「役立たず不安」のさらに深い原因と解決方法とは!?

前回は不登校の真の原因「役立たず不安」について、お話しさせていただきました。

今日は「役立たず不安」のさらに深い原因と、どうやって解決していくかについて、とても有益な話をさせていただきたいと思います。

 

あなたはこんなことをお子さんから言われたことはないでしょうか?

「お母さん、ずれている。俺そんなこと言っていない。話がかみあっていない。」

もしくは、共感したつもりなのにお子さんの反応がなく、黙りこんでしまったことはないでしょうか?

 

これらのお子さんの反応の原因は何なのか?

実はこれらはすべて「思考の先読み」が原因となっています。

人が言っていないこと、相手が言葉に表していないことに対して、「人はこう思っているんじゃないか。」と読み取ってしまい、それに合わせたり、満足させたりするための言葉を言ってしまう。

これが「思考の先読み」です。

 

もし「思考の先読み」が相手の思考と一致していたならば、相手にとって役に立つ人間ということになり、ご自身の「役立たず不安」が緩和されます。

だから多くの親御様が気づかぬうちに「思考の先読み」をして、共感を崩してしまっているのです。

 

例えば、こんな会話が「思考の先読み」です。

子供「今、図書館のカードをもっている。」

母親「あなたは本が読みたいの?」

 

また別の「思考の先読み」の会話例です。

子供「海外ドラマって、おもしろいよね。」

母親「今、ネットでタダで見れるよね。タダだったら、みんな見るよね。」

 

こんな「思考の先読み」の会話をしていませんか?

これらの会話は、子供と同じものをみているようで、実はお母さんの意識は子供のはるか先を突っ走っています。

最初の例でいうと、子供は「本を読みたい。」とは言っていません。そう思っているかどうかすら、わかりません。ただ「図書カードをもっている。」と言っただけです。

それなのに「思考の先読み」をやってしまう方は、相手の言葉に現れない意図を勝手に汲み取ろうとします。そんなものはあるかどうかもわからないのに、汲み取って言葉にしてしまうのです。

そして「あなたはこう思っているんでしょう。じゃあ、お母さんがそれを満足させてあげる。」というふうに望んでもいないものを与えてしまいます。

 

例えば、あなたが街にショッピングにでかけて、高価なカバンのところを見ていたとします。

「このカバンいいね。」と言ったとき、もし一緒にショッピングに出かけた友人が「じゃあ、買いなよ。」と言ったら、どう感じますか?

あなたは「なんか違うよな。」って思いませんか?なぜなら、あなたは欲しいなんて、一言も言っていないからです。

 

実際、ある不登校の親子でこんなやりとりがありました。

お子さんが「冬は寒いから少し分厚い布団がほしい。」と言いました。それを聞いたご家族はかなり高額な豪華な布団を買ってきました。

お子さんは喜んだでしょうか?

いえ、逆でした。

私は「厚めの布団が欲しいと言っただけで、こんな高い物を買って欲しいとは言っていない。」と怒ったのです。

これは、ものを与えることだけに限りません。

 

例えば、こんな例もよく聞きます。

お子さん「ああ、お腹いっぱい。」

「おやつもあるよ。今食べる、後で食べる?」

これもお子さんは「おやつが欲しい。」と言っていないのに、「満腹だ。」と言っているのに、親御様が勝手に意図を汲み取ろうとして、お子さんに嫌な顔をされてしまう典型例です。

 

もし、お子さんから「うん、おやつほしい。お母さん気が利くね。うれしいよ。」と言われたら、役に立ったということになり、相手を満足させ、自分が認められたという感覚になり、親御様自身はずれに気づかず、自分の「役立たず不安」を満たすことができます。

しかしお子さんの方は、自分が発した言葉をそのまま受け取られずに、さらに何かを提示されるということで、「自分の言葉がおかしいんじゃないか。」と感じ、自分のコミュニケーション力に自信を失ってしまうのです。

 

こんなふうに「思考の先読み」をやっていると、共感をしているつもりなのに全く相手に言葉が響かないということが多発します。

共感とは、その場その場で相手を満足させたり、その場その場で相手の問題を解決したりすることではないのです。相手を不快にさせないことでもありません。

これが「思考の先読み」をして、相手の意図を勝手に汲み取り、「こうでしょ。」「ああでしょう。」と言ってしまう典型です。

 

「思考の先読み」はありとあらゆるところに姿を現します。

なぜならば、親御様自身が満たされていないので、人を満たすことで自分の存在価値が上がるという無意識の誤認識があるからです。

ゲームの話をしていようが、勉強の話をしていようが、世間話だろうが、友達の話だろうが、どんなところにも「思考の先読み」が顔を出し、共感を食い物にしてしまいます。

 

この「思考の先読み」のためになんとなくズレた感じが会話の中でなくなり、ピシッとお子さんの気持ちにフォーカスがあったたら、共感がお子さんに大きく響き、かなり早期に不登校の改善があらわれるようになります。

同時に親御様の「役立たず不安」も消え、相手の役に立つことをいわなくていいと思えるようになるのです。

しかしこの「思考の先読み」をやめるということは、実は簡単なようで多くの人にとって、困難な課題になっています。

 

理由は簡単です。

何が「思考の先読み」で、何が共感なのか、ほとんどの方は区別がつかないからです。自覚ができないといってもいいです。

そこでもし、親御様自身が、ここに自分の「思考の先読み」のクセがあるなとか、これを変えていこうとか、また相手の意図を読んでしまったなとか、役に立ついいことを求められていないのに言おうとしたなとか、これを気づき防ぐことができれば、素晴らしいと思いませんか?

それができればお子さんは自信を取り戻し、「役立たず不安」から解放されます。

 

なぜならば、親が「思考の先読み」をしていれば、子供も必ず「思考の先読み」をしているからです。

つまりクラスメイトや友達に対して、先生に対して、相手の意図を読んで、「何かいいことを言わなければ、自分には価値がない。」と思い込んでいるのです。

そして親が「思考の先読み」から解放されると、お子さんも「思考の先読み」から解放されます。

お子さんが「思考の先読み」から解放されれば、すごく自己肯定感が上がって、不登校の解決は目の前になります。

 

実際、私が個人カウンセリングで「思考の先読み」をみなさんにお教えして、「思考の先読み」を丁寧になおしていくことで、多くの不登校を解決してきました。

だからこそ、さらに多くの方に「思考の先読み」をやめて、不登校を解決するための特別なプロジェクトを5月に行うことに決めました。

現在、スケジュールを最終調整中ですので、決まり次第、このメルマガでお伝えします。

 

ホンモノ共感クイズ「俺なんて生きている価値がない」

前回のホンモノ共感クイズには4名の方からご回答いただきました。ありがとうございます。

今回のメルマガでお話ししたように役立たずというのは、「相手の意図を汲み、役にたつことができないダメ人間。」という意味があります。ゴミというのはそういう有用な価値がないものという意味にもなります。

berryさん

ストレートに受け取っておられますが、親御様の気持ちだけではなく、なにか一言お子さんの気持ちに踏み込むことが言えればいいですね。

かのこゆりさん

「どうしてそういうふうに思うの?」と質問できている点はいいですね。多分子供はその理由を深くは話せないでしょうから、話せないならそばにいるというのもいいと思います。

さとねえさん

この共感もいいですね。「ゆっくり休んでいいんだよ。」はお子さんが「休みたい。」といったならばいいのですが、そうでないならば、「思考の先読み」になるかもしれません。

ゆきみさん

そうですね。ゆきみさんの答えもいいですね。まず、なぜそのように感じるのかを聞くというのが一番重要です。ただ聞く、共感する。これができているかいないかで、子供が何をどれだけ話してくれるかが大きく変わってきます。

私ならば、この子の「自分がしたいことしかできない。」というところを捉えて、そういうのは例えば、「自分勝手だとか、人の望むことができていないと思うの?」と聞いてみたいですね。

 

ホンモノ共感クイズ「寒い」

あなたのお子さん、は部屋の中を薄着で過ごしているとします。

しばらく経って、お子さんが「寒い。」と言いました。何度か「寒い。」を繰り返します。

あなたならどのように共感しますか?

 

今回の「思考の先読み」の話を念頭において、深く考えて、3/7(月)17:00までにブログにコメントください。

来週3/9(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉をお伝えしますので、ぜひ、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。