先日、魔法ことばベーシック講座の15期のライトコースの6回目の講義を行いました。

いよいよ大詰めで、講義の中では、親と子の劣等感をどのように解除するかについてのシンプルな方法と考え方についてお話ししました。

 

この劣等感というものは、何度もお伝えしていますが、非常にやっかいなものです。

なぜなら、子供に劣等感が生まれると、努力や行動を突然止めてしまい、子供は不登校や引きこもりになりやすくなってしまうからです。

そして親御様ご自身も劣等感をもっていると、子供に興味・関心がもてなかったり、共感できなかったり、笑顔になれなかったりするので、子供への接し方の重要なポイントができなくなります。

 

例えば、私が個人カウンセリングしていたある男子高校生は「人に共感してあげたいのにできない。」という悩みをもっていました。

なぜ、この子は人に共感したいのにできないのか?

この原因を探っていくと、「自分は優しくないし、わがままだし、自由奔放で周りに迷惑をかける存在だから。」という劣等感がでてきました。

この劣等感のために「こんな自分が共感したところで周りにいい影響を与えるはずがない。」と無意識のうちに思い込み、共感ができなくなっていたのです。

 

この劣等感は本当に彼がそんな子だからではありません。

幼稚園の頃に彼はちょっとやんちゃでした。

そのやんちゃな行動に対して、お母さんが困った顔をして、対応しているのを見て、「自分の行動は母を困らせる。悪いことをしている。」と自分で自分に劣等感を植え付けてしまったからです。

 

私は個人カウンセリングでこの劣等感を丁寧に丁寧に引き出していって、解除していきました。

すると彼の行動が個人カウンセリングの直後にいきなり変わりました。

学校に対しても友達との遊びに対しても、いきなりアクティブになり、友達に共感できないという悩みや人間関係の悩みをそれ以降、口にすることがなくなりました。

 

この彼のように劣等感を解除することによって、いきなり行動が変わる事例はとても多いです。

私はこういった事例を通じて、いかに劣等感がよくない影響を人間に与えるかというのをまざまざと見てきました。

だからこそ、ここで一度、時間をとって考えていただきたいのは、あなたのお子さんとあなた自身です。

あなたのお子さんは何か劣等感のようなものをもっていないでしょうか?実際に口にしたことはないでしょうか?

もしあるならば、その劣等感が間違いなく努力や行動をとめて、不登校の原因になっています。

 

そして親御様自身も、劣等感をもっていないでしょうか?

もしあるならば、その劣等感も間違いなく子供とのコミュニケーションに気づかぬうちに悪い影響として現れているはずです。

不登校を解決するためには、この劣等感をできるだけ早く、解除する必要があります。

 

だからこそ、ライトコースの6回目の講義では親御様の劣等感をどのようにシンプルに解除するかの具体例と手順をお伝えし、皆さんに劣等感の解除にチャレンジしてもらいました。

皆さん、ご自身の劣等感の解除にチャレンジするのは初めてだったので、難しいと感じた方もいらっしゃるようですが、その重要性や効果の大きさは多くの方が実感してくれました。

そこで講義のご感想をいただいた方の中から、いくつかご紹介します。

「今日もためになる講義をありがとうございました。

今日の講義での劣等感の具体的な事例が自分や我が子の劣等感(我が子の劣等感は想像ですが…)に重なるところがとても多くて自分もそう感じていたな…嫌だったな…我が子もそう感じて辛いのかも…と新井先生の説明を聞きながら勝手に涙が流れてしまいました。

毎回毎回泣きたくないのに涙が出てしまい、涙が出るのは感情を閉じ込めてきたからだと教えていただきそれなら仕方ないとも思えるのですが、すぐ泣いてしまうことに劣等感を感じているのかも…とも今振り返り思いました。」

「自分の劣等感の書き出しはやりたくないなと思いながら取り組み始めましたが、考え始めるといろいろと溢れてきました。

自分のせいかどうかという問いにはうまく結びつけれないものもありましたが、祖母との関連を考えるとほとんどが結びつき驚きました。

親に対してそんな思いを持ってはいけない、という観念ではっきり認識するのを避けていましたが、私は母が苦手です。距離を取っておきたい人です。

母は毒親でもなく、衣食の面倒は見てくれましたし母なりの愛情表現で大切にしてくれたとも思います。

でもなぜそう思っているのか、もう少し時間をかけて遡って奥深い気持ちと対話してみようと思います。

また講義中に先生がおっしゃった親に劣等感があると子どもに同じ思いをさせないように先回り、過干渉になる事、親に想定外のことをされた積み重ねで自分に起こる想定外の事にブレるというお話がとても腑に落ちました。

2回目の講義後くらいから、講義を受けることがとても苦しくなりました。

講義中に出てくる事例が自分に当てはまるように思い、なんてひどいことをしてきたんだろう、自分が親じゃなかったら娘はこうならなかった、知らなかったではすまない、とこの夏は自分を責めるループにはまってしまいました。

講義内容の問題ではなく、私の個人的性格の受け止めの問題です。

講義中ずっと責め続けられているようで、画面に映っている皆さんの前向きさについていけない疎外感を感じていました。

正直今日の講義を出ようか迷いましたが、自分の劣等感とそれが祖母からの連鎖であることに気づき、そこを深めていきたいと思え、出てよかったと思います。

講義資料などを読み直してホンモノ共感を自分に染み込ませたいと思います。今日もありがとうございました。」

「以前にも言われていたことかもしれませんが、改めて大切だなと思ったことは、子どもは劣等感があると一歩が踏み出せないということです。

そして、その劣等感は親が共感していないために生じること。また、親が困った顔をすることで自分のせいと思い自分は悪い子だという劣等感を持つようになるということでした。

うちの息子も、私が怒ったり不機嫌な顔になると、自分のせいだと思い、ごめんなさいと謝っていました。今でも、まだそんなことがあります。

また、親に劣等感があると子どもの良い行動を自分の勲章のように思ったり、自分と同じような思いをさせまいと先回りしたり、成功体験を味わわせたいと考えたりするということを学びました。

私も、同じような思いで育ててきたなと思いました。

子どもが親を困らせる悪い子だと思わないように、常に笑顔で共感したいと思いました。そのためには、自分の劣等感を解除したいと思いました。

親自身に劣等感があると、子供にそこを補わせようとしてしまう、頑張らせようとしてしまうと聞いて驚きました。

確かにそれはあるかもしれないと思いながらも無意識なので、今はどの行動・言動がそれなのかわかりません。

自分の劣等感を深掘りして早急に突き止めて、解除していくことが重要だと学びました。

まず自分の劣等感の根源を突き止め、解除していこうと思います。

子供の行動や言動で感情が動いた時にそれが現れやすいようなので、自分を客観的に見てセルフ共感していきます。」

「前回から自分について深く考える時間があり、普段の生活のなかでは取れない時間という感じがすごくし有意義に感じました。

シンプル解除をしてみて改めて自分のことを知り、自分がしてきた子育てを考えてみたり、最近の子供との会話がまさしくこれだったな!と思えることがあり驚きました。

今日学んだことでまだできていないことがあるので、自分を見つめる時間をとり深めていきたいと思います。」

「劣等感のシンプル解除の手順を聞き、とても興味深く、心理学の面白さを感じました。

意図しないまま、いつの間にか埋め込まれてしまった劣等感が解除できるというのは心強く、進む先を明るく照らしてくれるようなものでした。

子どもだけでなく、自分自身を見つめたいと思いました。」

こんなふうに劣等感はご自身で気づきにくいこともありますが、気づいて解除することができれば、自己肯定感が高まるのでとても大きな効果が得られます。

ぜひあなたもご自身の劣等感に気づいたら、それを改善することを心がけてください。

 

ホンモノ共感クイズ「疲れた」

前回のホンモノ共感クイズには9名の方からご回答をいただきました。ありがとうございます。

短い共感から長めに深掘りした共感まで、さまざまなご回答をいただき、興味深くみさせていただきました。

 

このクイズに出した子は、学校には行っていますが、学校に行くと本当に疲れて帰ってきます。

人間関係の構築も私がお聞きする限り、上手い方ではありません。

人間関係は劣等感を持った子には、とてもしんどいハードルがあります。

皆さんの答えはそれぞれとてもいいと思いますが、できれば何が疲れるのかを深く聞いてあげたいところです。

 

ここで不登校によくある誤解をお伝えします。

みんなに話しかけられて、友達が多くて人気ものだから、学校に行くことは子供にとってプラスじゃないかと思う方もいるかと思いますが、実はそうではないのです。

“人間関係でいろんな張らなくていいアンテナを張って、鋭敏に相手の表情や言葉から読まなくていい情報を読み取り、自分が嫌われないように相手にうまく合わせた会話をする。”

この気疲れが疲れの原因と言っても過言はありません。

この知識をもとに子供に深く共感していただけたら、とても子供の心に響き、少しずつ劣等感は改善されていくでしょう。

 

もし聞くのが難しいと感じたり、心理学的なことがよくわからないと思った方は、とにかく笑顔で温かく共感することを心がけてください。

劣等感の原因は、その大半が親の困った顔や不安の顔、イライラした顔などです。

つまり親御様が常に笑顔で子供に共感していれば、劣等感の原因を断つことができるのです。

 

ホンモノ共感クイズ「おしゃれに興味がない」

あなたのお子さんは成人のニートです。なんとか働きたいと思っていますが、なかなか高いハードルがあるようです。

その子の劣等感の1つが自分がおしゃれに興味がないということでした。

「同年代の子はみんな当たり前におしゃれな格好をしている。けれども自分はおしゃれに興味がない。おしゃれに頑張って興味を持とうと思っても、どうしても持てなかった。

普段着ている服も、Tシャツやジーンズばかりで、地味な格好も多い。こんな自分が外に出て、同年代の子と話すと馬鹿にされるんじゃないか。」

こんな劣等感をもっていました。

 

親御様ご自身はそんなにおしゃれに興味があるわけではありませんが、最低限の格好を気をつけるぐらいの感覚はもちあわせていました。

「その程度でいいんじゃないの。」という話をしましたが、なかなか子供の耳には入りません。

これも劣等感の1つだと思い、あなたは共感してみることにしました。

こんな場合、どんなホンモノ共感の言葉をかければいいでしょうか?

あなたが考えるホンモノ共感の言葉がけを12/4(月)10:00までにブログにコメントしてください。

来週12/6(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉がけをお伝えしますので、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。