こんにちは不登校セラピーと子供自信協会の新井てるかずです。

最近、さまざまなケースで親御様からこんな声を聞くことがあります。

 

「共感がんばっているんですけれども、子供が動こうとしません。

子供の様子をみていると、ちゃんとできない自分はダメだと思い込んでいたり、なんでもかんでも完璧にやらないといけないと思い込んでいたりするようです。

『そんなことはないよ。完璧じゃなくてもいいよ。』と言っても響かないようです。

親はどう対処するのがいいのでしょうか?」

「共感を頑張っているんだけど、子供が動かない。」という相談はとても多いです。

 

なぜ、共感を頑張っているのに、動かないのか?

その原因の1つにお子さんの「ポジティブ至上主義」があります。

この「ポジティブ至上主義」とは一体、何なのか?

ある不登校の女の子の言葉を借りると、「何かの問題を自分が持っていた場合、その問題を解決し、前に進むこと。努力や成長ができること。」これが「ポジティブ至上主義」です。

多くのお子さんは、「世の中はポジティブ至上主義の人であふれている。社会は「ポジティブ至上主義だ。みんな前向きに頑張れ、頑張れ。」と思い込んでいます。

この考え方が曲者なのです。つまり、「ポジティブ至上主義」の世の中において、こんな劣等感を感じているのです。

「自分はポジティブに前に向けない。問題解決のための努力ができない。努力をしようともしていない。そんな自分は社会から冷たい目にさらされ、悪く思われる。そんなふうに悪く思われる自分は社会において、ダメ人間だ。」

 

では実際にポジティブな人たちから、冷たい目を向けられ、悪く思われた経験が多数あるのか?

実際のところ、ほとんどの不登校の子はそんな経験はありません。あっても軽微なものばかりです。

なのに不登校の子は「社会はポジティブであり、ネガティブから動けない自分はダメな人間だ。」と思い込んでいるのです。

ここに問題の裏のカラクリが潜んでいます。

 

共感をがんばっているとはいっても、ほとんどの親御様は動けない子供やネガティブなことばかり言う子供に対して、実際は共感が全くできていません。

子供がネガティブなことばかり言うと、こんなふうに思ったり、言ってしまったりしています。

「最後はやるか、やらないか、どっちかしかないじゃない。どっちかに決めて、前に進もうよ。」

 

もしくはこんなふうに言いたくなったり、言ってしまったりしていませんか?

「大丈夫だよ。ネガティブな人も世の中にはいっぱいいるんだよ。それでも世の中はなんとかやっていけるんだよ。あなたそんなに心配することないよ。」

 

これらは実は全く共感になっていません。

親御様が子供にポジティブさを求めて、言ってしまっているからです。

親である以上、ある程度、ポジティブさを求めてしまうのは、しょうがないかもしれません。しかし子供のネガティブな部分を受け入れることができず、子供のネガティブな部分をポジティブに変えることを求めてしまっています。

このことを子供は他人や社会に投影してしまうのです。だから子供は「社会はポジティブ至上主義だ。」という恐ろしい思い込みに囚われてしまうのです。

 

さきほど述べたようにこれは同時に「ポジティブに前をむけない自分は劣等人間だ。」という劣等感を生んでしまうため、子供は動けなくなってしまいます。

もしお子さんが動けなくて困っているなら、さきほどの例に述べたようなポジティブにもっていこうとする考え方や実際の発言を自分がしていないかというのを録音して徹底的にチェックしてみてください。

 

子供は親と愛着関係という目に見えない絆で結ばれています。親の発言や価値観の影響を子供は強く受けるのです。

だからこそ魔法ことばベーシック講座では親が変えるべき言葉がけや価値観について、具体的に詳しくお伝えしています。おそらくご参加いただいた全ての方が目から鱗の内容であることを確信しています。

 

「ポジティブ至上主義」から解放されたら、お子さんはどんなに楽になるでしょうか?

私は「ポジティブ至上主義」に苦しんでいるお子さんたちを1人でも多く、1日でも早く助けてあげたいと願っています。

だからこそ、半年間にわたって魔法ことばベーシック講座ではこういった不登校の解決に重要なポイントをすべてお伝えしています。参加されている方は、半年後、お子さんのどんな変化が見られるか、楽しみにしていてください。

 

ホンモノ共感クイズ「キャベツの千切り」

先週のホンモノ共感クイズには、10名の方から回答をいただきました。ありがとうございます。

この対応で大事なことは、謝ることは共感の本筋ではないということです。

我が子に申し訳ないことを言ってしまったという反省や後悔をする親御様の気持ちはとてもわかります。ただあまり謝り倒さないようにしてくださいね。

 

今回のホンモノ共感クイズは、私にとってもこれが唯一の正解だというものは実はありません。

日常生活で起きてしまいがちなこういったシチュエーションに対して、みなさんがどんなふうに反応されるのかをみてみたくて、ホンモノ共感クイズとしてお出ししました。

はじめてキャベツの千切りに挑戦した子の出来栄えがおもっていたより太かったというのは、よくありそうですよね。

「太いね。」なんて、つい言ってしまいそうですね。

 

この問題に関しては、お子さんは褒めてもらいたくて、もしくは褒めてもらえると思って切ったのにというところです。このお子さんの気持ちとへこんでしまったお子さんの気持ちをよく汲んであげて共感していくことが重要なポイントです。

みなさん、自分の言葉で崩れてしまった我が子との信頼関係を取り戻そうと、必死にさまざまな言葉を考えておられて、好ましく思いました。どなたの言葉も共感しようと、謝ろうと傷ついた心をすくい上げようとがんばっています。

ただこの段階で「もう一度料理をしてほしい。」とか、「また一緒に料理したい。」というのはちょっと早いかと思います。すぐに話をポジティブな方向にもっていってはいけません。

その点だけ気をつけていただいて、このありがちなコミュニケーションのトラブルにどう対応するか、もう一度考えてみてください。

 

ホンモノ共感「人が嫌いになってきた」

あなたのお子さんは不登校で数ヶ月前にSNSで知り合った人とのトラブルがあり、繊細なお子さんはそのことを随分と引きずっていました。数ヶ月たって、その件のことはあまり口にはしなくなったのですが、今度はこんなことをいいだしました。

「ねえ、ママ。最近、私は人のことがきらいになってきたんだけどどうしよう。」

 

不登校でもあり、人付き合いがうまいわけでもありませんが、友達を欲しがっていたこともあり、人のことが好きだと思っていたあなたはその発言にびっくりしました。

あなたならどのように共感しますか?

あなたが考えるホンモノ共感の言葉がけを7/4(火)16:00までにブログにコメントしてください。

来週7/5(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉がけをお伝えしますので、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。