こんにちは不登校セラピーと子供自信協会の新井てるかずです。
私のもとには、共感に頑張っているものの、なかなかうまくできないとお悩みの方の相談がとても多いです。
あるお母さんはこんなふうに共感のことで悩んでいました。
「娘の話を懸命に聞こうと頑張っていますが、娘の話は非常に長く、途中で疲れてきます。
ある日、娘から悩みを話されました。私にとっては、なんでそんなことで悩むのか、そんなことで悩む価値観が私には理解できません。どうしてもそこに共感ができません。」
こんなふうに悩んでいました。
このお母さんは長い間、この理由でうまく共感ができないことを自分の問題と思っていました。
共感できないのであれば、それは確かにお母さんの問題ですよね。
しかしお母さんの話を詳細に伺っていると、ある思い込みが存在することがわかったのです。
「共感するには、娘と同じ価値観を自分ももたなければいけない。そうでないと共感にはならない。しかし私と娘は価値観が全く違う人間、その壁を乗り越えることが難しい。」
こんな思い込みを無意識のうちにそのお母さんはもっていました。
私たち人間は1人1人、当然価値観が違います。誰かと全く同じ価値観を持つということは例え家族であったとしても難しいです。
私が提唱しているホンモノ共感は、「子供と全く同じ価値観をもちましょう。」というものではありません。
「違う価値観であってもそれは認めましょう。あなたがそう考えているのは理解できるよ。」というメッセージを送りましょうというものです。
全く同じ価値観をもたなければいけないのであれば、私であってもなかなか共感は難しいと思います。
化粧やオシャレに興味がある女性に私が共感するとしたら、私も化粧やオシャレをしなければいけない。つまり同一化しなければいけないということになりますよね。
みなさんもうお感じかと思いますが、それは無理です。
共感を拒んでしまう人の中にも同じような思い込みがある人がいらっしゃると思います。
私とあなたと同じ価値観ではないから、共感はできないという理由で共感を拒まれたという話も個人カウンセリングで時々伺うことがあります。
これをお読みの方の中にも相手と違う価値観だから、子供と違う価値観だから共感ができないとう考えの方はいらっしゃるでしょうか。ときどき、直接そういった方々の話を伺うこともあります。
共感はそういう同一化のレベルまで踏み込むこともあります。同調の意味で共感することもあります。
しかし、「共感=同一化」、「共感=同調」ではありません。
おそらく無意識に共感できないと悩んだり、共感を拒んでしまう人たちはその方自身が共感されずに育っているので、相手との一線をうまく引けず、自分が相手に巻き込まれるという感覚でそれを恐れているのかなとも感じられます。
ただそこは深く個人カウンセリングしたことがないので断言はできません。
ですが、重要な点を再度、お伝えします。
共感とは相手と価値観を同一化して、全て同調、同意しなければならないものであるというのは、間違った思い込みだということです。
共感とは、自分とは違う、相手の価値観を受け入れて理解し、認めるということです。
この感覚は言葉でいくら説明しても腹に落ちない限りはなかなかわからないかもしれません。
他の言い方をすると、「猫に犬になれ、それが共感である。」というのが思い込みだということです。
猫は猫のままでいいですし、犬は犬のままでいいのです。でも違う種類の生き物であってもわかりあい、寄り添うことはできるでしょう。
ぜひその考え方で共感してみてください。
ホンモノ共感クイズ「人が嫌いになってきた」
前回のホンモノ共感クイズには7名の方から回答をいただきました。ありがとうございます。
クイズとしてはわりと難しめだったと思いますが、多くの方から回答いただき嬉しく思います。
このクイズで難しいのは共感しつつ、自分の価値観を伝えるか、伝えないか。もし伝えるとしたら、どのように伝えるかというところです。
ひっとんさんやyukinohanaさんのようにお母さんはこうだよと伝えるやり方もあるでしょうし、他の方のように共感に徹するやり方もあると思います。
最近、個人カウンセリングで、あるニートの引きこもりの女の子がお母さんに自分にはない気楽な考え方をお母さんに教えてほしいという相談がありました。
その女の子はなんでも完璧主義で、適当とか、いい加減とか、とりあえずという言葉が辞書にない子です。
適当なところでという考え方をお母さんの口から教えてほしいといっていたのがその個人カウンセリングでとても印象的でした。
もちろん重要なのは、まず共感することですね。
私ももし、子供に今回のホンモノ共感クイズのようなことを聞かれたら、自分の考えを言うかどうかはかなり迷うと思います。
自分の考えを言う前に徹底的に共感して聞いて、なぜ嫌いなのか、どう嫌いなのかが理解できた上でなら、この子にとって最適かもしれない。受け入れやすいかもしれないという答えを言うかもしれません。
もう1点、大事なことは人を嫌いとはどういう状態かを深く理解することです。
人は嫌いというのはおそらく人と接してもいいことがない。嫌な思いをする。それを恐れてのことでしょう。
その恐れを深く理解した上で、人とのうまい距離の取り方について、親の考えを押し付けずに話せるといいかもしれませんね。
ホンモノ共感クイズ「中古車ほしい」
あなたのお子さんは男子中学生で、ここ最近、安定に学校にいけるようになってきました。
以前から車が好きで、ゲームはレースものばかりやっていますし、おじいちゃんが乗らなくなった車をいじらせてもらったりもしています。家での話題も車のことが多いです。
あるとき、彼がこんなことをいってきました。
「お母さん、俺、中古車買うから、お金ちょっとちょうだい。」
これに対してあなたはどのように返事し、どのように共感すればいいでしょうか?
あなたが考えるホンモノ共感の言葉がけを7/10(月)16:00までにブログにコメントしてください。
来週7/12(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉がけをお伝えしますので、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。