っていていいご回答だと思います。またどなたもお子さんに気持ちを聞く質問を投げかけているのもいいポイントです。
人間のストレスは、実は肌に出ることが多くあります。肌に出るストレスの多くはかゆみです。頭や顔、腕、足などが、ストレスでかゆくなるのです。
実際、私が個人カウンセリングをしている最中にお母さんがちょっときつい言葉をだしたとたん、体を掻き出す不登校の子を何人もみたことがあります。
前回のホンモノ共感クイズでは、お母さんに見られて「しまった。」という表情をする子でした。お母さんに知られること自体がストレスなのかもしれません。
実際、親御様は我が子が自傷行為に近いことをやっているのを見た途端、表情が変わり、不快なものを感じる方がほとんどかもしれません。
こんなときだからこそ、親御様は情緒をゆらさず、ホンモノ共感で深く子供のストレスに共感する必要があるのです。
また我が子の自傷行為を見て、子供が心配なことや不安なことに触れようとするかもしれません。
この場合、気をつけていただきたいのが、ひょっとしたら「このストレスをお母さんに話したら、お母さんの機嫌が悪くなるかもしれない。」と子供が思っているということです。
もしそうであるならば、親御様は決して、不快にならず、ただ寄り添うように優しく共感することが必要なのです。
こんなふうに子供の気持ちに合わせた共感ができるようになると、今日お伝えした人間不信の改善にもつながります。
ホンモノ共感クイズ「受験」
あなたのお子さんは中学3年生で、学校へは行けているものとします。ですが、不安が強く、心配性なところがあります。
お子さんの志望校は偏差値55ぐらいが望ましいとされているところですが、お子さんの偏差値は50に到達するかしないかのとこです。
志望校の受験者数と合格者数の実績をみると、おそらくなんとか受かるだろうという範囲ですが、お子さんは不安ばかりを口にします。
とはいうものの、お子さんは不安なわりには、家で勉強するかというと、勉強は全く手に付かず、やろうとしません。
こんなときあなたならどんな質問をしてどんなホンモノ共感の言葉をなげかけますか?
あなたが考えるホンモノ共感の言葉がけを11/21(月)10:00までにブログにコメントしてください。
来週11/23(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉がけをお伝えしますので、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。