なぜ、親御様の共感がずれてしまうのか?

今日もお子さんがよく言う言葉で親御様の共感がずれがちなポイントについてお話します。

もし、学校のことを親子で話しているときにお子さんがこんなことを言ったら、あなたはどのように思いますか?

「人としゃべるのがめんどくさい。うざい。」

 

こういった言葉をお聞きになると、多くの親御様はこの子はめんどくさがりなんだなあという考えが浮かびませんか?

そしてこんなことをとっさにお子さん聞いたりしませんか?

「じゃあ、どんなことなら、うざくないの?」

「オンラインのゲームで話している子とはいつもよくしゃべっているじゃない。」

 

おそらくほとんどの親御様にこんな言葉が心の中で浮かぶのではないでしょうか。

実は、この言葉は浮かんでもいけないし、子供に言ってはいけない言葉です。

 

なぜ、この言葉を言ってはいけないのでしょうか?

その理由は、子供のマイナスの気持ちを無視して、プラスの方に意識を向けようとしているからです。

その場、その場で問題を解決しようとしているからです。

お子さんの「めんどくさい。」とか、「うざい。」というマイナスの言葉は、丁寧にキャッチして、受けとめなければいけません。

 

以前、私のセミナーの受講生で、お子さんこんなことを言っていた親御様がいました。

「それじゃあ、何のためにわざわざ学校に行くの?」

その後、このお子さんの不登校は悪化し、引きこもりになっていきました。

 

なぜ、このお子さんの不登校は悪化し、引きこもりになってしまったのか?

数回前のメルマガで、私は子供の劣等感の源はコミュニケーションにあるとお伝えしました。

実は「しゃべるのがうざい。めんどくさい。」と言う子供には、コミュニケーションの自信のなさ、つまり劣等感があるのです。

子供の心の奥底には「自分の話を聞いて!」と言う心の叫びがあるのです。

 

だからこそ、「あなたはこれこれこういうふうにしゃべっているんじゃない?」などという言葉は、親が子供のマイナスの気持ちから目をそらしたい、解決したい、あなたのマイナスには付き合いませんというメッセージを伝えてしまっているのです。

だから、ますます子供はコミュニケーションに劣等感を覚えて、不登校が悪化して、引きこもりになってしまうのです。

 

もし、あなたのお子さんが「人と話すのがめんどくさい。」とか、「嫌だ。」とか言うのであれば、確実にその言葉をキャッチしてあげてください。

「何がめんどくさいのか?」「どういうふうに自信がないのか?」「何をうざいと感じているのか?」これらを丁寧にお子さんに質問してあげましょう。

 

ここで1つ注意点があります。

残念ながら質問しても多くのお子さんは、明確に答えられないかもしれません。結局のところ原因は、わからずじまいかもしれません。

 

それでいいんです。この質問は解決を目的としたものではありません。

「あなたのマイナスの気持ちをちゃんとわかっていますよ。あなたの言葉ちゃんと聞いていますよ。」というメッセージを無言のうちに伝えるものだからです。

そのメッセージを伝えること自体が子供にとって、「ああ、聞いてくれるんだ。」という安心感をもたらします。

その積み重ねにより、人とのコミュニケーションに対する自信のなさが少しずつ消えていくのです。

 

これが前回、お話ししたお子さんが人と話せるようになる重要なポイントの残りの1つです。

次回は多くのお子さんにみられる完璧主義、「100人いたら100人から好かれたい。」についてお話しします。

 

ホンモノ共感クイズ「あんな人間になりたくない。」

前回のホンモノ共感クイズには、4名の方から回答をいただきました。ありがとうございます。

まゆかママさん

この言葉は、極端に自尊心が低い言葉です。

「自分を尊べないから、他人も尊べない。」というと皆さんはお分かりでしょうか?

「自分を受け入れらないから、他人も受け入れられない。自分のあり方を認められないから、他人のあり方も認められない。」

本質的な問題はこういったところにあります。

 

子供が自分で自分のあり方を尊べるようになるのにはたった1つ、有効な方法があります。

それがホンモノ共感です。

親御様がお子さんのこういったマイナスの言葉を丁寧にキャッチして、深く深く聞いてあげて、ホンモノ共感をしてあげることです。

お子さんの問題を解決しようとしないことです。

 

例えば、こんなふうに子供の考え、気持ち、価値観を深く深く掘り下げてみてください。

「何も考えていないってどんなこと?」

「自分さえよければいいって、そんなことを思っている人の具体例を教えてくれる?」

「じゃあ、逆に考えている人って、どんなことをどういうふうに考えていると思う?」

 

むーママさん

息子さんが人の批判が多いとのことですね。むーママさんの質問はとてもいいです。

人の非難をする人は、奥底で自分の批判をしています。自分のことが嫌いなんです。

なぜ、人を非難するのか?何がお子さんにとって受け入れられないのか?

これらをお子さんによーく聞いてあげてくださいね。

ひろさん、souさん

お二人とも良い質問をなさっていますね。ただお二人ともあまりプラス言葉を使わないように気をつけてください。

おそらく多くの親御様は「死ね。」とか、「死ぬ。」とかいう言葉がでてくると、思考停止状態になるか、なんとか必死にひっくり返したくなって、「死なないで。」と言ってしまうと思います。

実は子供の「死ね。」とか、「死ぬ。」という気持ちすら受け止めて、深く深く理解するのが、ホンモノ共感です。

「死ねばいい。」と思っているほど、自分が価値がないと思っているのです。子供のこの気持ちを理解する必要があるのです。

 

「バカで何も考えていない。自分さえ良ければいいと思っている。」

この言葉は「人に何の価値も提供していない。人の気持ちがわからない。人の気持ちを読むことができない。そういった人間は価値がない。」と言っているんです。

 

こういったことをいうお子さんの親御様は、ほとんどがホンモノ共感ができず、人の思考の先読みばかりやってきたはずです。

ここを変えなければいけません。人の思考の先読みを捨てさるのです。

お母さん、あなたが今もっている不要な価値観をすべて捨てるんです。それらを捨てることで、お子さんのマイナスな気持ちに寄り添い、共感できるようになるからです。

 

ホンモノ共感クイズ「宿題が終わったら、学校に行く。」

あなたのお子さんはこんなことを言い出しました。

「宿題が全部、終わったら学校に行く。」

 

あなたのお子さんは冬休みの宿題がまだ終わっていません。もしくは通信制高校でのレポートがたまっています。

宿題をやる気がまったくないわけではありません。むしろやる気はあるほうなのですが、こんなことを言います。

「全部ちゃんと終わらせないと学校に行けない。」

「わからない問題があるから、やるのが嫌になった。」

 

これらは完璧主義の一種です。

こんなお子さんにどのようにホンモノ共感をすればいいでしょうか?

あなたが考えるホンモノ共感の言葉を1/31(月)16時までにブログにコメントしてください。

 

来週2/2(水)に私が考えるホンモノ共感の言葉をお伝えしますので、ぜひ、この機会を活用して、不登校の改善に役立ててくださいね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。